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我が家の猫が五匹になった翌日。どういうわけか誰も外に出たがる素振りを見せない。サニーとココはいつものことだけど、トリコなら出たがるものだと思っていた。日課みたいになってたし。コマツはトリコに付いて行ってるようなものだし、彼が行かないなら出ないだろう。ゼブラは……、まあ病院で保護されてたわけだし、外に出すわけにいかないとか言ってたから、出さない方がいいんだろうけど。出たがったらちょっと出してあげようかとも思ってた。だからみんなが部屋の中で遊んでてちょっと拍子抜け。
ソファの上から猫たちを観察してみる。コマツとココ、静かに座ってる。サニー、通常運転毛繕い。トリコとゼブラ、じゃれあってる。……ん? じゃれあってるよねアレ。物凄い速さでパンチ打ち合ってるけど、じゃれあってるんだよね。喧嘩じゃないよね。……怪我したら病院連れていこう。
巻き込まれたくないのか、ココがコマツを連れてこっちに来た。小さく手招きしたらソファに上がってきた。ヤダかわいい。少しは慣れてくれた? ココ。毛繕いが一段落したらしいサニーも上がってきた。何かするわけでもなく私の隣で丸くなった。『構ってくれ』アピールをしてこないから、そっとしとけばいいかな。
……少し目を離した間にトリコとゼブラは一緒に床を転がってた。ホントに喧嘩じゃないよね⁈ 取っ組み合いの喧嘩じゃないよね⁈ 元気なのはいいけど……。有り余って怪我したら元も子もないよ。
「怪我したら、ダメだよ?」
そっと言ってみる。お互い加減くらい分かってると思うんだ、じゃれてるなら。でも喧嘩だったらそうもいかない気がする。相手を殺しちゃったりはしないらしいけど、猫の喧嘩って。でもやっぱり怪我するのは嫌だなぁ。
こうして見てると、ホントに個性が強いなと実感する。もうね、きっとシルエットだけで分かるよ。自信ある。
じゃれ合う二匹にドキドキしながら、おもむろにコマツを持ち上げた。白い毛がなんかくすんでる。そう言えば、お風呂に入れてあげたのってサニーだけじゃん。毎日のように外回りしてたコマツもトリコも洗ってない。ついでに言うと雨でずぶ濡れだったココも、乾かしただけで洗ってない。
「……洗っちゃうか、みんな」
私の呟きに、コマツはきょとんと首を傾げた。
「シャンプーしよう、コマツ」
そういうと、コマツはピタッと動きを止めて、突然じたばた暴れだした。
「おっと。コマツはシャンプー嫌いかぁ。ごめんね。でも、結構汚れてるからさ、洗ってさっぱりしようよ?」
身体を撫でながら諭すように言葉をかけると、諦めたのか大人しくなった。
「ココもね」
くるりと顔をそっちに向けると、ココの身体がビクッと震えるのが見えた。それからじりじり後ずさりなんてするもんだから、思わずかわいいなぁなんて考えてしまう。でも今回は、ちょっと鬼になろう。
「おーっと、逃がしませんよー? 今日は大人しくシャンプーされなさいっ」
コマツを左腕で抱っこして、空いた右腕でガバッとココを抱え込んだ。触られるの嫌なんだもんね。でも今日はちょっとだけ我慢してて。抱きかかえると観念したようにじっとしていた。なんだかんだいっても、ちゃんと分かってくれるもんね、このコたち。
コマツとココを抱っこして、一段落したらしいトリコとゼブラに近づく。
「トリコもおいで。一緒にシャンプーしよ」
不思議そうにしているトリコ。くるくると自分の身体を確かめるように見ている。
「多分、思ってるより汚れてるんじゃないかな」
かわいいしぐさに失笑しながら、もう一度呼んだ。汚れとかあんまり気にしない辺り、トリコって野性的だよね。
「ニャァ」
足にかかる重さに目線を落とすと、サニーが身体を伸ばして後脚で立ち、前脚を私の足に掛けていた。
「なぁに? サニーもシャンプーする?」
「ニャァッ」
ん、分かった。毛繕いに余念がないだけあってシャンプーは嫌じゃないんだね。
「――ゼブラはどうする?」
このままだとひとり取り残してしまう。家に来たばっかりだし、誰かいた方がいいのかなぁ。一緒に来てくれた方が安心なんだけど。
「……」
ああ……また眉間に皺が寄ってるよ。まだあんまり信用されてないのかなぁ。なるべく彼と目線を合わせようとその場にしゃがんだ。尻尾の先がパタッと動く。……かわいいなぁ畜生。それ以上の動きは特にないし、返事もない。ふむ。
「――おいでっ」
進展しないので明るく、出来るだけ優しく呼んでみた。フラれたらそれはそれで仕方がない。……ちょっと悲しいけど。
呼んだら、ゼブラの瞳孔がちょっと開いたみたい。そしてまた尻尾をパタパタ動かしてから、のそっと動き出した。どうやら来てくれるみたい。ああ、嬉しいなぁ!
自然に顔が笑みをつくるのを止められない。きっとデレッデレの締まりのない顔をしてるだろう。でもいいや。誰かに咎められる筋合いはないもんねーっ! 腕の中に二匹、後ろに三匹引き連れて浴室に向かう私は他人の目にどう映るかなんて知っちゃこっちゃない。
浴室に入ってしっかりとを閉めて。汚れの目立つコマツから順番に洗っていった。待ちの間は水の入ってない浴槽に入っててもらった。そこでもゼブラとトリコが過激にじゃれ合い始めたもんだから、流石に咎めた。
「こらっ! 退屈なのは分かるけど、滑り易くて危ないんだから、加減してちょーだい。ここから出たらいくらでもどうぞ」
何がすごいって話せばちゃんと分かってくれるところだよね。それにしても、待ってる姿も洗われてる時も、個性の強さはよく出るね。面白いくらいに。
でも、次からは全員一度に洗うのは止めよう。収拾がつかない。今の私のスキルじゃ対応しきれない。それでも、この状況を楽しいとか嬉しいとか思っちゃってる私は相当重傷ですね。
ソファの上から猫たちを観察してみる。コマツとココ、静かに座ってる。サニー、通常運転毛繕い。トリコとゼブラ、じゃれあってる。……ん? じゃれあってるよねアレ。物凄い速さでパンチ打ち合ってるけど、じゃれあってるんだよね。喧嘩じゃないよね。……怪我したら病院連れていこう。
巻き込まれたくないのか、ココがコマツを連れてこっちに来た。小さく手招きしたらソファに上がってきた。ヤダかわいい。少しは慣れてくれた? ココ。毛繕いが一段落したらしいサニーも上がってきた。何かするわけでもなく私の隣で丸くなった。『構ってくれ』アピールをしてこないから、そっとしとけばいいかな。
……少し目を離した間にトリコとゼブラは一緒に床を転がってた。ホントに喧嘩じゃないよね⁈ 取っ組み合いの喧嘩じゃないよね⁈ 元気なのはいいけど……。有り余って怪我したら元も子もないよ。
「怪我したら、ダメだよ?」
そっと言ってみる。お互い加減くらい分かってると思うんだ、じゃれてるなら。でも喧嘩だったらそうもいかない気がする。相手を殺しちゃったりはしないらしいけど、猫の喧嘩って。でもやっぱり怪我するのは嫌だなぁ。
こうして見てると、ホントに個性が強いなと実感する。もうね、きっとシルエットだけで分かるよ。自信ある。
じゃれ合う二匹にドキドキしながら、おもむろにコマツを持ち上げた。白い毛がなんかくすんでる。そう言えば、お風呂に入れてあげたのってサニーだけじゃん。毎日のように外回りしてたコマツもトリコも洗ってない。ついでに言うと雨でずぶ濡れだったココも、乾かしただけで洗ってない。
「……洗っちゃうか、みんな」
私の呟きに、コマツはきょとんと首を傾げた。
「シャンプーしよう、コマツ」
そういうと、コマツはピタッと動きを止めて、突然じたばた暴れだした。
「おっと。コマツはシャンプー嫌いかぁ。ごめんね。でも、結構汚れてるからさ、洗ってさっぱりしようよ?」
身体を撫でながら諭すように言葉をかけると、諦めたのか大人しくなった。
「ココもね」
くるりと顔をそっちに向けると、ココの身体がビクッと震えるのが見えた。それからじりじり後ずさりなんてするもんだから、思わずかわいいなぁなんて考えてしまう。でも今回は、ちょっと鬼になろう。
「おーっと、逃がしませんよー? 今日は大人しくシャンプーされなさいっ」
コマツを左腕で抱っこして、空いた右腕でガバッとココを抱え込んだ。触られるの嫌なんだもんね。でも今日はちょっとだけ我慢してて。抱きかかえると観念したようにじっとしていた。なんだかんだいっても、ちゃんと分かってくれるもんね、このコたち。
コマツとココを抱っこして、一段落したらしいトリコとゼブラに近づく。
「トリコもおいで。一緒にシャンプーしよ」
不思議そうにしているトリコ。くるくると自分の身体を確かめるように見ている。
「多分、思ってるより汚れてるんじゃないかな」
かわいいしぐさに失笑しながら、もう一度呼んだ。汚れとかあんまり気にしない辺り、トリコって野性的だよね。
「ニャァ」
足にかかる重さに目線を落とすと、サニーが身体を伸ばして後脚で立ち、前脚を私の足に掛けていた。
「なぁに? サニーもシャンプーする?」
「ニャァッ」
ん、分かった。毛繕いに余念がないだけあってシャンプーは嫌じゃないんだね。
「――ゼブラはどうする?」
このままだとひとり取り残してしまう。家に来たばっかりだし、誰かいた方がいいのかなぁ。一緒に来てくれた方が安心なんだけど。
「……」
ああ……また眉間に皺が寄ってるよ。まだあんまり信用されてないのかなぁ。なるべく彼と目線を合わせようとその場にしゃがんだ。尻尾の先がパタッと動く。……かわいいなぁ畜生。それ以上の動きは特にないし、返事もない。ふむ。
「――おいでっ」
進展しないので明るく、出来るだけ優しく呼んでみた。フラれたらそれはそれで仕方がない。……ちょっと悲しいけど。
呼んだら、ゼブラの瞳孔がちょっと開いたみたい。そしてまた尻尾をパタパタ動かしてから、のそっと動き出した。どうやら来てくれるみたい。ああ、嬉しいなぁ!
自然に顔が笑みをつくるのを止められない。きっとデレッデレの締まりのない顔をしてるだろう。でもいいや。誰かに咎められる筋合いはないもんねーっ! 腕の中に二匹、後ろに三匹引き連れて浴室に向かう私は他人の目にどう映るかなんて知っちゃこっちゃない。
浴室に入ってしっかりとを閉めて。汚れの目立つコマツから順番に洗っていった。待ちの間は水の入ってない浴槽に入っててもらった。そこでもゼブラとトリコが過激にじゃれ合い始めたもんだから、流石に咎めた。
「こらっ! 退屈なのは分かるけど、滑り易くて危ないんだから、加減してちょーだい。ここから出たらいくらでもどうぞ」
何がすごいって話せばちゃんと分かってくれるところだよね。それにしても、待ってる姿も洗われてる時も、個性の強さはよく出るね。面白いくらいに。
でも、次からは全員一度に洗うのは止めよう。収拾がつかない。今の私のスキルじゃ対応しきれない。それでも、この状況を楽しいとか嬉しいとか思っちゃってる私は相当重傷ですね。