第2章
夢小説設定
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ーーー 土曜日の朝。部活に参加する為に支度を済ませるとそそくさと家を出た。土曜日だと言うのに、電車は混んでいて座れそうにない。後藤は小さく溜息を吐いた。途端にがた、と電車が揺れて隣の人へ肩をぶつけてしまった。
「あっ、ごめんなさい。」
「…夢叶ちゃん?」
「……仙道くん!」
「うわ、すごい久し振りだ。」
東京代表選手であった仙道と神奈川代表選手の後藤は、選抜の練習で何度か顔を合わせ、意気投合したのち時々一緒に弁当を食べた事もあった。
「ねえ、この後時間あるよね。」
「…あるよね?」
「ちょっと次の駅で降りてお茶しよっか。」
「ん?…あれ、待って仙道くん。」
気付いた時にはもう遅し。完全に仙道のペースに飲み込まれ、駅の近くのカフェにて紅茶と小さなタルトを目の前にしていた。
「え、本当に良いの?仙道くん。」
「もちろん。ご馳走させて。」
初めの頃は、練習に遅れるから断らなきゃ。なんて思ってはいたが、大好物のフルーツタルトを前にしてはもうそんな事頭の片隅に追いやられてしまった。
「美味しい〜!」
「ふふ。良かった。」
「仙道くんは食べないの?」
「食べるけど、夢叶ちゃんが美味しそうに食べるもんだから、見てるだけでお腹一杯になりそうだよ。」
仙道は、今にも蕩けそうな笑顔を見せられて堪らない。出会った頃の後藤からは、かなり大人びて居るけれど、このように食べ物を美味しそうに食べる姿は変わらない。
「で、夢叶ちゃん。高校はどこ?推薦も沢山あったんだろ?」
後藤は唇を噛み締め、小さく息を吸ってから、仙道にもう自分はバスケをしないと言う事を伝えた。すると、仙道は小さく笑って後藤の口の両端に人差し指を添え、くい、と持ち上げた。
「ほうら。そんな悲しい顔されちゃ、俺困るよ。笑って、」
中学1年の時の関東選抜練習時。女子選手はほとんど3年生で、1年は後藤だけだった。練習で上手く行かず、昼休みの時には1人で体育館の中庭で泣いていた時もあった。そんな時、1つ年上の仙道が声をかけてくれたのが、2人の出会いだった。そんな瞬間をふと思いだして、後藤は小さく思い出し笑いを零した。
「懐かしいなあ。」
「ね。仙道くんはまだバスケを続けてる?」
「おう。今は一人暮らしさ。つい最近、湘北と練習試合したよ。」
「ってことは、陵南か。」
「そうそう。」
「そうだったんだ。最近、うちの部員も打倒陵南で頑張ってるよ。県予選でまた当たるだろうし、その前に合同練習とかできたら良いんだけどね。なかなか難しいよなぁ。」
「そりゃ良いアイディアだな。」
予想外の仙道の反応に、後藤は首を傾げた。すると仙道は、二人が完食した事を確認し立ち上がると後藤の腕を引いた。
「さぁ、行こうか。」
「あっ、ごめんなさい。」
「…夢叶ちゃん?」
「……仙道くん!」
「うわ、すごい久し振りだ。」
東京代表選手であった仙道と神奈川代表選手の後藤は、選抜の練習で何度か顔を合わせ、意気投合したのち時々一緒に弁当を食べた事もあった。
「ねえ、この後時間あるよね。」
「…あるよね?」
「ちょっと次の駅で降りてお茶しよっか。」
「ん?…あれ、待って仙道くん。」
気付いた時にはもう遅し。完全に仙道のペースに飲み込まれ、駅の近くのカフェにて紅茶と小さなタルトを目の前にしていた。
「え、本当に良いの?仙道くん。」
「もちろん。ご馳走させて。」
初めの頃は、練習に遅れるから断らなきゃ。なんて思ってはいたが、大好物のフルーツタルトを前にしてはもうそんな事頭の片隅に追いやられてしまった。
「美味しい〜!」
「ふふ。良かった。」
「仙道くんは食べないの?」
「食べるけど、夢叶ちゃんが美味しそうに食べるもんだから、見てるだけでお腹一杯になりそうだよ。」
仙道は、今にも蕩けそうな笑顔を見せられて堪らない。出会った頃の後藤からは、かなり大人びて居るけれど、このように食べ物を美味しそうに食べる姿は変わらない。
「で、夢叶ちゃん。高校はどこ?推薦も沢山あったんだろ?」
後藤は唇を噛み締め、小さく息を吸ってから、仙道にもう自分はバスケをしないと言う事を伝えた。すると、仙道は小さく笑って後藤の口の両端に人差し指を添え、くい、と持ち上げた。
「ほうら。そんな悲しい顔されちゃ、俺困るよ。笑って、」
中学1年の時の関東選抜練習時。女子選手はほとんど3年生で、1年は後藤だけだった。練習で上手く行かず、昼休みの時には1人で体育館の中庭で泣いていた時もあった。そんな時、1つ年上の仙道が声をかけてくれたのが、2人の出会いだった。そんな瞬間をふと思いだして、後藤は小さく思い出し笑いを零した。
「懐かしいなあ。」
「ね。仙道くんはまだバスケを続けてる?」
「おう。今は一人暮らしさ。つい最近、湘北と練習試合したよ。」
「ってことは、陵南か。」
「そうそう。」
「そうだったんだ。最近、うちの部員も打倒陵南で頑張ってるよ。県予選でまた当たるだろうし、その前に合同練習とかできたら良いんだけどね。なかなか難しいよなぁ。」
「そりゃ良いアイディアだな。」
予想外の仙道の反応に、後藤は首を傾げた。すると仙道は、二人が完食した事を確認し立ち上がると後藤の腕を引いた。
「さぁ、行こうか。」