季節ss
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
仕事からの帰り道、朝には無かった紙袋を持って早足で歩く。
キャットフードと、ボロボロになったおもちゃの替えを買おうと思い、少し久しぶりにペット用品店へ足を伸ばした。いつも通り店の中を見て回っていたら、特設でセールをしていた。そのセール品を見ていたら、心が疼いた。せっかくのイベントだから、楽しみたい。
前日ということもあり、破格のセールだった。……大丈夫かな、結構種類が豊富なんだけどこのセール。選び放題でありがたいといえばありがたいけど。よさそうなものをいくつか選んで、当初の目的の物も籠に入れた。
久々に店員さんと少し話をして、会計を済ませて店を出た。
……そう言えば、今日は先生に会わなかったな。――まあいいか。とにかく今は早く帰ろう。ああ、楽しみだなぁ。
一晩経って、十月三十一日。ハッピーハロウィーン。ま、正式なことはできないけどね。仕事が休みで良かった。これで心置きなく。
朝食を済ませてから、また寝室に戻った。そして昨日買ってきた物を持って、再びリビングへ。
とりあえずソファに腰を下ろす。
「コマツー。ちょっとおいでー」
腿を叩いてコマツを呼んだ。するりと上がってきたコマツの頭を撫でて、様子を窺う。コマツは、何故呼ばれたのだろうかと首を傾げていた。さて、嫌がるかしら。
買ったまま袋に入れっぱなしだったそれを取り出し、コマツの頭に乗せる。ずり落ちてしまわないように紐でしぱった。もちろん、苦しくない程度に。きょとんとしているコマツに、帽子とセットのマントも付ける。ワンタッチでラクチン。はい、魔法使い完成。
「おお、似合うねコマツ」
不思議そうにきょろきょろ自分を見下ろしている様子が可愛くて、頬が緩む。
「ハロウィンだから、ちょっと見てみたくなって。嫌なら取っていいよ?」
一目見られれば満足だった。そりゃあ、しばらく楽しみたいとは思うけどね。取ってあげようかと手を伸ばすと、ふいっとかわされた。
「にゃぁ」
……えーと、これは気に入ってくれたと捉えてもいいものだろうか。しばらくそのままでいてくれるらしいことに内心踊っていると、サニーが上がってきた。袋の中が気になるらしい。
「サニーのもあるよ」
じゃん、と取り出したのはハロウィンデザインのカラー。要するに首輪だけど。イロモノ系はサニーは付けてくれないと思ったのでこのチョイスになった。
「どう?」
「ニャァン」
手にぐりぐり頭を押し付けてくるサニー。気に入ってくれたらしい。良かった良かった。付けてあげると、うん、予想通り。似合うね。少し派手なデザインかと思ったんだけど、違和感のないあたり流石と言うべきかな。
「ココー」
右手でサニーを撫でながら、左手で腿を軽く叩いてココを呼ぶ。
家に来てから結構経つけど、相変わらずあんまり近くまで来てくれない。呼んだらちゃんと来てくれるんだけど。今も静かにソファに上がってくれた。
袋から黒いハーネスを取り出して嫌がる素振りがないのをいいことに、ココに付ける。蝙蝠の羽根が付いたそのハネースは、艶やかに黒い毛並みをしたココに良く似合う。想像通り。
さて次は、と袋のほうを見るとトリコが中を漁っていた。一通りごそごそもぞもぞし終えて出てきたトリコは、見事に白い布をすっぽり被っていた。一番シンプルで王道と言えるだろうお化け。ただ被れば完成というそれを、まあ前後間違えることなく被っている。前見えるのかな。
「あははっ。上手く被ったねトリコ。……ということは」
残っているのは……。
「おいで、ゼブラ」
足の上にゼブラを呼んで残った一つをサッと被らせた。あ、意外に似合う。
「……」
多分自分が今どんな姿をしているのか分かるのだろう、ゼブラの眉間に少し皺が寄った。まあ、分からなくもない。というか、ごめん。カボチャの被り物被らされたら、そりゃそんな顔にもなるよね。
「ごめん、でも結構似合ってる」
若干立っているような気がする毛並みを撫でる。私のチョイスはそれほど間違ってはいなかったようだ。なかなかうまくいったのではなかろうか。個人的には満足している。あとで写真撮らせてもらおう。
「クッキー食べるー?」
昨日一緒に買ったにゃんこ用クッキーカボチャ風味。みんな美味しそうに食べていた。『飼い主さんも一緒に美味しく召し上がれます』と書いてあったので食べてみた。
「あ、美味しい」
素朴な感じ。みんなも催促してくるってことは、相当美味しいらしい。ぽしぽしクッキーを食べている様子が超可愛い。年に一度くらいいいよね? こーゆーのも。
Happy Halloween!
キャットフードと、ボロボロになったおもちゃの替えを買おうと思い、少し久しぶりにペット用品店へ足を伸ばした。いつも通り店の中を見て回っていたら、特設でセールをしていた。そのセール品を見ていたら、心が疼いた。せっかくのイベントだから、楽しみたい。
前日ということもあり、破格のセールだった。……大丈夫かな、結構種類が豊富なんだけどこのセール。選び放題でありがたいといえばありがたいけど。よさそうなものをいくつか選んで、当初の目的の物も籠に入れた。
久々に店員さんと少し話をして、会計を済ませて店を出た。
……そう言えば、今日は先生に会わなかったな。――まあいいか。とにかく今は早く帰ろう。ああ、楽しみだなぁ。
一晩経って、十月三十一日。ハッピーハロウィーン。ま、正式なことはできないけどね。仕事が休みで良かった。これで心置きなく。
朝食を済ませてから、また寝室に戻った。そして昨日買ってきた物を持って、再びリビングへ。
とりあえずソファに腰を下ろす。
「コマツー。ちょっとおいでー」
腿を叩いてコマツを呼んだ。するりと上がってきたコマツの頭を撫でて、様子を窺う。コマツは、何故呼ばれたのだろうかと首を傾げていた。さて、嫌がるかしら。
買ったまま袋に入れっぱなしだったそれを取り出し、コマツの頭に乗せる。ずり落ちてしまわないように紐でしぱった。もちろん、苦しくない程度に。きょとんとしているコマツに、帽子とセットのマントも付ける。ワンタッチでラクチン。はい、魔法使い完成。
「おお、似合うねコマツ」
不思議そうにきょろきょろ自分を見下ろしている様子が可愛くて、頬が緩む。
「ハロウィンだから、ちょっと見てみたくなって。嫌なら取っていいよ?」
一目見られれば満足だった。そりゃあ、しばらく楽しみたいとは思うけどね。取ってあげようかと手を伸ばすと、ふいっとかわされた。
「にゃぁ」
……えーと、これは気に入ってくれたと捉えてもいいものだろうか。しばらくそのままでいてくれるらしいことに内心踊っていると、サニーが上がってきた。袋の中が気になるらしい。
「サニーのもあるよ」
じゃん、と取り出したのはハロウィンデザインのカラー。要するに首輪だけど。イロモノ系はサニーは付けてくれないと思ったのでこのチョイスになった。
「どう?」
「ニャァン」
手にぐりぐり頭を押し付けてくるサニー。気に入ってくれたらしい。良かった良かった。付けてあげると、うん、予想通り。似合うね。少し派手なデザインかと思ったんだけど、違和感のないあたり流石と言うべきかな。
「ココー」
右手でサニーを撫でながら、左手で腿を軽く叩いてココを呼ぶ。
家に来てから結構経つけど、相変わらずあんまり近くまで来てくれない。呼んだらちゃんと来てくれるんだけど。今も静かにソファに上がってくれた。
袋から黒いハーネスを取り出して嫌がる素振りがないのをいいことに、ココに付ける。蝙蝠の羽根が付いたそのハネースは、艶やかに黒い毛並みをしたココに良く似合う。想像通り。
さて次は、と袋のほうを見るとトリコが中を漁っていた。一通りごそごそもぞもぞし終えて出てきたトリコは、見事に白い布をすっぽり被っていた。一番シンプルで王道と言えるだろうお化け。ただ被れば完成というそれを、まあ前後間違えることなく被っている。前見えるのかな。
「あははっ。上手く被ったねトリコ。……ということは」
残っているのは……。
「おいで、ゼブラ」
足の上にゼブラを呼んで残った一つをサッと被らせた。あ、意外に似合う。
「……」
多分自分が今どんな姿をしているのか分かるのだろう、ゼブラの眉間に少し皺が寄った。まあ、分からなくもない。というか、ごめん。カボチャの被り物被らされたら、そりゃそんな顔にもなるよね。
「ごめん、でも結構似合ってる」
若干立っているような気がする毛並みを撫でる。私のチョイスはそれほど間違ってはいなかったようだ。なかなかうまくいったのではなかろうか。個人的には満足している。あとで写真撮らせてもらおう。
「クッキー食べるー?」
昨日一緒に買ったにゃんこ用クッキーカボチャ風味。みんな美味しそうに食べていた。『飼い主さんも一緒に美味しく召し上がれます』と書いてあったので食べてみた。
「あ、美味しい」
素朴な感じ。みんなも催促してくるってことは、相当美味しいらしい。ぽしぽしクッキーを食べている様子が超可愛い。年に一度くらいいいよね? こーゆーのも。
Happy Halloween!