プレイボーイの憂鬱
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越野は仙道の気持ちも知っているし、実は後藤の気持ちも知っていた。お互いからサンドイッチ状に相談を受けていたのだ。そして今日、後藤の待ち合わせの内容が告白だと言う事も知っていた。お相手は、前に練習試合を組んだ近くの私立高校のバスケ部員だった。場所までは聞いていないが、きっと駅かどこかで待ち合わせなんだろう。それを仙道に教えて背中を押すのもアリかと考えたが、越野は仙道に自分で踏み切って欲しかった。後藤と仙道に、お互い想いを寄せ合っている事を伝えてしまうのも簡単だが、それでは2人の為では無いと思った。仙道がどう動くか、将又後藤が先に動くのか。越野はここしばらくの間、人生を楽しませて貰っていた。
「頑張れよ、仙道。」
心の中でそう呟いて、電車に乗った。
*****
****
***
**
*
「仙道、」
背後からの突然にも彼女が出現。仙道は飲みかけの水が変な所に入ってしまい咳き込んだ。深呼吸で整えると、口元の水をTシャツの襟で拭う。
「吃驚させないでよ、夢叶ちゃん。」
「ごめんね。仙道の姿が見えたから、つい。」
「またそう言う事言う。」
陵南高校バスケ部の練習終了時刻は遅く、到着した電車はガラガラ。席はたくさん空いているのに、端っこの席に2人で並んで座った。
「私ね、告白されたんだ。」
「…そっか。」
心臓が大きく跳ね上がる音がした。悟られてはいけない、そんな気がしていつもの通り余裕綽々な態度を取る。後藤は鞄のキーホルダーを弄りながら、話を続けた。
「前に練習試合した西高の5番なんだけど。」
「確か3年の。オーケーしたの?」
「ううん。」
「何で?結構イケメンな感じじゃ無かった?背が高くて、爽やかで、夢叶ちゃんが好きそうな感じの。」
「仙道、自分の事言ってるみたい。」
まさかの予想外の返答に言葉が詰まった。ちらり、後藤の顔を覗き込んでみても、彼女はひたすらに靴元に視線を向けている。
「でも正直、揺らいだよね。だってなかなか踏み出してくれないんだもん。」
「…踏み出す?」
「そう。私、ずーっと待ってるんだけどなぁ。もしもその5番と付き合ったら奪いに来てくれるのかなって。…… なんて、御伽噺の読み過ぎだよね。」
「頑張れよ、仙道。」
心の中でそう呟いて、電車に乗った。
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「仙道、」
背後からの突然にも彼女が出現。仙道は飲みかけの水が変な所に入ってしまい咳き込んだ。深呼吸で整えると、口元の水をTシャツの襟で拭う。
「吃驚させないでよ、夢叶ちゃん。」
「ごめんね。仙道の姿が見えたから、つい。」
「またそう言う事言う。」
陵南高校バスケ部の練習終了時刻は遅く、到着した電車はガラガラ。席はたくさん空いているのに、端っこの席に2人で並んで座った。
「私ね、告白されたんだ。」
「…そっか。」
心臓が大きく跳ね上がる音がした。悟られてはいけない、そんな気がしていつもの通り余裕綽々な態度を取る。後藤は鞄のキーホルダーを弄りながら、話を続けた。
「前に練習試合した西高の5番なんだけど。」
「確か3年の。オーケーしたの?」
「ううん。」
「何で?結構イケメンな感じじゃ無かった?背が高くて、爽やかで、夢叶ちゃんが好きそうな感じの。」
「仙道、自分の事言ってるみたい。」
まさかの予想外の返答に言葉が詰まった。ちらり、後藤の顔を覗き込んでみても、彼女はひたすらに靴元に視線を向けている。
「でも正直、揺らいだよね。だってなかなか踏み出してくれないんだもん。」
「…踏み出す?」
「そう。私、ずーっと待ってるんだけどなぁ。もしもその5番と付き合ったら奪いに来てくれるのかなって。…… なんて、御伽噺の読み過ぎだよね。」