片想いのままでよかったのに
「俺と付き合わない?」
いつも通りの昼休み。
の、はずが、友人だと思っていた田宮のこの一言で日常は崩れ去った。
「は……」
全く状況を飲み込めなかった俺の頭は今真っ白だ。
何て言った?俺今ぼーっとしてた?話聞いてなかった?何の話してたっけ?
「“はい”?」
田宮は首をかしげる。上目遣いがだいぶかっこいい。
はい?はいなのか?何が?田宮何て言った?付き合わない?俺と?何の話?でも文脈から察するにこれは色恋のやつだが……いやしかし自惚れかもしれないぞ!田宮が俺のことが好きだと?そんなわけがあるかよ。俺は男だ。そんなわけあるはずがないのだ!
「えーと、何に付き合うの?買い物?まさか補習?どの教科もそつなくこなす田宮がまさか補習なんてない……」
よね?
「甲斐田、俺はお前が好きだ。だから、お前と付き合いたい」
やっぱり告白じゃん!告白だったじゃん!
しかも俺に~~~~~~~~!!!!
真剣な眼差しかっこいい!
「甲斐田、返事は?まあ、今じゃなくてもいいんだけどさ」
ちらと時刻を確認する。
「わかった。帰りまでには言おう。待っていてくれ」
なんでこんな謎の喋り方をしているんだ。
頭の中が真っ白なんだ。俺今自動モードで喋ってる!
「わかった。甲斐田、俺5限体育だから早めに行くわ」
「おう……」
「はい、おやつ」
ミルキー2粒手のひらに乗る。
「ありがとう……体育がんばれよ……」
「おーう」
俺は5限は数学なのでまだまだ寛いでいられる。
いつもだったら。
しかし今日は処理をせねばならない事案がある。
田宮と付き合うのか、付き合わないのか。で、ある。
正直田宮のことは好きだ。
この好きは田宮の言う好き、つまり恋愛感情である。
実は入学式の時にすれ違ったときにかっこいいと思って目で追い続けて1年。だいぶ好きになった。2年次は運のいいことに同じクラス!ひゃっほう!ハッピー片想いイヤーが始まるぜ!と思っていたのが1ヶ月前。
どうやら両想いだったみたいです。
両想い……困る……どうしたらいいの!
ああああああああ!
机に両肘を付きながら髪を掻きむしる。
「田宮に告白されたかい?」
声をかけられ顔を上げると佐坂がいた。
「されましたが、何で佐坂が知ってんだよ」
「甲斐田は田宮のこと好きだよって田宮に言ったの俺だから」
ん?今なんつった?なんつっ……?
「何で余計なことするの!」
「だって両片想いだったんだもん」
「もんって言うな」
そういうの困るなー。
ああ、近くで見ていられるだけでよかったのになー。
そして放課後。
あっというま!困った!
教室には俺と田宮だけがいた。クラスメイト誰もいない!みんな空気読みすぎ!
「返事は、ごめんなさい!です……ね…」
「え、俺のこと好きだって聞いたんだけど」
「う……」
「何か不都合が?」
「うう……」
整った田宮の顔超イケメン!
だってこんなこと言ってもいいのかな?嫌われたりしないかな?
好きだけど付き合いたいとは思わない。
何故なら、こわいからだ。
田宮の思う俺じゃないかもしれない。田宮の知らない俺は、田宮が嫌いかもしれない。嫌われるかもしれない。
本当の俺は……。好きな人に拒絶されるのがこわい。これ以上は近づいちゃダメだ。これ以上は近づけない。
「甲斐田?」
「やっぱり俺、付き合うのは」
「俺は!」
突然の大声。
「びっくりした……」
「俺としてはですね甲斐田さん」
田宮は言った。
田宮の知り合いの女の子が、俺のことが好きらしくアタックし始めようとしているらしい。その女の子がとても愛らしく俺の好みらしいので焦ったようなのだ。
「いやいや、俺が好きなのは田宮だからその子に告られても付き合わないよ」
「そうか」
「じゃあさっきの告白無しってことで」
「ん?は?両想いなのに付き合わないの?」
「両想いだから必ず付き合うってわけじゃなくない?」
「俺は甲斐田と付き合いたい」
「な、なんで」
「独占したいから?」
「独占……」
恥ずかしいことを言うな!独占!
ちょっとM心が疼く。ちょっとだけ。
「親友ルートじゃダメなの?」
「親友じゃキスしたりイチャイチャしたりできないだろ」
…………………?
!?
!!?
は!?はい!?田宮は俺とそんなことがしたいの!?
「甲斐田、顔真っ赤」
「ううううるせぇ!田宮が変なこと言うからだろ!?」
「男子高校生だよ?好きなやつとそういうことしたいって考えたりしない?」
「俺の好きって憧れだから!そういうのは考えたことないから!」
「もっと魅了できるようにならないと、かな」
いや、もうだいぶ魅了はされてると思うんだけど。
「いつか女の子にしてあげるね」
「……は?性転換させられるの?」
「んー、違うかな」
付き合うかどうかは保留になった。
いつも通りの昼休み。
の、はずが、友人だと思っていた田宮のこの一言で日常は崩れ去った。
「は……」
全く状況を飲み込めなかった俺の頭は今真っ白だ。
何て言った?俺今ぼーっとしてた?話聞いてなかった?何の話してたっけ?
「“はい”?」
田宮は首をかしげる。上目遣いがだいぶかっこいい。
はい?はいなのか?何が?田宮何て言った?付き合わない?俺と?何の話?でも文脈から察するにこれは色恋のやつだが……いやしかし自惚れかもしれないぞ!田宮が俺のことが好きだと?そんなわけがあるかよ。俺は男だ。そんなわけあるはずがないのだ!
「えーと、何に付き合うの?買い物?まさか補習?どの教科もそつなくこなす田宮がまさか補習なんてない……」
よね?
「甲斐田、俺はお前が好きだ。だから、お前と付き合いたい」
やっぱり告白じゃん!告白だったじゃん!
しかも俺に~~~~~~~~!!!!
真剣な眼差しかっこいい!
「甲斐田、返事は?まあ、今じゃなくてもいいんだけどさ」
ちらと時刻を確認する。
「わかった。帰りまでには言おう。待っていてくれ」
なんでこんな謎の喋り方をしているんだ。
頭の中が真っ白なんだ。俺今自動モードで喋ってる!
「わかった。甲斐田、俺5限体育だから早めに行くわ」
「おう……」
「はい、おやつ」
ミルキー2粒手のひらに乗る。
「ありがとう……体育がんばれよ……」
「おーう」
俺は5限は数学なのでまだまだ寛いでいられる。
いつもだったら。
しかし今日は処理をせねばならない事案がある。
田宮と付き合うのか、付き合わないのか。で、ある。
正直田宮のことは好きだ。
この好きは田宮の言う好き、つまり恋愛感情である。
実は入学式の時にすれ違ったときにかっこいいと思って目で追い続けて1年。だいぶ好きになった。2年次は運のいいことに同じクラス!ひゃっほう!ハッピー片想いイヤーが始まるぜ!と思っていたのが1ヶ月前。
どうやら両想いだったみたいです。
両想い……困る……どうしたらいいの!
ああああああああ!
机に両肘を付きながら髪を掻きむしる。
「田宮に告白されたかい?」
声をかけられ顔を上げると佐坂がいた。
「されましたが、何で佐坂が知ってんだよ」
「甲斐田は田宮のこと好きだよって田宮に言ったの俺だから」
ん?今なんつった?なんつっ……?
「何で余計なことするの!」
「だって両片想いだったんだもん」
「もんって言うな」
そういうの困るなー。
ああ、近くで見ていられるだけでよかったのになー。
そして放課後。
あっというま!困った!
教室には俺と田宮だけがいた。クラスメイト誰もいない!みんな空気読みすぎ!
「返事は、ごめんなさい!です……ね…」
「え、俺のこと好きだって聞いたんだけど」
「う……」
「何か不都合が?」
「うう……」
整った田宮の顔超イケメン!
だってこんなこと言ってもいいのかな?嫌われたりしないかな?
好きだけど付き合いたいとは思わない。
何故なら、こわいからだ。
田宮の思う俺じゃないかもしれない。田宮の知らない俺は、田宮が嫌いかもしれない。嫌われるかもしれない。
本当の俺は……。好きな人に拒絶されるのがこわい。これ以上は近づいちゃダメだ。これ以上は近づけない。
「甲斐田?」
「やっぱり俺、付き合うのは」
「俺は!」
突然の大声。
「びっくりした……」
「俺としてはですね甲斐田さん」
田宮は言った。
田宮の知り合いの女の子が、俺のことが好きらしくアタックし始めようとしているらしい。その女の子がとても愛らしく俺の好みらしいので焦ったようなのだ。
「いやいや、俺が好きなのは田宮だからその子に告られても付き合わないよ」
「そうか」
「じゃあさっきの告白無しってことで」
「ん?は?両想いなのに付き合わないの?」
「両想いだから必ず付き合うってわけじゃなくない?」
「俺は甲斐田と付き合いたい」
「な、なんで」
「独占したいから?」
「独占……」
恥ずかしいことを言うな!独占!
ちょっとM心が疼く。ちょっとだけ。
「親友ルートじゃダメなの?」
「親友じゃキスしたりイチャイチャしたりできないだろ」
…………………?
!?
!!?
は!?はい!?田宮は俺とそんなことがしたいの!?
「甲斐田、顔真っ赤」
「ううううるせぇ!田宮が変なこと言うからだろ!?」
「男子高校生だよ?好きなやつとそういうことしたいって考えたりしない?」
「俺の好きって憧れだから!そういうのは考えたことないから!」
「もっと魅了できるようにならないと、かな」
いや、もうだいぶ魅了はされてると思うんだけど。
「いつか女の子にしてあげるね」
「……は?性転換させられるの?」
「んー、違うかな」
付き合うかどうかは保留になった。