本音でした
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みんなのことを、少しだけではあるけれど、知ることができた。とても驚いたし、今全てを信じられるかと聞かれれば、頷くことはできない。だけど、それでも私は、彼らに聞かなければならないことがある。
「私から、聞いてもいい?」
心臓の辺りがひやりとする。吐いてしまいそうなくらい、怖くて仕方がない。みんなが『普通』でないと知った時から、ずっと不安でたまらないのだ。この不安を解消するためにも、聞かなければならない。
「みんなは、これからも、この家に居てくれる・・・・?」
「……え?」
誰も、まるで予期しない質問だったらしく、みんな驚いていた。だけど私にとっては何よりも重要なことだった。
「みんながホントは猫じゃなくたって普通じゃなくたって、申し訳ないけど、そんなこと私はどうでもいい。どんな姿だろうと、みんなはみんなだと思うし、それは絶対変わらない。 ただ、私は……。みんなが隠していたことを知って、そのせいでみんながいなくなるのが、怖い……」
昨日から緩んでいる涙腺から、ボタボタ雫が溢れだす。
「教えて……。これから先も、この家に居てくれる……?」
ああ、私ってば、卑怯なことしてる。そうは思っても涙は止まってくれないし、私は前を向き続けた。彼らの答えを聞くまでは、俯くわけにはいかない。
「……ボクたち、ここにいていいんですか……?」
「……え?」
あ、れ……。おかしいな、なんだか会話が噛み合わない。不意を突かれて、涙が止まった。
「……もう、ここにはいられねぇと思ってた……」
「え……なん、で」
「だってそだろ? 俺たちはどうあっても、得体が知れねーんだからな」
「えたいって……」
「ボクらは猫でも、ましてやもう人でもない。掛けなくていい迷惑を掛けるのは、目に見えてる」
「めい、わく……?」
「順当な流れなら、ここを出て研究所に戻るだけだ」
……ダメだ。このままじゃ、ダメ。私がはっきりしなきゃ。じゃなきゃ、また失う。
一人は嫌……!
「得体が知れないなんて……言わないで。確かに、まだみんなのこと、知らないことばっかりだよ。でも、最初は誰だってそうでしょ? それに迷惑だなんて、私今までそんなこと思ってない……思ってないよ……」
泣くな。まだ泣くな。今、泣くんじゃない。
「知らないことは、これから知っていくんじゃダメかなぁ……? 私もう、この家で一人になりたくない……。みんなが、少しでもここに居てもいいって、思ってくれるなら、これからも、私と『家族』でいてくれないかなぁ……っ」
最後の言葉を絞り出した直後、限界を超え、再び涙が溢れだした。なんて酷い我儘だろう。でも……。我儘なんて言ったの、何時ぶりだろう。
「雛菊……」
あ、やっと名前呼んでくれた。……あーあ、でもみんな困って慌ててる。頭の片隅で、妙に冷静にそう思った。こんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。溢れ続ける涙を拭うパジャマの袖は、ぐっしょりと湿っていた。それでもかまわず、ぐしぐしと目元を拭い続けた。不意にその腕を掴まれた。
「……、」
「擦んな。赤くなんぞ」
それは咎めるような口調ではなく、腕を掴んている手にも余計な力は入っていない。
「もう、泣かないでくれ。泣かせてしまっているのは、ボクらだけど……。泣けば傷に響くし、それに……。泣き顔は、もう見たくないんだ」
落ち着かせようとしてくれているのか、優しく声がかかる。
「わかりました……っ 雛菊さんの想い……伝わりましたから……っ!」
涙をタオルでそっと拭ってくれているほうも泣いているというのは、どうなんだろう。
「とっととその不安定な鼓動と呼吸をなんとかしろ……」
ぶっきらぼうなその言葉は、確かに温かみを含んでいた。
「お前が望んで、許してくれるんなら、オレたちはここにいる」
私は、心を覆っていた不安が消えていくのを確かに感じた。
「私から、聞いてもいい?」
心臓の辺りがひやりとする。吐いてしまいそうなくらい、怖くて仕方がない。みんなが『普通』でないと知った時から、ずっと不安でたまらないのだ。この不安を解消するためにも、聞かなければならない。
「みんなは、これからも、この家に居てくれる・・・・?」
「……え?」
誰も、まるで予期しない質問だったらしく、みんな驚いていた。だけど私にとっては何よりも重要なことだった。
「みんながホントは猫じゃなくたって普通じゃなくたって、申し訳ないけど、そんなこと私はどうでもいい。どんな姿だろうと、みんなはみんなだと思うし、それは絶対変わらない。 ただ、私は……。みんなが隠していたことを知って、そのせいでみんながいなくなるのが、怖い……」
昨日から緩んでいる涙腺から、ボタボタ雫が溢れだす。
「教えて……。これから先も、この家に居てくれる……?」
ああ、私ってば、卑怯なことしてる。そうは思っても涙は止まってくれないし、私は前を向き続けた。彼らの答えを聞くまでは、俯くわけにはいかない。
「……ボクたち、ここにいていいんですか……?」
「……え?」
あ、れ……。おかしいな、なんだか会話が噛み合わない。不意を突かれて、涙が止まった。
「……もう、ここにはいられねぇと思ってた……」
「え……なん、で」
「だってそだろ? 俺たちはどうあっても、得体が知れねーんだからな」
「えたいって……」
「ボクらは猫でも、ましてやもう人でもない。掛けなくていい迷惑を掛けるのは、目に見えてる」
「めい、わく……?」
「順当な流れなら、ここを出て研究所に戻るだけだ」
……ダメだ。このままじゃ、ダメ。私がはっきりしなきゃ。じゃなきゃ、また失う。
一人は嫌……!
「得体が知れないなんて……言わないで。確かに、まだみんなのこと、知らないことばっかりだよ。でも、最初は誰だってそうでしょ? それに迷惑だなんて、私今までそんなこと思ってない……思ってないよ……」
泣くな。まだ泣くな。今、泣くんじゃない。
「知らないことは、これから知っていくんじゃダメかなぁ……? 私もう、この家で一人になりたくない……。みんなが、少しでもここに居てもいいって、思ってくれるなら、これからも、私と『家族』でいてくれないかなぁ……っ」
最後の言葉を絞り出した直後、限界を超え、再び涙が溢れだした。なんて酷い我儘だろう。でも……。我儘なんて言ったの、何時ぶりだろう。
「雛菊……」
あ、やっと名前呼んでくれた。……あーあ、でもみんな困って慌ててる。頭の片隅で、妙に冷静にそう思った。こんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。溢れ続ける涙を拭うパジャマの袖は、ぐっしょりと湿っていた。それでもかまわず、ぐしぐしと目元を拭い続けた。不意にその腕を掴まれた。
「……、」
「擦んな。赤くなんぞ」
それは咎めるような口調ではなく、腕を掴んている手にも余計な力は入っていない。
「もう、泣かないでくれ。泣かせてしまっているのは、ボクらだけど……。泣けば傷に響くし、それに……。泣き顔は、もう見たくないんだ」
落ち着かせようとしてくれているのか、優しく声がかかる。
「わかりました……っ 雛菊さんの想い……伝わりましたから……っ!」
涙をタオルでそっと拭ってくれているほうも泣いているというのは、どうなんだろう。
「とっととその不安定な鼓動と呼吸をなんとかしろ……」
ぶっきらぼうなその言葉は、確かに温かみを含んでいた。
「お前が望んで、許してくれるんなら、オレたちはここにいる」
私は、心を覆っていた不安が消えていくのを確かに感じた。