第2章
夢小説設定
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今日の練習も終え、それぞれが帰路に着く。三井に半強制的に連れられる宮城は、離れ難そうに彩子に構うも、彩子はひらりと手を振り三井に宮城を早く連れて行く様に言った。
「さ。アタシ達も帰りましょうか、夢叶ちゃん。」
「はい!今日、遅くなっちゃってごめんなさい。」
「良いのよ。にしても、仙道と知り合いだったとはね。」
「はは。そこまで関係は深くないけど。」
後藤は彩子に、仙道と選抜で出会った事や、時々勇気付けられていた事を話した。男子と女子は近い様で遠く、仙道は東京代表だった故に、あまり親密に関わる事は無かったが、顔を合わせれば近況報告をする程の仲ではあった。
「すごい久し振りに会ったんですよ。」
「なのに、仙道は夢叶ちゃんの事覚えててくれたのね。」
「ね、私も吃驚しました。声掛けられるまで気付かなかった。」
「後藤、」
あの子に強烈なライバルが。なんて思った矢先、噂をすれば何とやら。流川が背後から声を掛ける。
「あ、流川。お疲れ。」
「ふふ。じゃあ私は先に帰るわね。」
「え、彩子さん?」
「流川、ちゃあんと夢叶ちゃんを送るのよ?」
「……ウス。」
そうして二人きりになった流川と後藤。二人の間をなんとも言えない微妙な時間が流れる。実際には2、3秒ほどであろう。それでも非常に長い時間であったように感じたのは、流川が微妙な表情を浮かべているからである。
「……、ご飯でも食べてく?」
最初に沈黙を破ったのは後藤。流川は「ん、」とだけ呟くと駅へ向かって歩き出す。一緒に歩いているのか、別々に同じ目的地へ向かっているのか、定かではないけれど、二歩分だけ前を歩く流川の背中が何だか小さく見えた気がした。
「あ、そうだ。あそこのファストフードにしようよ。選抜の帰りによく寄ったよね。懐かしいな〜。」
「お前がジュースこぼして泣いてた店?」
「なにその覚え方。そんなんだから友達いないんだよ。」
「うるせー。さっさと行くぞ。」
きっと、背中が小さく見えたのは気のせいかもしれない。前を歩いていたはずの流川はもう隣へ並んでいる。オレンジ色に染まった夕暮れを背景に、部活帰りの部員がふたり。いろんな意味で思い出のファストフード店へ向かうのだった。
「さ。アタシ達も帰りましょうか、夢叶ちゃん。」
「はい!今日、遅くなっちゃってごめんなさい。」
「良いのよ。にしても、仙道と知り合いだったとはね。」
「はは。そこまで関係は深くないけど。」
後藤は彩子に、仙道と選抜で出会った事や、時々勇気付けられていた事を話した。男子と女子は近い様で遠く、仙道は東京代表だった故に、あまり親密に関わる事は無かったが、顔を合わせれば近況報告をする程の仲ではあった。
「すごい久し振りに会ったんですよ。」
「なのに、仙道は夢叶ちゃんの事覚えててくれたのね。」
「ね、私も吃驚しました。声掛けられるまで気付かなかった。」
「後藤、」
あの子に強烈なライバルが。なんて思った矢先、噂をすれば何とやら。流川が背後から声を掛ける。
「あ、流川。お疲れ。」
「ふふ。じゃあ私は先に帰るわね。」
「え、彩子さん?」
「流川、ちゃあんと夢叶ちゃんを送るのよ?」
「……ウス。」
そうして二人きりになった流川と後藤。二人の間をなんとも言えない微妙な時間が流れる。実際には2、3秒ほどであろう。それでも非常に長い時間であったように感じたのは、流川が微妙な表情を浮かべているからである。
「……、ご飯でも食べてく?」
最初に沈黙を破ったのは後藤。流川は「ん、」とだけ呟くと駅へ向かって歩き出す。一緒に歩いているのか、別々に同じ目的地へ向かっているのか、定かではないけれど、二歩分だけ前を歩く流川の背中が何だか小さく見えた気がした。
「あ、そうだ。あそこのファストフードにしようよ。選抜の帰りによく寄ったよね。懐かしいな〜。」
「お前がジュースこぼして泣いてた店?」
「なにその覚え方。そんなんだから友達いないんだよ。」
「うるせー。さっさと行くぞ。」
きっと、背中が小さく見えたのは気のせいかもしれない。前を歩いていたはずの流川はもう隣へ並んでいる。オレンジ色に染まった夕暮れを背景に、部活帰りの部員がふたり。いろんな意味で思い出のファストフード店へ向かうのだった。
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