Give me a chance!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
同じ気持ち。晴子を好きな桜木に恋をする後藤、桜木を好きな後藤に恋をする水戸。立場は同じで、両方とも叶いっこない。
「水戸くんも?」
「俺も。好きな子に好きな子が居る。応援したい気持ちと、俺に夢中になっちまえば良いのにって気持ち。」
「言ってみれば、桜木くんだって一緒よね。」
「確かにな。」
流川が好きな晴子に恋をする桜木。嗚呼、どうして人生は上手く行かないのだろうか。親友に恋をしている女の子なんて、今まで見た事ない。だから応援してやりたい。だけど、出来ない。どうしてこう言う時に限って。
「……後藤さん。」
「ん?」
「俺ね、後藤さんの事、好き。」
後藤は小さく笑って、「そうだったんだ。」と言った。予想外の反応で、少したじろいでしまう。
「ありがとう、水戸くん。」
「待ってるから。」
「…え?」
足を止めて、自分より少し背の低い後藤に合わせる様に、水戸は膝を軽く折り、真っ直ぐ彼女を見詰めた。
「後藤さんが俺の事、見てくれる時まで。待ってるから。」
「……やめてよ、水戸くん。」
後藤は声を震わせて、ぽたぽたと垂れる目元の雫を手で拭う。そんな彼女の後頭部に優しく手を添えれば、水戸は自身の胸の内へ引き寄せた。堰を切ったように、後藤は小さく声を漏らしながら涙を流した。
「桜木くんの目には映らないって、分かって好きになったのに。辛かった。」
「俺なら、笑顔に出来る。」
今度は力強く、濁さずに。片手の傘が足元に落ちて、空いた手で後藤を強く抱き締めた。
「待つなんて良い子ぶって言ったけど、やっぱ待てねえわ。そんな、後藤さんが泣いてる姿、見たくねえ。」
気持ちが伝染するとはこのことか。次第に様々な感情が込み上げ、大渋滞の頭の中で、なんとか絞り出した言葉は、告白には足りないかもしれない。
「俺に、チャンスをくれないか?」
ひくひくと胸の中で啜り泣く彼女は、意に反して首を縦に1つ動かす。イエスとも取れるその反応に、水戸は息が止まってしまいそうだった。
「私にも、チャンスを下さい。」
「水戸くんを好きになるチャンス」と彼女が付け加えるものだから、腕の中の彼女に心臓の音が聞こえてしまいそうで。
「絶対、夢中にさせるから。」
次の日、1年7組の教室に、2人分の空きがあったのはご想像の通り。
「水戸くんも?」
「俺も。好きな子に好きな子が居る。応援したい気持ちと、俺に夢中になっちまえば良いのにって気持ち。」
「言ってみれば、桜木くんだって一緒よね。」
「確かにな。」
流川が好きな晴子に恋をする桜木。嗚呼、どうして人生は上手く行かないのだろうか。親友に恋をしている女の子なんて、今まで見た事ない。だから応援してやりたい。だけど、出来ない。どうしてこう言う時に限って。
「……後藤さん。」
「ん?」
「俺ね、後藤さんの事、好き。」
後藤は小さく笑って、「そうだったんだ。」と言った。予想外の反応で、少したじろいでしまう。
「ありがとう、水戸くん。」
「待ってるから。」
「…え?」
足を止めて、自分より少し背の低い後藤に合わせる様に、水戸は膝を軽く折り、真っ直ぐ彼女を見詰めた。
「後藤さんが俺の事、見てくれる時まで。待ってるから。」
「……やめてよ、水戸くん。」
後藤は声を震わせて、ぽたぽたと垂れる目元の雫を手で拭う。そんな彼女の後頭部に優しく手を添えれば、水戸は自身の胸の内へ引き寄せた。堰を切ったように、後藤は小さく声を漏らしながら涙を流した。
「桜木くんの目には映らないって、分かって好きになったのに。辛かった。」
「俺なら、笑顔に出来る。」
今度は力強く、濁さずに。片手の傘が足元に落ちて、空いた手で後藤を強く抱き締めた。
「待つなんて良い子ぶって言ったけど、やっぱ待てねえわ。そんな、後藤さんが泣いてる姿、見たくねえ。」
気持ちが伝染するとはこのことか。次第に様々な感情が込み上げ、大渋滞の頭の中で、なんとか絞り出した言葉は、告白には足りないかもしれない。
「俺に、チャンスをくれないか?」
ひくひくと胸の中で啜り泣く彼女は、意に反して首を縦に1つ動かす。イエスとも取れるその反応に、水戸は息が止まってしまいそうだった。
「私にも、チャンスを下さい。」
「水戸くんを好きになるチャンス」と彼女が付け加えるものだから、腕の中の彼女に心臓の音が聞こえてしまいそうで。
「絶対、夢中にさせるから。」
次の日、1年7組の教室に、2人分の空きがあったのはご想像の通り。