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妄想メモ

夜の散歩の時だけ会える着物姿のお兄さんの話

2017/11/28 19:43
高校生の少女。
犬の散歩を夜にしている。
着物姿のお兄さんが現れるようになったのは彼岸がはじまった頃。
他人になつかない犬がそのお兄さんの方に行ってしまう。
撫でても平気。
夜の散歩は危ないと思うよ。
お兄さんは近くの道場で弓道している。
少女も弓道部。
弓道について話したりする。
星の話とか、さっき流れ星見ましたとか、今日は星がよく見えるだとか、そこらじゅう金木犀の香りがするだとか。

彼岸が終わってからお兄さんは現れなくなった。
近くの弓道会に足を運んでみたけれどお兄さんはいなかった。
もしかしたら幽霊だったのかもしれないなと少女は思った。
でもこわいとは思わなかった。



少年は少女に会った次の日学校で少女を探してみた。
制服が自分の高校のものだったからだ。
学年も一緒。バッチがⅢだったから。
でもいなかった。
その日の夜昨日の場所で待ってみた。
彼女と別れた後、彼女の忘れ物に気づく。まだ見えたから追いかけようとした。
けど途中から見えなくなった。
ある範囲を越えると見えなくなることに気づいた。
家に帰って兄にそのことを話した。
平行世界がどーの言い出した。
俺も会ったよ。その子のお姉さんだろうね。お互いに恋しちゃって大変だった。自分に恋しちゃってたんだよ。本当に大変だった。

彼女ときょうだいの話をした。
お姉さんは最近入籍したばかりだと言っていた。兄に伝えた。
実りの秋なのに実るはずがない恋だと知ったので彼岸が明けたらここにはもう来ないと決めた。
きっと幽霊か何かだろうと思ってくれるだろう。
いつまでも健やかに、平行世界の俺。

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