怒られました
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帰宅してすぐにさっさと夕食を済ませ、何気なくテレビを見ていた。コマツはご飯の後寝てしまったし(よっぽど疲れたらしい)、トリコも今にも寝てしまいそうだ。別に特に見たい番組があるわけではないが静かすぎるのが嫌で、なんとなくニュースを眺めているだけ。目を引くニュースは特にない。
さわ……
ソファに突いた左手にふわふわしたものが触った。
「?」
どうやらそれは長毛君の尻尾のようだった。隣にじっと座っている長毛君の尻尾がパタパタ揺れると、私の腕に当たるらしい。不意に当たっただけだろうと思い、視線をテレビに戻す。
さわさわ……
まただ。柔らかい毛並みがくすぐったい。
「なぁに?」
「…………」
長毛君は上目がちに見上げてきた。睨み上げる・・・・って感じじゃないな。初対面の時ほどキツい雰囲気じゃない。
この子、あんまり自己主張してこないからな。どうしたらいいんだろ。試しに、喉の辺りを指で撫でてみた。最悪引っ掻かれるか噛まれるかすることを覚悟していたけど、そんなことはなかった。毛並みに沿って撫でてあげると目を細めた。嫌がる素振りはない。次に頭をそっと撫でてみた。触り心地良いなぁ。
……なんか、急に触らせてくれるなぁ。今までは『近寄らないでオーラ』みたいなの出てた気がするんだけど。素直じゃないのか。だがそこがまた可愛い奴。
「キミはきれいだねぇ。手入れ大変だろうに」
いつも必死に毛繕いしてるもんな。一日の半分くらい費やしてるんじゃないの。努力の賜物であるその上質な毛並みを撫でていると、長毛君はそれを避けるような素振りをした。もう触られるのは嫌なのかなと思ったが、ある意味その通り、だがある意味では違ったようだ。立ち上がり、私の太腿の上に上がってきたのだ。これは想定外。くるくると回られ、絶妙な力加減でマッサージされているようでくすぐったい。悶絶ものだ。
振り落すわけにもいかず必死に耐えていると、どうやら落ち着くポジションを見つけたらしい、座り込んだ。うわ、トイレ行けない。てかなにこれ。急に積極的すぎない? デレなの? デレがきたの? 残念な点を一つ上げるとしたら、お尻をこちらに向けている点だ。ふっさふさの尻尾しか見えないよー。顔が見たいよー。
「こっち向いてよー。長毛くーん」
「! フシャァッ」
気に障ったらしい。長毛君は脚で私の太腿をバシバシ叩く。痛くはないが、先程も言ったように悶絶ものなのだ。
「ああぁあぁぁっ! ごめん! ごめんよ! 謝るから止めてぇ‼」
必死に頼むと、一応止めてくれた。背中が怒ってるけど。やっぱりこの子もこっちの言ってること通じてる。まあ、毛の長さで呼ばれたらそりゃ嫌だよね。いつも思ってることが口から出ちゃった。
じゃあ、これから何て呼ぼうか。プンスカ怒っている猫君の背中を眺める。
……この毛並みに顔を埋めたい。沸々と湧き上がったその欲望に、私はあっさりと負けた。足の上の猫君を持ち上げて頬擦り。想像以上に良い毛並み。怒ってる相手に何てことしてるんだろうとは思う、思ってる。めっちゃジタバタしてるごめんね。日向ぼっこしてたからかな、いい匂い。取り込みたての洗濯物みたい。お日様の匂いがする。
「……サニー」
ぽつりと呟くと、猫君の動きが止まった。元の位置に降ろして、乱れた毛並みを撫でて整えてやる。
「……サニー?」
もう一度言ってみる。猫君はちらりとこちらを振り向いて小さくニャァと鳴いた。今度は叩かれなかったので、これは許してもらえたと捉えてもいいんだろうか。
さわ……
ソファに突いた左手にふわふわしたものが触った。
「?」
どうやらそれは長毛君の尻尾のようだった。隣にじっと座っている長毛君の尻尾がパタパタ揺れると、私の腕に当たるらしい。不意に当たっただけだろうと思い、視線をテレビに戻す。
さわさわ……
まただ。柔らかい毛並みがくすぐったい。
「なぁに?」
「…………」
長毛君は上目がちに見上げてきた。睨み上げる・・・・って感じじゃないな。初対面の時ほどキツい雰囲気じゃない。
この子、あんまり自己主張してこないからな。どうしたらいいんだろ。試しに、喉の辺りを指で撫でてみた。最悪引っ掻かれるか噛まれるかすることを覚悟していたけど、そんなことはなかった。毛並みに沿って撫でてあげると目を細めた。嫌がる素振りはない。次に頭をそっと撫でてみた。触り心地良いなぁ。
……なんか、急に触らせてくれるなぁ。今までは『近寄らないでオーラ』みたいなの出てた気がするんだけど。素直じゃないのか。だがそこがまた可愛い奴。
「キミはきれいだねぇ。手入れ大変だろうに」
いつも必死に毛繕いしてるもんな。一日の半分くらい費やしてるんじゃないの。努力の賜物であるその上質な毛並みを撫でていると、長毛君はそれを避けるような素振りをした。もう触られるのは嫌なのかなと思ったが、ある意味その通り、だがある意味では違ったようだ。立ち上がり、私の太腿の上に上がってきたのだ。これは想定外。くるくると回られ、絶妙な力加減でマッサージされているようでくすぐったい。悶絶ものだ。
振り落すわけにもいかず必死に耐えていると、どうやら落ち着くポジションを見つけたらしい、座り込んだ。うわ、トイレ行けない。てかなにこれ。急に積極的すぎない? デレなの? デレがきたの? 残念な点を一つ上げるとしたら、お尻をこちらに向けている点だ。ふっさふさの尻尾しか見えないよー。顔が見たいよー。
「こっち向いてよー。長毛くーん」
「! フシャァッ」
気に障ったらしい。長毛君は脚で私の太腿をバシバシ叩く。痛くはないが、先程も言ったように悶絶ものなのだ。
「ああぁあぁぁっ! ごめん! ごめんよ! 謝るから止めてぇ‼」
必死に頼むと、一応止めてくれた。背中が怒ってるけど。やっぱりこの子もこっちの言ってること通じてる。まあ、毛の長さで呼ばれたらそりゃ嫌だよね。いつも思ってることが口から出ちゃった。
じゃあ、これから何て呼ぼうか。プンスカ怒っている猫君の背中を眺める。
……この毛並みに顔を埋めたい。沸々と湧き上がったその欲望に、私はあっさりと負けた。足の上の猫君を持ち上げて頬擦り。想像以上に良い毛並み。怒ってる相手に何てことしてるんだろうとは思う、思ってる。めっちゃジタバタしてるごめんね。日向ぼっこしてたからかな、いい匂い。取り込みたての洗濯物みたい。お日様の匂いがする。
「……サニー」
ぽつりと呟くと、猫君の動きが止まった。元の位置に降ろして、乱れた毛並みを撫でて整えてやる。
「……サニー?」
もう一度言ってみる。猫君はちらりとこちらを振り向いて小さくニャァと鳴いた。今度は叩かれなかったので、これは許してもらえたと捉えてもいいんだろうか。