心配いりませんでした
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家で預かることになったゼブラと、コマツたちとの顔合わせの最中、どうも私の顔の傷が原因で一触即発な空気になってしまった。最悪の場合喧嘩になるんじゃないかと思ったけど、幸い、それには至らなかった。非常に不服そうな顔はされたし、なんかサニーが拗ねちゃったような気がしなくもないけど、引いてくれた。でも、本当に嬉しかった。都合の良い考え方かもしれないけど、純粋に嬉しかった。
……さて。私は仲良くなれるのかな。やっぱり、生傷くらいは覚悟しとかなきゃダメかな。なんて、昼食を摂りながら考えた。少し離れたところからはカリカリカリカリ、キャットフードの咀嚼音が聞こえる。いい音だなぁなんて頭の片隅で思いながらここ三週間ほどのことを振り返ってみた。
三週間前に、怪我をしたコマツを保護してから、あっという間に家が賑やかになっていった。くだらないことを考える暇なんてないくらい、毎日が充実している。ホントに、家に来てくれたこと、みんなに感謝しなくちゃ。こうして、自然と笑っていられるのはみんなのおかげだもの。
空になった食器を流しに出して、水に漬けておく。後で洗おう。午前中は結構バタバタしてたから、午後はちょっとのんびりしよう。明日も休みだしー。
リビングの床にぺたりと腰を下ろし壁に背中を預けて一息つく。ひんやりしていて心地いい。足を投げ出して座っていると、食べ終えたらしいトリコが遊んでくれとばかりにおもちゃを咥えて寄ってきた。食べた後すぐに遊ぶのか。私だったら確実に脇腹痛くなるけど。
「―――いくよー?」
そぉれ、と適当な方向へ投げてやると、勢いよく駆けてそれを追うトリコ。こちらに転がってきたら、また向こうへ。私が投げてトリコが追いかける。元気だなぁ。
微笑ましく見ていたら、サニーがコームを咥えて催促してきた。ご丁寧にラバーブラシも持ってきて足元に置いてる。
「はいはいブラッシングね。いいよ、おいで?」
体勢を整えて足を叩くとすぐに上がってきて落ち着く位置を確保するサニー。ブラッシング気にいってくれてよかった。
手が空いて時間があるときにしてあげるようにしてるし、自分でも頑張ってるみたいだから、そんなに乱れてたり抜けたりしないけどね。マッサージ代わりかな、どちらかと言えば。くるくるっと全体にブラシをかけてあげれば満足するみたい。特に背中。
「はい、おしまい。今日もいい毛並みだね、サニー」
「ニャァ」
頭を撫でると、撫でて欲しい個所を押し付けてくる。分かり易い。
ふと見ると、なんかコマツがこっち見てそわそわしてる。迷ってるように見える。えーと。
「――コマツもおいで?」
空いている手を伸ばして呼んでみた。途端に耳と尻尾がピッと立った。そしてトトト..と遠慮がちに近づいてきて、足に乗った。ああもうかわいいっ。抱っこしてやるっ! 嫌がらないのをいいことに、片手で持ち上げて頬擦りする。くすぐったそうに身体を捩るのがまたかわいい。
何やら視線を感じて、上を見るとすぐそばの棚に上ったゼブラがこちらを見ていた。ただじっとこっちを見下ろしてる。見下してない見下ろしてる。一応、気にはなるのかな。来てくれないかなーっ、と軽く念を送ってみる。あんまりしつこいのも良くないから、頃合を見て切り上げる。
サニーとコマツを撫でていると、ココが相変わらず少し離れて座っているのが見えた。ただちゃんとこっちは見てるんだよね。……よし。ダメもとだ。
「ココもこっち来ない?」
強制はしない。触られるのが嫌いなんだからしょうがない。あわよくば、ちょっと近づいてくれれば万々歳。
「……」
ココは少し考えるような素振りを見せて、すっと立ち上がった。そして私の隣まで来ると、そこに座ってくれた。たったそれだけのことでも嬉しくて、ココの頭を一回だけそっと撫でた。
こちらの様子に気づいたのか、遊んでたトリコもこっちに駆けて来た。おもちゃちゃんと持ってくるあたり流石。そのおもちゃは床に置いて、自分も混ぜろとばかりにコマツとサニーの間に割り込むように乗ってきた。
あは、軽く毛皮に埋もれてるよ私。心地よい重さを堪能していたら、一瞬、ふっと影が差した。
「ふげっ⁉」
結構な重さのある何かが頭上に降ってきた。首、めり込んでないかな……。舌噛まなくて良かった。
降ってきた『何か』は、足場を探すように私の肩を踏む。それなりの痛みを伴いはしたけど、これは喜ばしいことだよね。
「――いらっしゃい。」
安定する体制を見つけたのか、大人しくなったゼブラ。後ろ足を私の背中に掛けて踏ん張り、前脚を肩に突っ張らせてバランスをとっている。そっと手を伸ばして撫でてみる。じっと撫でさせてくれた。良かった。仲良くしてくれそう。心配する必要なかったね。
「ウチに来てくれて、ありがとう……」
伝わってくるそれぞれの熱が、とても心地良かった。
……さて。私は仲良くなれるのかな。やっぱり、生傷くらいは覚悟しとかなきゃダメかな。なんて、昼食を摂りながら考えた。少し離れたところからはカリカリカリカリ、キャットフードの咀嚼音が聞こえる。いい音だなぁなんて頭の片隅で思いながらここ三週間ほどのことを振り返ってみた。
三週間前に、怪我をしたコマツを保護してから、あっという間に家が賑やかになっていった。くだらないことを考える暇なんてないくらい、毎日が充実している。ホントに、家に来てくれたこと、みんなに感謝しなくちゃ。こうして、自然と笑っていられるのはみんなのおかげだもの。
空になった食器を流しに出して、水に漬けておく。後で洗おう。午前中は結構バタバタしてたから、午後はちょっとのんびりしよう。明日も休みだしー。
リビングの床にぺたりと腰を下ろし壁に背中を預けて一息つく。ひんやりしていて心地いい。足を投げ出して座っていると、食べ終えたらしいトリコが遊んでくれとばかりにおもちゃを咥えて寄ってきた。食べた後すぐに遊ぶのか。私だったら確実に脇腹痛くなるけど。
「―――いくよー?」
そぉれ、と適当な方向へ投げてやると、勢いよく駆けてそれを追うトリコ。こちらに転がってきたら、また向こうへ。私が投げてトリコが追いかける。元気だなぁ。
微笑ましく見ていたら、サニーがコームを咥えて催促してきた。ご丁寧にラバーブラシも持ってきて足元に置いてる。
「はいはいブラッシングね。いいよ、おいで?」
体勢を整えて足を叩くとすぐに上がってきて落ち着く位置を確保するサニー。ブラッシング気にいってくれてよかった。
手が空いて時間があるときにしてあげるようにしてるし、自分でも頑張ってるみたいだから、そんなに乱れてたり抜けたりしないけどね。マッサージ代わりかな、どちらかと言えば。くるくるっと全体にブラシをかけてあげれば満足するみたい。特に背中。
「はい、おしまい。今日もいい毛並みだね、サニー」
「ニャァ」
頭を撫でると、撫でて欲しい個所を押し付けてくる。分かり易い。
ふと見ると、なんかコマツがこっち見てそわそわしてる。迷ってるように見える。えーと。
「――コマツもおいで?」
空いている手を伸ばして呼んでみた。途端に耳と尻尾がピッと立った。そしてトトト..と遠慮がちに近づいてきて、足に乗った。ああもうかわいいっ。抱っこしてやるっ! 嫌がらないのをいいことに、片手で持ち上げて頬擦りする。くすぐったそうに身体を捩るのがまたかわいい。
何やら視線を感じて、上を見るとすぐそばの棚に上ったゼブラがこちらを見ていた。ただじっとこっちを見下ろしてる。見下してない見下ろしてる。一応、気にはなるのかな。来てくれないかなーっ、と軽く念を送ってみる。あんまりしつこいのも良くないから、頃合を見て切り上げる。
サニーとコマツを撫でていると、ココが相変わらず少し離れて座っているのが見えた。ただちゃんとこっちは見てるんだよね。……よし。ダメもとだ。
「ココもこっち来ない?」
強制はしない。触られるのが嫌いなんだからしょうがない。あわよくば、ちょっと近づいてくれれば万々歳。
「……」
ココは少し考えるような素振りを見せて、すっと立ち上がった。そして私の隣まで来ると、そこに座ってくれた。たったそれだけのことでも嬉しくて、ココの頭を一回だけそっと撫でた。
こちらの様子に気づいたのか、遊んでたトリコもこっちに駆けて来た。おもちゃちゃんと持ってくるあたり流石。そのおもちゃは床に置いて、自分も混ぜろとばかりにコマツとサニーの間に割り込むように乗ってきた。
あは、軽く毛皮に埋もれてるよ私。心地よい重さを堪能していたら、一瞬、ふっと影が差した。
「ふげっ⁉」
結構な重さのある何かが頭上に降ってきた。首、めり込んでないかな……。舌噛まなくて良かった。
降ってきた『何か』は、足場を探すように私の肩を踏む。それなりの痛みを伴いはしたけど、これは喜ばしいことだよね。
「――いらっしゃい。」
安定する体制を見つけたのか、大人しくなったゼブラ。後ろ足を私の背中に掛けて踏ん張り、前脚を肩に突っ張らせてバランスをとっている。そっと手を伸ばして撫でてみる。じっと撫でさせてくれた。良かった。仲良くしてくれそう。心配する必要なかったね。
「ウチに来てくれて、ありがとう……」
伝わってくるそれぞれの熱が、とても心地良かった。