結論でした
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酷い悪夢の一夜が明けて、目を覚ました時、部屋には五人の見知らぬ男の人たち。顔に見覚えはないけれど、私には彼らが何者か、今なら分かる。
「怖がって、ごめんね、みんな」
「……!」
五人が五人とも、驚いた顔をした。私が分からないと思ったのか。心外だなぁ。
「……ボクたちが、誰なのか分かるんですか……?」
不安そうに尋ねてきたのは、一番小柄で富士額の、少年のような人。
「分かるよ。―――コマツ」
「!」
「なんなら、全員の名前、順番に呼ぼうか」
青い髪と赤い髪の大柄な二人、黒髪の美青年、カラフルな長い髪の美人さん。全員、名前を一致させる自信がある。
「……分かってるなら、なんで……。なんか言うことねぇのか」
「なんかって……。今言いたいことっていったら、『助けてくれてありがとう』くらいかなぁ、トリコ」
「……、」
「みんながなんでそんな顔してるのかは、なんとなく分かるよ。……確かにびっくりしたし、正直ちょっと信じられないこともあるけど。でも、みんなのことは間違いないと思ってる」
でも、なんでそんな確信が持てるのか自分でもよく分からないんだけど……ね。そう言って困ったように笑えば、みんなの肩に入っていた力が、少し緩んだように見えた。
「……気味悪いとか、思わねぇのかよ、こんな……」
……見た目成人男性なのに、なんだあの不安そうな目は。
反則でしょう、それ。
「そんなわけないでしょ。驚いてはいるけど、そんな風になんて思ってないよ、サニー」
「……っ」
「詳しいことなんて私には分からないけど、何か特別な、私の知らない事情があるんでしょ? それならそれでいいし、私からは無理に聞いたりしない。みんなが話してくれるの待つよ。それに、猫だろうと人だろうと、みんなはみんなだもん。私にとって大切な存在に変わりないよ」
「――もし、ボクたちが何も話さなかったら?」
「それならそれでいいってば。話したくなかったり話せない理由もあるだろうし。誰にだってそういうことあるでしょ。 難しく考えすぎてない? ココ」
「……」
さて、真剣に本心を言っているつもりなんだけど、いまいち納得してないみたいだな。……困ったコたちだね。
「私が嘘ついてるかどうか、分かるんでしょう? ゼブラ」
「……ああ」
「で、どう?」
「…………」
……ちょっと。なんで苦虫噛み潰したみたいな顔してるの。
「あっははは! 駄目だ、まるで勝負になってないよキミたち! 諦めな!」
ヒーヒー言いながらこの上なく楽しそうに木立先生が笑う。……正直意味がよく分からない。
「どういうことですか先生」
「ああ、ごめんごめん、説明するよ。キミが思ってる通り、彼らはあの猫たちだ。本人たちに聞いたんだから間違いない。最初に会った時のことを寸分の狂いなく正確に話してくれたからね。で、一般的に猫と呼ばれる生き物とは違うことを今まで黙ってて、突然人の姿を曝したこと、ちょっと後悔してたみたいなんだよね。だって明らかに普通じゃないからね。嫌われたらどうしようって……くっくくっ、不安そうに狼狽えてる姿が面白くって。キミが意識失って、そこのちっちゃい子と髪の長い彼が目に見えて慌てるし、黒髪の彼も冷静装ってたけど内心これでもかって動揺してたし。体の大きい二人は、あの下衆殺しちゃうんじゃないかって形相だったらしいよ? 残念ながら見れなかったんだけどさ。容体が落ち着いて寝てる間も、心配でそわそわしてるのがもうおかしくておかしくて……! ああ、ホントに大切に思われてるんだなぁって。本当のことを話すか否か悩んでるみたいだったから言ってやったんだ。『今のキミたちを見て、《キミたち 》だと分かるかどうか、賭けてみれば?』って。 結果、キミは彼らを『彼ら』だと分かった上に、この現状を受け入れた。 おめでとう、キミの圧勝だよ」
「……ごめんなさい、よく分かんないです」
「―――だよね。自分でしゃべっててそう思った」
まあ、無理やり今の話をまとめようとするなら、彼らは杞憂してたってことか。……おバカさん。
「――みんなが普通と違うってことが分かったからって、嫌いになんてならないよ」
私にとって、みんなは掛け替えのない存在なんだから。
「怖がって、ごめんね、みんな」
「……!」
五人が五人とも、驚いた顔をした。私が分からないと思ったのか。心外だなぁ。
「……ボクたちが、誰なのか分かるんですか……?」
不安そうに尋ねてきたのは、一番小柄で富士額の、少年のような人。
「分かるよ。―――コマツ」
「!」
「なんなら、全員の名前、順番に呼ぼうか」
青い髪と赤い髪の大柄な二人、黒髪の美青年、カラフルな長い髪の美人さん。全員、名前を一致させる自信がある。
「……分かってるなら、なんで……。なんか言うことねぇのか」
「なんかって……。今言いたいことっていったら、『助けてくれてありがとう』くらいかなぁ、トリコ」
「……、」
「みんながなんでそんな顔してるのかは、なんとなく分かるよ。……確かにびっくりしたし、正直ちょっと信じられないこともあるけど。でも、みんなのことは間違いないと思ってる」
でも、なんでそんな確信が持てるのか自分でもよく分からないんだけど……ね。そう言って困ったように笑えば、みんなの肩に入っていた力が、少し緩んだように見えた。
「……気味悪いとか、思わねぇのかよ、こんな……」
……見た目成人男性なのに、なんだあの不安そうな目は。
反則でしょう、それ。
「そんなわけないでしょ。驚いてはいるけど、そんな風になんて思ってないよ、サニー」
「……っ」
「詳しいことなんて私には分からないけど、何か特別な、私の知らない事情があるんでしょ? それならそれでいいし、私からは無理に聞いたりしない。みんなが話してくれるの待つよ。それに、猫だろうと人だろうと、みんなはみんなだもん。私にとって大切な存在に変わりないよ」
「――もし、ボクたちが何も話さなかったら?」
「それならそれでいいってば。話したくなかったり話せない理由もあるだろうし。誰にだってそういうことあるでしょ。 難しく考えすぎてない? ココ」
「……」
さて、真剣に本心を言っているつもりなんだけど、いまいち納得してないみたいだな。……困ったコたちだね。
「私が嘘ついてるかどうか、分かるんでしょう? ゼブラ」
「……ああ」
「で、どう?」
「…………」
……ちょっと。なんで苦虫噛み潰したみたいな顔してるの。
「あっははは! 駄目だ、まるで勝負になってないよキミたち! 諦めな!」
ヒーヒー言いながらこの上なく楽しそうに木立先生が笑う。……正直意味がよく分からない。
「どういうことですか先生」
「ああ、ごめんごめん、説明するよ。キミが思ってる通り、彼らはあの猫たちだ。本人たちに聞いたんだから間違いない。最初に会った時のことを寸分の狂いなく正確に話してくれたからね。で、一般的に猫と呼ばれる生き物とは違うことを今まで黙ってて、突然人の姿を曝したこと、ちょっと後悔してたみたいなんだよね。だって明らかに普通じゃないからね。嫌われたらどうしようって……くっくくっ、不安そうに狼狽えてる姿が面白くって。キミが意識失って、そこのちっちゃい子と髪の長い彼が目に見えて慌てるし、黒髪の彼も冷静装ってたけど内心これでもかって動揺してたし。体の大きい二人は、あの下衆殺しちゃうんじゃないかって形相だったらしいよ? 残念ながら見れなかったんだけどさ。容体が落ち着いて寝てる間も、心配でそわそわしてるのがもうおかしくておかしくて……! ああ、ホントに大切に思われてるんだなぁって。本当のことを話すか否か悩んでるみたいだったから言ってやったんだ。『今のキミたちを見て、《キミたち 》だと分かるかどうか、賭けてみれば?』って。 結果、キミは彼らを『彼ら』だと分かった上に、この現状を受け入れた。 おめでとう、キミの圧勝だよ」
「……ごめんなさい、よく分かんないです」
「―――だよね。自分でしゃべっててそう思った」
まあ、無理やり今の話をまとめようとするなら、彼らは杞憂してたってことか。……おバカさん。
「――みんなが普通と違うってことが分かったからって、嫌いになんてならないよ」
私にとって、みんなは掛け替えのない存在なんだから。