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予定よりもだいぶ遅くなってしまったが、無事に帰宅。さて、夕飯どうしよう。カップ麺でも作って簡単に済ませようか。
きっと、急に環境が変わって猫も混乱するだろうし、出来るだけ見ていてあげた方が良いんだろうか。……『猫の飼い方』系の本でも読んでおけばよかった。飼う予定もないのに読むのもヘンだけどさ。
取りあえず今は、猫優先。早速購入してきたえさ入れやらフードやらを取り出す。カラーが付いてる間は容器が高い位置にあった方が食べたり飲んだりしやすいよ、と店員さんに教えてもらったので、台の上に置いたりしてその通りに。
「こんなもんかな」
ざっと一通り準備完了。えさと水は、取りあえず入れてみた。食べるかどうかはホンニンに任せよう。
「出て来て良いよー」
キャリーの扉を開けてやると、一度部屋の中を見渡したあと、割と躊躇せずに出て来た。長期戦も覚悟してたんだけどな。予想外にスムーズな展開に拍子抜けしながらも、次の準備に取りかかる。
手頃なサイズの段ボール箱の一側面を切り取る。計四面になった元箱にタオルを敷き詰め、具合を確かめる。うん、硬くはないな。ふかふかとまではいかないけど。急ごしらえではあるけれど、寝床完成。制作作業を興味深そうに見ていた猫に、取りあえずこれでどうよ? なんて聞いてみる。目の前に差し出すと、ひょいと中に入り、座り心地を確認しているようだった。
「にゃん」
そこに居座っているところを見ると、気に入ってもらえたらしい。
さて、あと問題なのはトイレだ。いくら何でもトイレ一式は買ってこれなかった。値段とかじゃなくて、大きさ的に。もう他にも色々持って帰らなきゃいけないのに、あのサイズは無理。砂とかも買わなきゃだしさ。だからひとまずペットシートは買ってきた。
段ボール箱の底の部分を10㎝くらいで切り落とし、その中にビニールシートを敷いた。更にその上にペットシートを乗せて、簡易トイレ完成。ここで用を足してくれ給え。通じているとは思わないが、一応そう言っておいた。蹴っ飛ばしたりしないように部屋の隅に配置。
……うし、取りあえずこれで何とかなるか?
ふと時計を見れば思った以上に時間が経っていて苦笑した。
「うわ、こりゃカップ麺決定だわ」
そう呟くと、猫が申し訳なさそうに小さく啼いた。おまえは悪くないんだよと頭を撫でてやった時、ふと気がついた。
「名前、つけた方が良いのかな」
少なくとも数日は共に暮らすのだ。ずっと『キミ』とか『おまえ』とか呼ぶわけにはいかないだろう。
「名前……えーと。タマ。」
「…………」
……いくら何でもこれは解るぞ。すげー嫌そう。なんだよ、国民的アニメの猫の名前は気に入らないのか。だからって“ミケ”じゃないし。
そういえば、この猫なんて種類だろ。動物病院で雄だって事は分かったけど、品種までは聞いてない。身体の模様はソックス系だけど、何だこの立派な富士額。白と黒のコントラストが素晴らしいよ。しかもなんか鼻の穴でかくない?これが普通か?で尻尾は短い、と。
……わかんね。雑種かな。品種から名前とるのも無理だな。
「う――――……ん」
どうしようかな。……そういえば、この猫他の猫より一回りくらい小さかったなー……。
なんてぼんやり考えている時、ふとこの猫が縮こまっていた近くに松の木が植わっていた事を思い出した。
「……ふはっ」
我ながらなんて安直。でも少し無理矢理過ぎかなとも思う。
「コマツ……はどうよ」
「!」
お、反応あり。三角の耳がぴょこっとこちらを向いた。
「コマツー」
「にゃぁ」
苗字っぽいかなと思ったけど、どうやらこれは気に入ってくれたらしい。
「よーし、今日からキミの名前はコマツだ」
これからヨロシクね、コマツ。
そっと頭を撫でてやると、コマツは心地よさそうに目を閉じてゴロゴロと喉を鳴らした。
きっと、急に環境が変わって猫も混乱するだろうし、出来るだけ見ていてあげた方が良いんだろうか。……『猫の飼い方』系の本でも読んでおけばよかった。飼う予定もないのに読むのもヘンだけどさ。
取りあえず今は、猫優先。早速購入してきたえさ入れやらフードやらを取り出す。カラーが付いてる間は容器が高い位置にあった方が食べたり飲んだりしやすいよ、と店員さんに教えてもらったので、台の上に置いたりしてその通りに。
「こんなもんかな」
ざっと一通り準備完了。えさと水は、取りあえず入れてみた。食べるかどうかはホンニンに任せよう。
「出て来て良いよー」
キャリーの扉を開けてやると、一度部屋の中を見渡したあと、割と躊躇せずに出て来た。長期戦も覚悟してたんだけどな。予想外にスムーズな展開に拍子抜けしながらも、次の準備に取りかかる。
手頃なサイズの段ボール箱の一側面を切り取る。計四面になった元箱にタオルを敷き詰め、具合を確かめる。うん、硬くはないな。ふかふかとまではいかないけど。急ごしらえではあるけれど、寝床完成。制作作業を興味深そうに見ていた猫に、取りあえずこれでどうよ? なんて聞いてみる。目の前に差し出すと、ひょいと中に入り、座り心地を確認しているようだった。
「にゃん」
そこに居座っているところを見ると、気に入ってもらえたらしい。
さて、あと問題なのはトイレだ。いくら何でもトイレ一式は買ってこれなかった。値段とかじゃなくて、大きさ的に。もう他にも色々持って帰らなきゃいけないのに、あのサイズは無理。砂とかも買わなきゃだしさ。だからひとまずペットシートは買ってきた。
段ボール箱の底の部分を10㎝くらいで切り落とし、その中にビニールシートを敷いた。更にその上にペットシートを乗せて、簡易トイレ完成。ここで用を足してくれ給え。通じているとは思わないが、一応そう言っておいた。蹴っ飛ばしたりしないように部屋の隅に配置。
……うし、取りあえずこれで何とかなるか?
ふと時計を見れば思った以上に時間が経っていて苦笑した。
「うわ、こりゃカップ麺決定だわ」
そう呟くと、猫が申し訳なさそうに小さく啼いた。おまえは悪くないんだよと頭を撫でてやった時、ふと気がついた。
「名前、つけた方が良いのかな」
少なくとも数日は共に暮らすのだ。ずっと『キミ』とか『おまえ』とか呼ぶわけにはいかないだろう。
「名前……えーと。タマ。」
「…………」
……いくら何でもこれは解るぞ。すげー嫌そう。なんだよ、国民的アニメの猫の名前は気に入らないのか。だからって“ミケ”じゃないし。
そういえば、この猫なんて種類だろ。動物病院で雄だって事は分かったけど、品種までは聞いてない。身体の模様はソックス系だけど、何だこの立派な富士額。白と黒のコントラストが素晴らしいよ。しかもなんか鼻の穴でかくない?これが普通か?で尻尾は短い、と。
……わかんね。雑種かな。品種から名前とるのも無理だな。
「う――――……ん」
どうしようかな。……そういえば、この猫他の猫より一回りくらい小さかったなー……。
なんてぼんやり考えている時、ふとこの猫が縮こまっていた近くに松の木が植わっていた事を思い出した。
「……ふはっ」
我ながらなんて安直。でも少し無理矢理過ぎかなとも思う。
「コマツ……はどうよ」
「!」
お、反応あり。三角の耳がぴょこっとこちらを向いた。
「コマツー」
「にゃぁ」
苗字っぽいかなと思ったけど、どうやらこれは気に入ってくれたらしい。
「よーし、今日からキミの名前はコマツだ」
これからヨロシクね、コマツ。
そっと頭を撫でてやると、コマツは心地よさそうに目を閉じてゴロゴロと喉を鳴らした。