拗ねました
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まさかこんなに頻繁に来ることになるなんて予想もしなかった。店内に入ると相変わらずいつもの彼が商品を並べていた。いつもお世話になってます。
「・・・・えーと」
ブラシコーナーに来てみたけど、どれがいいんだろう。コマツもトリコも毛が短めだからあんまり深く考えないで買ったんだよね。あれ、てゆーか使ったっけ、ブラシ。一回使ったかな? あれ? 走り回ってたりするからしそびれるんだよね。
つかこの店品揃え良すぎ。ありすぎてどれがいいのか分からない。正直、違いもよく分からない。
「……サニー、どれがいい?」
戦意を喪失したのでサニーに無茶振りしてみる。もちろん答えなんて期待しちゃいない。
「―――ニャ。」
だがしかし、まさかの返事が返ってきた。おそらくバッグの中で後ろ足で立ち上がってるのだろう、身を乗り出したサニーがしきりに片前脚を振る。その先にあったのはラバーブラシなるもの。これがいいのか。コームは前に買った覚えがある。だが使ってない。あれを使おう。
「よしよし、これがいいわけね。ついでに他のも見てく?」
なんか気に入ったのがあれば買って帰ろうかな? 店内を順番に回ってみる。エサ入れ、おもちゃ、首輪、服・・・・反応せず。さっきの反応はまぐれだろうかと首を傾げていると、ペットフードのコーナーで反応を示した。
「ん?どれ?」
先程と同じようにサニーが反応したのは、普通のペットフードではなくて一般におやつに分類されるであろう品。『コラーゲン配合!猫ちゃんの美しい毛艶は飼い主が守る!』云々と、なんだかよく分からないキャッチコピーが大きく書かれたパッケージ。正直うさん臭くて仕方がない。だが別に変なものが入っているわけではなさそうだ。サニーもこれがいいって言ってるみたいだし、一度買ってみようか。合わなかったらすぐ止めよう。うん、そうしよう。
あとはー、コマツとトリコのおやつでしょー、たまのご馳走猫缶でしょー、いつものカリカリでしょー。……よし、こんなもんかな。必要なものをざっと籠に入れ、レジに向かう。
「やっほー、いらっしゃい」
店員君に精算をお願いしているとにゅっと現れたリーゼント。髪型の方が顔より先に認識されるってどうなの。
「どうも、またお世話になってます。いいんですか?病院の方は」
「あぁ、いーのいーの。今患者さんいないから」
それはそれで大丈夫か。やっぱりここの病院私以外誰も来ないんじゃないだろうか。潰れたら困るんだけど。
「それよりさ、長毛用のブラシなんて買ってどうしたの? 君んちにいるのは短いよねぇ」
目ざといなぁ。
「新顔が長毛なもんで。今バッグに入ってます」
「へぇ。じゃあ今三匹飼ってるわけ?」
「いや、飼ってるっていうか……。……飼ってるのか? 私はそれでいいんですけど、ホンニンがどう思ってることやら」
ちら、とバッグの中のサニーを見ると顔を反らして丸くなっていた。……あれ。なんか機嫌悪そう。
「おーい、サニー? どうした?」
撫でても、嫌がりこそしないもののこっちを向いてくれない。
「……サニーって呼んでるの?」
「え? ああ、はい」
「ちょっといいかな」
そう言うと先生は丸まっているサニーをバッグから出した。
「ッ! シャァァアッ」
サニーがすごい剣幕で先生の腕を蹴っている。そんなに蹴るかい。それどころか先生の腕から抜け出してバッグの中へ飛び込んできた。
「うぉあっ!」
なんて正確な狙いだ。……じゃなくて。
「……やっぱり機嫌悪い? サニー」
どうも背中が昨日怒っていた時の背中によく似ている。ちょっと毛が逆立ってる辺り。
「あはは。拗ねてんじゃないかなぁ」
「拗ねる?」
「自分だけ除け者にされてるみたいでさ。自分だけ扱いが違うのが嫌なんじゃないかな」
扱いが違う?違うって、まさかコマツたちと?一時的に家にいるんじゃないかと思ってたんだけど、そうか違うのか。コマツたちと一緒がいいのか。家にいたいと思ってくれてたのかな。だとしたら、悪いことしたな。
「そっか。気付かなくてごめんよ。キミさえよければ、ウチの子になっておくれよ」
そう話しかけて頭を撫でていると、ふさふさの尻尾を腕に絡ませてきた。これが肯定の意ならば、私は喜んでキミを迎えよう。
―――なんてな。
冗談めいた本心を、サニーは分かってくれただろうか。サニーはより一層尻尾を絡ませてきた。好意的に受け取ってもらえているなら、嬉しいな。
「・・・・えーと」
ブラシコーナーに来てみたけど、どれがいいんだろう。コマツもトリコも毛が短めだからあんまり深く考えないで買ったんだよね。あれ、てゆーか使ったっけ、ブラシ。一回使ったかな? あれ? 走り回ってたりするからしそびれるんだよね。
つかこの店品揃え良すぎ。ありすぎてどれがいいのか分からない。正直、違いもよく分からない。
「……サニー、どれがいい?」
戦意を喪失したのでサニーに無茶振りしてみる。もちろん答えなんて期待しちゃいない。
「―――ニャ。」
だがしかし、まさかの返事が返ってきた。おそらくバッグの中で後ろ足で立ち上がってるのだろう、身を乗り出したサニーがしきりに片前脚を振る。その先にあったのはラバーブラシなるもの。これがいいのか。コームは前に買った覚えがある。だが使ってない。あれを使おう。
「よしよし、これがいいわけね。ついでに他のも見てく?」
なんか気に入ったのがあれば買って帰ろうかな? 店内を順番に回ってみる。エサ入れ、おもちゃ、首輪、服・・・・反応せず。さっきの反応はまぐれだろうかと首を傾げていると、ペットフードのコーナーで反応を示した。
「ん?どれ?」
先程と同じようにサニーが反応したのは、普通のペットフードではなくて一般におやつに分類されるであろう品。『コラーゲン配合!猫ちゃんの美しい毛艶は飼い主が守る!』云々と、なんだかよく分からないキャッチコピーが大きく書かれたパッケージ。正直うさん臭くて仕方がない。だが別に変なものが入っているわけではなさそうだ。サニーもこれがいいって言ってるみたいだし、一度買ってみようか。合わなかったらすぐ止めよう。うん、そうしよう。
あとはー、コマツとトリコのおやつでしょー、たまのご馳走猫缶でしょー、いつものカリカリでしょー。……よし、こんなもんかな。必要なものをざっと籠に入れ、レジに向かう。
「やっほー、いらっしゃい」
店員君に精算をお願いしているとにゅっと現れたリーゼント。髪型の方が顔より先に認識されるってどうなの。
「どうも、またお世話になってます。いいんですか?病院の方は」
「あぁ、いーのいーの。今患者さんいないから」
それはそれで大丈夫か。やっぱりここの病院私以外誰も来ないんじゃないだろうか。潰れたら困るんだけど。
「それよりさ、長毛用のブラシなんて買ってどうしたの? 君んちにいるのは短いよねぇ」
目ざといなぁ。
「新顔が長毛なもんで。今バッグに入ってます」
「へぇ。じゃあ今三匹飼ってるわけ?」
「いや、飼ってるっていうか……。……飼ってるのか? 私はそれでいいんですけど、ホンニンがどう思ってることやら」
ちら、とバッグの中のサニーを見ると顔を反らして丸くなっていた。……あれ。なんか機嫌悪そう。
「おーい、サニー? どうした?」
撫でても、嫌がりこそしないもののこっちを向いてくれない。
「……サニーって呼んでるの?」
「え? ああ、はい」
「ちょっといいかな」
そう言うと先生は丸まっているサニーをバッグから出した。
「ッ! シャァァアッ」
サニーがすごい剣幕で先生の腕を蹴っている。そんなに蹴るかい。それどころか先生の腕から抜け出してバッグの中へ飛び込んできた。
「うぉあっ!」
なんて正確な狙いだ。……じゃなくて。
「……やっぱり機嫌悪い? サニー」
どうも背中が昨日怒っていた時の背中によく似ている。ちょっと毛が逆立ってる辺り。
「あはは。拗ねてんじゃないかなぁ」
「拗ねる?」
「自分だけ除け者にされてるみたいでさ。自分だけ扱いが違うのが嫌なんじゃないかな」
扱いが違う?違うって、まさかコマツたちと?一時的に家にいるんじゃないかと思ってたんだけど、そうか違うのか。コマツたちと一緒がいいのか。家にいたいと思ってくれてたのかな。だとしたら、悪いことしたな。
「そっか。気付かなくてごめんよ。キミさえよければ、ウチの子になっておくれよ」
そう話しかけて頭を撫でていると、ふさふさの尻尾を腕に絡ませてきた。これが肯定の意ならば、私は喜んでキミを迎えよう。
―――なんてな。
冗談めいた本心を、サニーは分かってくれただろうか。サニーはより一層尻尾を絡ませてきた。好意的に受け取ってもらえているなら、嬉しいな。