変わってきました
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コマツとトリコが連れてきたきれいな毛並みの猫君。その見た目のエレガントさを、どうやらホンニンも自覚しているらしい。
私を睨むように見ていたのは自分の毛並みの汚さにイライラしていたからではないだろうか。うまく洗ってあげられたかは別として、汚れが落ちたことでいくらか機嫌がよくなったように見える。こりゃ気難しそうな子だこと。
せっかくきれいになった以上もう毛を汚したくないのか、部屋の中を駆け回るトリコやコマツに混ざることなくソファの上で毛繕いしていた。時々トリコが誘うように鳴いているが、すべて無視。まるで性格が違う。
私はというと、そんな猫たちの様子を少し離れて観察していた。こうも個性が分かれていると見ていて飽きない。ずっと見ていたい気もするが、夕食の準備をしなければならない。ただ見ているだけでもお腹は空く。
猫たちは放っておいても大丈夫だろう、勝手に遊んでるし。長毛君は別の理由で忙しそうだし。
猫たちのいるリビングに背を向けてキッチンへ移動する。こういう時、リビングダイニングキッチンて便利。何かあってもすぐ分かるもの。お客さん来たりするからキッチンもすっきりさせておかなきゃいけないと思って神経質になるから普段は憂鬱なんだけど。
冷蔵庫の中身と相談して適当に献立決定。手の込んだことなんて普段しない。よっぽど時間があるか、それを作らなければいけない状況でもなければしない。基本的に食べられればそれでいいと思ってしまう。まあ、人並みには料理できてるとは思う。
「……お?」
調理をしていると気配を感じた。手を止めて視線を移すと、キッチンとリビングダイニングとを仕切っているカウンターの上に長毛君。あ、今コマツも上ってきた。
「どうした? お腹空いた?」
そう声をかけると、長毛君はプイと顔をそらしてするりと降りて行ってしまった。……嫌われてるのだろうか。やっぱりお風呂は嫌だったのか⁉ ……いや、猫って普通あんな感じかもしれない。コマツとトリコがフレンドリーすぎるだけで。きっとそうだと思いたい。
「仲良くなりたいんだけどなぁ……」
ぽつりと口から洩れた言葉は本心だった。ただ一方的に構ったとしてもそれは達成されない事は分かっているので、今はそっと待つことにする。最終的に仲良くなれなかったとしても、それはそれ。押しつけはよくない。
「ご飯もうちょっと待ってね。これ終わったらあげるから」
まだカウンターに乗っているコマツにそう言って、調理を再開した。にゃぁと返事をしたコマツはずっとその場でじっと作業風景を見ていたようだった。
小一時間で夕食は完成した。盛り付けも済んだ。あとは食べるだけ。でもその前に猫たちのごはんの用意。食器棚を漁って手ごろな器を探す。いくらなんでも長毛君にどんぶりは似合わない。記憶が間違ってなければ、確かここに仕舞い込んでたはずなんだけど……っと。
「あーった。」
昔貰った透明なプラスチックの、多分サラダボウル。バラだと思われる花の絵が描かれている。柄が可愛すぎて一回も使ってないけど、サイズも手頃だしどんぶりよりいいでしょ。
コマツ、トリコのエサ入れ同様にカリカリを入れて床に置く。
「よかったらお食べ」
長毛君は数回匂いを嗅いでから口をつけた。もしかしてキャットフード嫌い? でも食べてるってことはそこまでではないんだろうか。……食べてるからいいや。
猫たちの食事の音を聞きながら、私も食卓に着いた。ほんの二週間前とは、全く違う食卓だった。
私を睨むように見ていたのは自分の毛並みの汚さにイライラしていたからではないだろうか。うまく洗ってあげられたかは別として、汚れが落ちたことでいくらか機嫌がよくなったように見える。こりゃ気難しそうな子だこと。
せっかくきれいになった以上もう毛を汚したくないのか、部屋の中を駆け回るトリコやコマツに混ざることなくソファの上で毛繕いしていた。時々トリコが誘うように鳴いているが、すべて無視。まるで性格が違う。
私はというと、そんな猫たちの様子を少し離れて観察していた。こうも個性が分かれていると見ていて飽きない。ずっと見ていたい気もするが、夕食の準備をしなければならない。ただ見ているだけでもお腹は空く。
猫たちは放っておいても大丈夫だろう、勝手に遊んでるし。長毛君は別の理由で忙しそうだし。
猫たちのいるリビングに背を向けてキッチンへ移動する。こういう時、リビングダイニングキッチンて便利。何かあってもすぐ分かるもの。お客さん来たりするからキッチンもすっきりさせておかなきゃいけないと思って神経質になるから普段は憂鬱なんだけど。
冷蔵庫の中身と相談して適当に献立決定。手の込んだことなんて普段しない。よっぽど時間があるか、それを作らなければいけない状況でもなければしない。基本的に食べられればそれでいいと思ってしまう。まあ、人並みには料理できてるとは思う。
「……お?」
調理をしていると気配を感じた。手を止めて視線を移すと、キッチンとリビングダイニングとを仕切っているカウンターの上に長毛君。あ、今コマツも上ってきた。
「どうした? お腹空いた?」
そう声をかけると、長毛君はプイと顔をそらしてするりと降りて行ってしまった。……嫌われてるのだろうか。やっぱりお風呂は嫌だったのか⁉ ……いや、猫って普通あんな感じかもしれない。コマツとトリコがフレンドリーすぎるだけで。きっとそうだと思いたい。
「仲良くなりたいんだけどなぁ……」
ぽつりと口から洩れた言葉は本心だった。ただ一方的に構ったとしてもそれは達成されない事は分かっているので、今はそっと待つことにする。最終的に仲良くなれなかったとしても、それはそれ。押しつけはよくない。
「ご飯もうちょっと待ってね。これ終わったらあげるから」
まだカウンターに乗っているコマツにそう言って、調理を再開した。にゃぁと返事をしたコマツはずっとその場でじっと作業風景を見ていたようだった。
小一時間で夕食は完成した。盛り付けも済んだ。あとは食べるだけ。でもその前に猫たちのごはんの用意。食器棚を漁って手ごろな器を探す。いくらなんでも長毛君にどんぶりは似合わない。記憶が間違ってなければ、確かここに仕舞い込んでたはずなんだけど……っと。
「あーった。」
昔貰った透明なプラスチックの、多分サラダボウル。バラだと思われる花の絵が描かれている。柄が可愛すぎて一回も使ってないけど、サイズも手頃だしどんぶりよりいいでしょ。
コマツ、トリコのエサ入れ同様にカリカリを入れて床に置く。
「よかったらお食べ」
長毛君は数回匂いを嗅いでから口をつけた。もしかしてキャットフード嫌い? でも食べてるってことはそこまでではないんだろうか。……食べてるからいいや。
猫たちの食事の音を聞きながら、私も食卓に着いた。ほんの二週間前とは、全く違う食卓だった。