猫専用出入り口の相談をしてから約二週間、やっと設置してもらえた。いや別に遅いとか思っていたわけではないけれど。特注だって言ってたし。丁度休みの日で良かった。
　設置は午前中の数時間で終わった。なんか、出入口の内側、玄関の土間のところにトンネルが付いた。出入口自体は玄関の扉の脇にある、扉とも壁ともつかないところに付けてもらって、そこから箱が伸びてる感じ。像が踏んでも大丈夫だそうで。隙間もないし、がっちり留めてあるから安全ですって。どこのメーカーか知らないけど。
　うん、無駄に広かった玄関が有効活用されてよかったね。トンネルの端にタオルを敷きながらうんうん頷いた。これでみんなが自由に出入りできる。良かった良かった。
「ニャー？」
　玄関でごそごそしているのが気になるのか、みんな集まってきた。
「丁度いいところに来てくれたね。今日から自由に外に出られるよー。帰ってきたら、このタオルで足の裏拭いてね」
　冗談混じりにタオルをポンポン叩く。ここを通った時にちょっとでも土が落ちればいいかな、くらいに思ってる。
　各自それぞれの返事が返ってきたから、なんとなく大丈夫そうな気がした。



　今日は天気が良くて洗濯物がよく乾く。お昼を終えてからリビングで取り込んだ洗濯物を畳んでいた。窓越しに背中に当たる日差しが心地いいし、取り込んだタオルなんかも、ほんのり温かい。食事の後という条件も重なって、ついうとうとしてしまう。
　急に首ががくりと落ちてはっと気が付いた。ああ、今寝てた。いかんいかんと畳む作業を再開する。
　気力で全て畳み終え、ふと隣を見ると、窓越しの日差しを浴びながら、我が家の猫たちが五匹並んで寝転んで目を瞑っていた。――なんだこれ可愛い……っ。手前からサニー、コマツ、トリコ、ココ、ゼブラ。お尻を窓の方に向けてずらっと並んでる。これみんな寝てるのかな。
　そーっと顔を覗き込んで見る。みんな目を瞑ったまま特に反応なし。……これは、寝てないにしても寝そうな状態だよね。暖かいもんね。
　今畳み終えたばかりのタオルを枕代わりに頭の下に敷いて、みんなと並んで寝てみた。ああ……、これはマズい。寝てしまう。
　まあでも、たまには良いかぁ････。
　みんなの寝姿を見ながらふにゃふにゃ笑って、誘ってくる睡魔に従って目を閉じた。今日はちょっとだけ、みんなでお昼寝タイムにしようじゃない――。
　この後、ちょっと仮眠をとるだけのつもりが全員でガッツリ夕方まで寝てしまって揃って顔を見合わせたのは私たちだけの秘密。