連れていきました
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コマツが連れてきた大きな猫君、トリコも家で世話をすることにした。と言うことは、だ。色々と必要な物が出てくるわけで。えさ入れとかキャリーとか? あとあの食べっぷりを見る限り絶対えさの減り早いぞこれ。買い足さねば。わー、一人で運べるかしら。あ、そうだ猫用シャンプー買わないと。
出掛ける支度をしながら必要な物をぶつぶつ唱えた。そういや最近独り言増えたな。おばさん化してるのかな。ヤダヤダ。
買う物の確認したし戸締まりもしたし、いざ行かんと気合いを入れて外へ出ようとしたら足元にまとわりつく気配。
「どうしたお二人さん? 外へ出たいのかい?」
足元をウロウロしながらこちらを見上げてくるコマツとトリコ。まぁ、買い物に行ってる間家の中に閉じこめておくのもなぁ……。そんなに時間は掛けないつもりだけど、退屈だよね。しかしとりあえず外へ出ないことにはどうにも出来ない。猫たちを踏まないように気を付けながら玄関の戸を開けた。しかし、てっきり勢いよく駆けて行くものだと思っていた彼らは変わらず足元にいる。歩いて移動すればそちらへついてくる。なんだこれ。
玄関に鍵を掛け、家の敷地から出てもなお猫たちはついてくる。軽くカルガモ親子状態なんだけど。しばらく移動してもまだついてくる。行く方向が同じにしたって流石に限度がある。
体の向きを変え、後ろを向きながら歩く。
「……もしかして、一緒に行きたいの?」
まさかと思って聞いてみれば、ニャーという返事と共にトリコがタックルかましてきた。何とか受け止めてやると肩によじ登るトリコ。重いって。
「よーし分かった。コマツも来いっ!」
さあ来いと腕を広げて受け入れ態勢をとればコマツもジャンプして飛び込んできた。まったく、可愛いんだからお前たちはっ。
大人しくしててね、とトートバッグの中にコマツを入れる。粗相はしないはずと信じてる。中から顔と前足だけ出してる様が非常に可愛い。
ついて来たいというのなら仕方ない、連れて行こうじゃないか。あ、そうだ、ついでにトリコの健康診断もしてもらおうかなぁ。
ペット用品店のドアを開けると、以前と同じ店員さんが仕事をしていた。彼と挨拶を交わして、店内を見て回る。さて、トリコにはどれがいいだろう。最悪、ホンニンに聞こうかとも思ったけど、なんだかここに来てからそわそわ落ち着きがないのでそれは諦めた。病院の匂いでもするんだろうか。やっぱ嫌なのかな。まぁ適当でいいや、と商品を次々籠に放り込む。
そろそろ腕が疲れてきた頃、隣の病院とを繋ぐ扉が開いた。そこから現れたのは黄緑のリーゼント。
「あれぇ、来てたんだ? いらっしゃい」
「こんにちは。住人が増えたのでちょっと買い物に」
「その肩に乗ってる?」
「そーです。昨日から家に来てて、さっきウチの子になりました」
「へぇ~。名前とかもうあるの?」
「トリコって付けましたけど」
「!」
「? 何か?」
「ああ、いやいや、なんでも。何かあったらいつでも来るといい。かかりつけの獣医として力になるぜ」
「はい。でも、出来るなら病院にお世話にならないのが一番なんですけどねぇ」
「それもそうだね。あははは」
この先生、真面目なんだか阿保っぽいんだか時々わからなくなる。腕は確かみたいなんだけどな。治療の手際良いし。
「あー、そうだ。健康診断お願いできます?」
「ん?君の?」
マジな顔して私を指さしてきた。へし折っていいかな。
「いいえこっちの。」
ずい、と肩に乗っていたトリコを差し出す。まったく、笑えない冗談だ。
「そりゃそうだよねぇ。OK、預かるよ」
どことなく残念そうなのがまたイラッとするのは何故かな。
「ついでにコマツ君も一緒にどうよ?」
「あー、じゃあお願いしようかな。ケガも治って元気いっぱいですけど」
いい子に検診受けといで、と二匹を先生に預け、買い物続行。二匹とも先生を前にしてがっちがちに固まってた。コマツは相変わらずだけど、トリコもか。体が大きくても苦手なものは苦手、か。可愛いったら。
終わったら呼ぶから、と言われたので会計を済ませて病院の方の待合室で待っていた。この前来た時もそうだったけど、他の患者さんいないんだよね、ここ。あ、この場合患畜か。前は時間が遅いせいかと思ったんだけど、この時間にいないのは問題だと思う。ここの経営、大丈夫か? まあ、この大量の荷物を持った姿をほかの人に見られたくはないから好都合なんだけど。(そんなつもりはなかったのに結構な量になってしまった)
それほど待つこともなく、先生は出てきた。
「はーい、お待たせ。終わったよ」
「ありがとうございました。ちゃんといい子にしてました?」
「してたしてた。もー、聞き分けよくて助かるわマジで」
……この様子からして、よっぽど聞き分けない子の相手をしたことがあるんだろう。大変だな獣医さんも。
先生に抱えられている二匹に向けて腕を広げると、勢いよく飛び込んできた。うわー、幸せ。
「よく懐いてるねぇ」
「そうだと嬉しいんですけど」
「オレが保証するって。君によく懐いてる」
そう聞いて悪い気はしない。確かに、懐いてくれているように感じていた。でも猫ってもっと気まぐれなイメージだったんだけどな。町内のいろんなところに別宅持っててさ、いろんな名前持ってて。こんなに懐いてくれるとは正直思ってなかった。嬉しい想定外。
「これからも仲良くしてやってよ」
まるで身内のような先生の言葉に、舞い上がっていた私は素直に頷いたのだった。
出掛ける支度をしながら必要な物をぶつぶつ唱えた。そういや最近独り言増えたな。おばさん化してるのかな。ヤダヤダ。
買う物の確認したし戸締まりもしたし、いざ行かんと気合いを入れて外へ出ようとしたら足元にまとわりつく気配。
「どうしたお二人さん? 外へ出たいのかい?」
足元をウロウロしながらこちらを見上げてくるコマツとトリコ。まぁ、買い物に行ってる間家の中に閉じこめておくのもなぁ……。そんなに時間は掛けないつもりだけど、退屈だよね。しかしとりあえず外へ出ないことにはどうにも出来ない。猫たちを踏まないように気を付けながら玄関の戸を開けた。しかし、てっきり勢いよく駆けて行くものだと思っていた彼らは変わらず足元にいる。歩いて移動すればそちらへついてくる。なんだこれ。
玄関に鍵を掛け、家の敷地から出てもなお猫たちはついてくる。軽くカルガモ親子状態なんだけど。しばらく移動してもまだついてくる。行く方向が同じにしたって流石に限度がある。
体の向きを変え、後ろを向きながら歩く。
「……もしかして、一緒に行きたいの?」
まさかと思って聞いてみれば、ニャーという返事と共にトリコがタックルかましてきた。何とか受け止めてやると肩によじ登るトリコ。重いって。
「よーし分かった。コマツも来いっ!」
さあ来いと腕を広げて受け入れ態勢をとればコマツもジャンプして飛び込んできた。まったく、可愛いんだからお前たちはっ。
大人しくしててね、とトートバッグの中にコマツを入れる。粗相はしないはずと信じてる。中から顔と前足だけ出してる様が非常に可愛い。
ついて来たいというのなら仕方ない、連れて行こうじゃないか。あ、そうだ、ついでにトリコの健康診断もしてもらおうかなぁ。
ペット用品店のドアを開けると、以前と同じ店員さんが仕事をしていた。彼と挨拶を交わして、店内を見て回る。さて、トリコにはどれがいいだろう。最悪、ホンニンに聞こうかとも思ったけど、なんだかここに来てからそわそわ落ち着きがないのでそれは諦めた。病院の匂いでもするんだろうか。やっぱ嫌なのかな。まぁ適当でいいや、と商品を次々籠に放り込む。
そろそろ腕が疲れてきた頃、隣の病院とを繋ぐ扉が開いた。そこから現れたのは黄緑のリーゼント。
「あれぇ、来てたんだ? いらっしゃい」
「こんにちは。住人が増えたのでちょっと買い物に」
「その肩に乗ってる?」
「そーです。昨日から家に来てて、さっきウチの子になりました」
「へぇ~。名前とかもうあるの?」
「トリコって付けましたけど」
「!」
「? 何か?」
「ああ、いやいや、なんでも。何かあったらいつでも来るといい。かかりつけの獣医として力になるぜ」
「はい。でも、出来るなら病院にお世話にならないのが一番なんですけどねぇ」
「それもそうだね。あははは」
この先生、真面目なんだか阿保っぽいんだか時々わからなくなる。腕は確かみたいなんだけどな。治療の手際良いし。
「あー、そうだ。健康診断お願いできます?」
「ん?君の?」
マジな顔して私を指さしてきた。へし折っていいかな。
「いいえこっちの。」
ずい、と肩に乗っていたトリコを差し出す。まったく、笑えない冗談だ。
「そりゃそうだよねぇ。OK、預かるよ」
どことなく残念そうなのがまたイラッとするのは何故かな。
「ついでにコマツ君も一緒にどうよ?」
「あー、じゃあお願いしようかな。ケガも治って元気いっぱいですけど」
いい子に検診受けといで、と二匹を先生に預け、買い物続行。二匹とも先生を前にしてがっちがちに固まってた。コマツは相変わらずだけど、トリコもか。体が大きくても苦手なものは苦手、か。可愛いったら。
終わったら呼ぶから、と言われたので会計を済ませて病院の方の待合室で待っていた。この前来た時もそうだったけど、他の患者さんいないんだよね、ここ。あ、この場合患畜か。前は時間が遅いせいかと思ったんだけど、この時間にいないのは問題だと思う。ここの経営、大丈夫か? まあ、この大量の荷物を持った姿をほかの人に見られたくはないから好都合なんだけど。(そんなつもりはなかったのに結構な量になってしまった)
それほど待つこともなく、先生は出てきた。
「はーい、お待たせ。終わったよ」
「ありがとうございました。ちゃんといい子にしてました?」
「してたしてた。もー、聞き分けよくて助かるわマジで」
……この様子からして、よっぽど聞き分けない子の相手をしたことがあるんだろう。大変だな獣医さんも。
先生に抱えられている二匹に向けて腕を広げると、勢いよく飛び込んできた。うわー、幸せ。
「よく懐いてるねぇ」
「そうだと嬉しいんですけど」
「オレが保証するって。君によく懐いてる」
そう聞いて悪い気はしない。確かに、懐いてくれているように感じていた。でも猫ってもっと気まぐれなイメージだったんだけどな。町内のいろんなところに別宅持っててさ、いろんな名前持ってて。こんなに懐いてくれるとは正直思ってなかった。嬉しい想定外。
「これからも仲良くしてやってよ」
まるで身内のような先生の言葉に、舞い上がっていた私は素直に頷いたのだった。