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……さて、これをどうしたものだろう。
夏特有の不慮の事故とでも言おうか。いや、別に命に関わったりするような深刻なものでは決してないのだけれど。帰り道、手に持ったそれを見て少し真面目に困ってしまった。
「……ガッツリかち合っちゃったな」
ずっしりと手にかかる重さ。一人暮らしにはちょっと辛い重さかも。結構大きいよ、コレ。
とりあえず、順番に取り掛かるしかないかな。
「ただいまー」
家に入ると出迎えされた。最近ずっとそうなのだけど、にやけてしまう。出迎えてくれるのはコマツとトリコの率が高いけど、時々サニーやココが迎えてくれたり、ゼブラも一緒だったりする。これがにやけずにいられようか!
――それはまあひとまず置いておいて。いつものように出迎えてくれたコマツとトリコは、私が持っている物を見て『またぁ?』というような顔をした。そう、またなんだよ。
「どうしようねー、コレ」
私は苦笑しか出てこないんだけどね。ひとまずそれをリビングに置いて、先にすべきことを済ませてしまう。簡単に言えば手を洗ったり鞄を片付けたり。
そして冷蔵庫を開けた。真正面におられますは半分にカットされたスイカ。野菜室には丸々一つ、スイカが堂々鎮座している。そして、さっきリビングに置いたのも、スイカ一玉。
つまり我が家には、現在二玉半、スイカがあるわけで。
何故こんなにたくさんスイカがあるのかというと、最初、夏だしやっぱりスイカは食べなきゃね、と思って半分にカットされたヤツをスーパーで買った。そうしたら、冷やして翌日に食べよと思っていたところに店長からおすそ分けでもらった。知り合いから沢山届いたのだとか。有難く頂戴して野菜室に入れて冷やしていたのは良かったのだけど、最初に買ったヤツを食べる暇を逃していたら、今日のスイカだ。買い忘れを思い出して、スーパーではなく近くの商店街のほうへ行ったら八百屋さんからまた一つ頂いてしまった。仕入れる数を間違えたとか言っていた。しっかりして。
そんなこんなで、あっという間にスイカが大量に。ただ親切でくれただけなのに、かち合うとこんなに始末に困ることはないよ。さすがに食べようと思う。
夕食を済ませ、最初に買ったスイカを切り分けてみた。
うん、冷えてて美味しそう。大きなタッパーを用意して、皮を切り落として食べやすいサイズまでカットしたスイカを放り込む。こうでもしておかないと手軽に食べられないから一向に減りやしないもの。この大量の皮はどうしよう。少しだけ漬物でも作ってみようか。
ひとまず、カットスイカを皿に乗せてフォークを掴んでソファに座った。シャクシャクとスイカの甘さを堪能していると、両サイドから接近する気配を感じた。
「……なに?」
トリコとゼブラに挟まれて逃げ場なし。腕に前足掛けられてホールドされてるんですけど。ふたりの視線はスイカ一直線。匂いにでも誘われたのかな。身体を伸ばして顔を皿に近づけるトリコ。ゼブラに至ってはよじ登り始めた。
これはスイカを食べたいというアピールだとは思うけど。猫にスイカ食べさせてもいいのかな。ネギ類とか、確実に食べさせたらマズい奴は調べたけど、スイカって・・・・大丈夫なのかな。えーと、どうしよう。
「っわ!」
考えてる間にどんどん登ってくる大食コンビ。考える暇も与えない作戦か!
「分かった分かった! あげるからちょっと待って!」
――とは言ったものの、冷蔵庫に入れてあるスイカをすぐあげるのはなぁ。冷たすぎるんだよね。種も、取った方がいいよね。
食べていたスイカを口に押し込んで、台所に向かう。タッパーの中から小さめのスイカを取り出して実を崩しながら種を取り除いた。
後ろで聞こえたカコンという音に振り向くと、トリコとゼブラがエサ入れを持ってきて待機していた。不意を突かれた行動にぎょっとしてしまった。そんなに食べたいの?まったくもう、そんな待ち方されたらあげたくなるじゃないか!
「お腹壊すといけないから、ちょっとだけね」
ちょいちょいっと崩れかけのスイカをエサ入れに入れてふたりの前に置いた。待ってましたとばかりにエサ入れに顔を突っ込むふたり。
コマツ達も食べるかと思って聞いてみたら、興味はあるらしく足元に寄ってきた。試しに、少しエサ入れに入れてみたらそれぞれ食べていたので、もう少しだけ足してあげた。みんなスイカ好きなのか、そっか。
手に付いた赤い果汁をペロリと舐めながら、夏の風物詩をみんなと一緒に楽しめてよかったなと、幸せを噛みしめていた。
夏特有の不慮の事故とでも言おうか。いや、別に命に関わったりするような深刻なものでは決してないのだけれど。帰り道、手に持ったそれを見て少し真面目に困ってしまった。
「……ガッツリかち合っちゃったな」
ずっしりと手にかかる重さ。一人暮らしにはちょっと辛い重さかも。結構大きいよ、コレ。
とりあえず、順番に取り掛かるしかないかな。
「ただいまー」
家に入ると出迎えされた。最近ずっとそうなのだけど、にやけてしまう。出迎えてくれるのはコマツとトリコの率が高いけど、時々サニーやココが迎えてくれたり、ゼブラも一緒だったりする。これがにやけずにいられようか!
――それはまあひとまず置いておいて。いつものように出迎えてくれたコマツとトリコは、私が持っている物を見て『またぁ?』というような顔をした。そう、またなんだよ。
「どうしようねー、コレ」
私は苦笑しか出てこないんだけどね。ひとまずそれをリビングに置いて、先にすべきことを済ませてしまう。簡単に言えば手を洗ったり鞄を片付けたり。
そして冷蔵庫を開けた。真正面におられますは半分にカットされたスイカ。野菜室には丸々一つ、スイカが堂々鎮座している。そして、さっきリビングに置いたのも、スイカ一玉。
つまり我が家には、現在二玉半、スイカがあるわけで。
何故こんなにたくさんスイカがあるのかというと、最初、夏だしやっぱりスイカは食べなきゃね、と思って半分にカットされたヤツをスーパーで買った。そうしたら、冷やして翌日に食べよと思っていたところに店長からおすそ分けでもらった。知り合いから沢山届いたのだとか。有難く頂戴して野菜室に入れて冷やしていたのは良かったのだけど、最初に買ったヤツを食べる暇を逃していたら、今日のスイカだ。買い忘れを思い出して、スーパーではなく近くの商店街のほうへ行ったら八百屋さんからまた一つ頂いてしまった。仕入れる数を間違えたとか言っていた。しっかりして。
そんなこんなで、あっという間にスイカが大量に。ただ親切でくれただけなのに、かち合うとこんなに始末に困ることはないよ。さすがに食べようと思う。
夕食を済ませ、最初に買ったスイカを切り分けてみた。
うん、冷えてて美味しそう。大きなタッパーを用意して、皮を切り落として食べやすいサイズまでカットしたスイカを放り込む。こうでもしておかないと手軽に食べられないから一向に減りやしないもの。この大量の皮はどうしよう。少しだけ漬物でも作ってみようか。
ひとまず、カットスイカを皿に乗せてフォークを掴んでソファに座った。シャクシャクとスイカの甘さを堪能していると、両サイドから接近する気配を感じた。
「……なに?」
トリコとゼブラに挟まれて逃げ場なし。腕に前足掛けられてホールドされてるんですけど。ふたりの視線はスイカ一直線。匂いにでも誘われたのかな。身体を伸ばして顔を皿に近づけるトリコ。ゼブラに至ってはよじ登り始めた。
これはスイカを食べたいというアピールだとは思うけど。猫にスイカ食べさせてもいいのかな。ネギ類とか、確実に食べさせたらマズい奴は調べたけど、スイカって・・・・大丈夫なのかな。えーと、どうしよう。
「っわ!」
考えてる間にどんどん登ってくる大食コンビ。考える暇も与えない作戦か!
「分かった分かった! あげるからちょっと待って!」
――とは言ったものの、冷蔵庫に入れてあるスイカをすぐあげるのはなぁ。冷たすぎるんだよね。種も、取った方がいいよね。
食べていたスイカを口に押し込んで、台所に向かう。タッパーの中から小さめのスイカを取り出して実を崩しながら種を取り除いた。
後ろで聞こえたカコンという音に振り向くと、トリコとゼブラがエサ入れを持ってきて待機していた。不意を突かれた行動にぎょっとしてしまった。そんなに食べたいの?まったくもう、そんな待ち方されたらあげたくなるじゃないか!
「お腹壊すといけないから、ちょっとだけね」
ちょいちょいっと崩れかけのスイカをエサ入れに入れてふたりの前に置いた。待ってましたとばかりにエサ入れに顔を突っ込むふたり。
コマツ達も食べるかと思って聞いてみたら、興味はあるらしく足元に寄ってきた。試しに、少しエサ入れに入れてみたらそれぞれ食べていたので、もう少しだけ足してあげた。みんなスイカ好きなのか、そっか。
手に付いた赤い果汁をペロリと舐めながら、夏の風物詩をみんなと一緒に楽しめてよかったなと、幸せを噛みしめていた。