朝になりました
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ぼんやりする意識の中、よく見慣れた天井が見えた。これは、私の寝室のベッドの真上の天井。部屋の中の明るさから、ああ、朝なんだなと分かった。
「おはよう。気分はどう?」
誰かに呼ばれ、ぼやける視界を声のした方へ向けると、木立先生がベッドの淵に腰かけているのが分かった。
「……せん、せ……。……………、」
はっきりと目が覚めてきて、自分の身体の違和感に気が付いた。左腕が、肘を曲げた状態で固定されていて動かせない。おかげで、口に出そうとした、何で先生が、という疑問は掻き消えた。
「残念だけど、その腕はキミの中の一番新しい記憶の通りだよ」
「…………そう、ですか……」
やっぱり、あれは夢じゃなかったのか。
「でも安心していいよ。神経なんかは無事だし、傷も綺麗に治るから。キミにそんな傷つけたヤツも、とっ捕まえたしね」
「…………」
「もう二度と、キミの前になんか現れないようにするからさ。―――てゆーか、二度と日の下になんか出られないようにしてやる。」
寝起きの私に、(おそらくマスクの下で)凶悪気な笑みを浮かべて物騒なことを言う先生へツッコミを入れる元気はなかった。
「まぁ、あの下衆の始末はこっちに任せてよ。――キミたちも、それでいいよね?」
『キミたち』? 先生はどうやら、ベッドのある方と向かい合う壁の方を見て言っているらしい。そっちには机と本棚くらいしかないんですけど……。……誰かいるような感じはする。
「あぁ、そうだ。下衆野郎を捕まえられたのも、傷の手当てを迅速にかつ完璧にできたのも彼らのおかげなんだよ」
先生の言う『彼ら』の方を見ようと、首を動かしてみるけど、途端に突き刺さるような痛みが走る。
「……う……っ」
「あぁ、ごめんごめん。痛いよね。―――よいしょ。」
先生はゆっくり私の身体を起こしてくれた。今まで死角になっていたところに視線を這わせると、五つの人影が。それも、心配そうな、不安そうな顔をした男の人が五人、横にきちんと並んでこちらを見ているというなかなかシュールな光景だった。
「救急の電話をもらってね、駆けつけたらなかなかの修羅場だったよ。家の中に入ったら血だらけの君が抱えられてぐったりしてるしさぁ。事情を聴いて、すぐに応援呼んでね。 彼らのおかげでスピーディーに事が進められたよ。ヤツもすぐ捕まえてくれたらしいし。あ、玄関とかはもう綺麗ににしといたから」
「……ありがとう、ございます」
先生の話からして、あの暗闇の謎の人物五人は彼らなんだろう。……うん、なんとなくそうだなって分かる。
「しゃべるの辛くない? 大丈夫?」
「だいじょぶ、です」
「辛かったら無理しなくていいからね。ところで、彼らは知ってる人?」
先生は座る五人を指差した。
「―――、『この人たち』に会うのは、今回が初めてです」
私がそう答えると、五人の顔が曇った。―――……分かってるよ……。
「……でも、知らない相手じゃ、ないです」
「へぇ?」
先生は意地悪気に笑っている。そして、先生は多分答えを知っている。私が間違えでもしたら、からかうつもりなんだろう。でも残念でした。私は自分のこの答えに絶対の自信がある。
「――怖がって、ごめんね、みんな」
彼らは、私の大切な――――。
「おはよう。気分はどう?」
誰かに呼ばれ、ぼやける視界を声のした方へ向けると、木立先生がベッドの淵に腰かけているのが分かった。
「……せん、せ……。……………、」
はっきりと目が覚めてきて、自分の身体の違和感に気が付いた。左腕が、肘を曲げた状態で固定されていて動かせない。おかげで、口に出そうとした、何で先生が、という疑問は掻き消えた。
「残念だけど、その腕はキミの中の一番新しい記憶の通りだよ」
「…………そう、ですか……」
やっぱり、あれは夢じゃなかったのか。
「でも安心していいよ。神経なんかは無事だし、傷も綺麗に治るから。キミにそんな傷つけたヤツも、とっ捕まえたしね」
「…………」
「もう二度と、キミの前になんか現れないようにするからさ。―――てゆーか、二度と日の下になんか出られないようにしてやる。」
寝起きの私に、(おそらくマスクの下で)凶悪気な笑みを浮かべて物騒なことを言う先生へツッコミを入れる元気はなかった。
「まぁ、あの下衆の始末はこっちに任せてよ。――キミたちも、それでいいよね?」
『キミたち』? 先生はどうやら、ベッドのある方と向かい合う壁の方を見て言っているらしい。そっちには机と本棚くらいしかないんですけど……。……誰かいるような感じはする。
「あぁ、そうだ。下衆野郎を捕まえられたのも、傷の手当てを迅速にかつ完璧にできたのも彼らのおかげなんだよ」
先生の言う『彼ら』の方を見ようと、首を動かしてみるけど、途端に突き刺さるような痛みが走る。
「……う……っ」
「あぁ、ごめんごめん。痛いよね。―――よいしょ。」
先生はゆっくり私の身体を起こしてくれた。今まで死角になっていたところに視線を這わせると、五つの人影が。それも、心配そうな、不安そうな顔をした男の人が五人、横にきちんと並んでこちらを見ているというなかなかシュールな光景だった。
「救急の電話をもらってね、駆けつけたらなかなかの修羅場だったよ。家の中に入ったら血だらけの君が抱えられてぐったりしてるしさぁ。事情を聴いて、すぐに応援呼んでね。 彼らのおかげでスピーディーに事が進められたよ。ヤツもすぐ捕まえてくれたらしいし。あ、玄関とかはもう綺麗ににしといたから」
「……ありがとう、ございます」
先生の話からして、あの暗闇の謎の人物五人は彼らなんだろう。……うん、なんとなくそうだなって分かる。
「しゃべるの辛くない? 大丈夫?」
「だいじょぶ、です」
「辛かったら無理しなくていいからね。ところで、彼らは知ってる人?」
先生は座る五人を指差した。
「―――、『この人たち』に会うのは、今回が初めてです」
私がそう答えると、五人の顔が曇った。―――……分かってるよ……。
「……でも、知らない相手じゃ、ないです」
「へぇ?」
先生は意地悪気に笑っている。そして、先生は多分答えを知っている。私が間違えでもしたら、からかうつもりなんだろう。でも残念でした。私は自分のこの答えに絶対の自信がある。
「――怖がって、ごめんね、みんな」
彼らは、私の大切な――――。