食べてくれました
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夕食前、ゴハンの時間だ、といつものようにキャットフードの袋を手に取った時、あれ、と思った。いつもそれを仕舞っている場所を覗き込んで見るけど、やっぱりない。手に持った袋の中を確認してみるけど、案の定、これじゃ足りない。
ゼブラが家に来てから、キャットフードの減り方が変わった。トリコとそろってよく食べるんだもの。そのおかげで、どうも目測を誤ったみたい。まだ買い置きがあると思っていた大袋のフードはとっくにストックが切れていて、今手に持っている袋が最後。その中身も、控えめに見積もると全員の一食分くらいしかない。なんでこうなる前に気付かなかったかな、私。
「あーあ、まいったなー……」
あのコたちは悪くない。勝手に漁って食べたりしたわけじゃないもの。完全に私の過失。
でもホントにどうしようかな。もう結構遅い時間になっちゃったし、今から買いに行くのもな……。面倒臭い……。明日買いに行こう、バイト休みだし。午前中に買いにに行くとして、少なくとも一食分見繕わないといけないわけだけど……。
猫缶は・・・・、ダメだ、数が足りない。私のバカ。何で色んな種類を少しずつ買ったかな。同じじゃないと喧嘩になるじゃないか。これも明日買ってこなきゃ。
……いっそ、一食我慢してもらうって選択肢もあるのか……。
ちら、と我が家の猫たちの様子を盗み見る。ゴハンの時間を覚えているのか、そわそわしている。主にトリコとゼブラ。
――……ダメだ! あんなにゴハンを楽しみにしているコに『ごめんね今日はご飯なしで』なんて言えない……っ! これから自分の夕飯も作らなきゃいけないしなあ、どうしよ……う?
……そうか、作ればいいのか。
なんて、そんな答えがあっさり出てきた。何でもっと早く気付かなかったんだというくらい、しっくりくる答えだった。
しっくりはくるのだけど、そこではたと考える。あのコたち、いきなりゴハン変えて食べてくれるだろうか。トリコは案外すんなり食べてくれそうだけど、サニーとか絶対こだわるタイプだよ、うん。……ああ、キャットフードの買い忘れでこんなに悩むことになるとは思わなかった……。
――ずっと悩んでたって仕方ないし、やるだけやってみようか。作るだけ作って、食べないコには猫缶開けよう。もうそれっきゃない。
「……よし、やろう」
幸い今日は大きい鶏肉があるから、それ中心にどうにか・・・・。冷蔵庫の中身を思い出しながら、自分の夕飯の献立そっちのけでレシピを組み立てた。
結局、猫たちメインの献立になった。彼ら用に作ったものに、他にも色々足して味付けもしたのが今日の私の夕食。いや、これはこれで美味しそうだからいいと思う。成功した方じゃないの、コレ。
「ニャー」
いつもより遅いゴハンに待ちきれなくなったのか、トリコがキッチンの方までやってきた。
「ごめんごめん。忘れたわけじゃないんだよ。……いや、ホントは忘れたんだけどさ」
苦笑しながらゴハンを入れた大き目の容器を持ってみんなのエサ入れの方へ行く。大体こんなもんかな、といつも入れているカリカリの量と同じくらいをそれぞれ入れた。
「いつものゴハン買い忘れちゃったから、今日はこれ食べてくれる?」
恐る恐る、みんなの前にエサ入れを差し出してみる。ずっと見ていても仕方がないのでそそくさと自分の食事の準備をしよう。でも準備をしながらも、やっぱり気になって見てしまう。
……あああ、エサ入れの前でみんな固まってる……。やっぱり突然すぎたよね……。いきなり形状が変わりすぎだよね……。あ、もしかして食べ物だと認識してないんじゃ……。
「ごめんね、私が作ったばっかりに……」
なんだか彼らに申し訳なくなってきてやっぱり猫缶を開けようと思った時、突然、それもみんな同時に食べだした。え、何今の揃った動き。体育大学の集団行動レベル。大食いコンビなんて一口食べた後からなんかガツガツ食べてくれてる。……何これすごく嬉しい。
自分の作ったゴハンを食べてくれている猫たちを見ていたら、自然と笑いが込み上げてきた。ああ、私今、すごく幸せ。今の今まで不安だったのが、一気にどこかへ行ってしまった。
彼らの口に合ってるのかは分からないけど、ただ食べてくれたことが私にとっては最高の賛辞に値したのです。
ゼブラが家に来てから、キャットフードの減り方が変わった。トリコとそろってよく食べるんだもの。そのおかげで、どうも目測を誤ったみたい。まだ買い置きがあると思っていた大袋のフードはとっくにストックが切れていて、今手に持っている袋が最後。その中身も、控えめに見積もると全員の一食分くらいしかない。なんでこうなる前に気付かなかったかな、私。
「あーあ、まいったなー……」
あのコたちは悪くない。勝手に漁って食べたりしたわけじゃないもの。完全に私の過失。
でもホントにどうしようかな。もう結構遅い時間になっちゃったし、今から買いに行くのもな……。面倒臭い……。明日買いに行こう、バイト休みだし。午前中に買いにに行くとして、少なくとも一食分見繕わないといけないわけだけど……。
猫缶は・・・・、ダメだ、数が足りない。私のバカ。何で色んな種類を少しずつ買ったかな。同じじゃないと喧嘩になるじゃないか。これも明日買ってこなきゃ。
……いっそ、一食我慢してもらうって選択肢もあるのか……。
ちら、と我が家の猫たちの様子を盗み見る。ゴハンの時間を覚えているのか、そわそわしている。主にトリコとゼブラ。
――……ダメだ! あんなにゴハンを楽しみにしているコに『ごめんね今日はご飯なしで』なんて言えない……っ! これから自分の夕飯も作らなきゃいけないしなあ、どうしよ……う?
……そうか、作ればいいのか。
なんて、そんな答えがあっさり出てきた。何でもっと早く気付かなかったんだというくらい、しっくりくる答えだった。
しっくりはくるのだけど、そこではたと考える。あのコたち、いきなりゴハン変えて食べてくれるだろうか。トリコは案外すんなり食べてくれそうだけど、サニーとか絶対こだわるタイプだよ、うん。……ああ、キャットフードの買い忘れでこんなに悩むことになるとは思わなかった……。
――ずっと悩んでたって仕方ないし、やるだけやってみようか。作るだけ作って、食べないコには猫缶開けよう。もうそれっきゃない。
「……よし、やろう」
幸い今日は大きい鶏肉があるから、それ中心にどうにか・・・・。冷蔵庫の中身を思い出しながら、自分の夕飯の献立そっちのけでレシピを組み立てた。
結局、猫たちメインの献立になった。彼ら用に作ったものに、他にも色々足して味付けもしたのが今日の私の夕食。いや、これはこれで美味しそうだからいいと思う。成功した方じゃないの、コレ。
「ニャー」
いつもより遅いゴハンに待ちきれなくなったのか、トリコがキッチンの方までやってきた。
「ごめんごめん。忘れたわけじゃないんだよ。……いや、ホントは忘れたんだけどさ」
苦笑しながらゴハンを入れた大き目の容器を持ってみんなのエサ入れの方へ行く。大体こんなもんかな、といつも入れているカリカリの量と同じくらいをそれぞれ入れた。
「いつものゴハン買い忘れちゃったから、今日はこれ食べてくれる?」
恐る恐る、みんなの前にエサ入れを差し出してみる。ずっと見ていても仕方がないのでそそくさと自分の食事の準備をしよう。でも準備をしながらも、やっぱり気になって見てしまう。
……あああ、エサ入れの前でみんな固まってる……。やっぱり突然すぎたよね……。いきなり形状が変わりすぎだよね……。あ、もしかして食べ物だと認識してないんじゃ……。
「ごめんね、私が作ったばっかりに……」
なんだか彼らに申し訳なくなってきてやっぱり猫缶を開けようと思った時、突然、それもみんな同時に食べだした。え、何今の揃った動き。体育大学の集団行動レベル。大食いコンビなんて一口食べた後からなんかガツガツ食べてくれてる。……何これすごく嬉しい。
自分の作ったゴハンを食べてくれている猫たちを見ていたら、自然と笑いが込み上げてきた。ああ、私今、すごく幸せ。今の今まで不安だったのが、一気にどこかへ行ってしまった。
彼らの口に合ってるのかは分からないけど、ただ食べてくれたことが私にとっては最高の賛辞に値したのです。