Chapter.2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝食を済ませ、全員がこの国で一般的な服に着替えた後に玄関前に集まった。
男性陣はパーカーやカットソーにパンツスタイル。蘭は嵐からワンピースを借りた。嵐ならばよく似合うだろう所謂大人っぽいシルエットに気後れした蘭だったが、こんな我儘は失礼極まりない、と覚悟を決めた。
蘭が元々着ていた服装であれば、そのままこの世界を歩いていたとしても違和感はないだろう。しかし今回は雨に濡れたこともあり洗濯へ回されてしまった。
今まで、制服以外のスカートを穿く機会の少なかった蘭にとっては、何とも言えない感覚だった。どうしても足元がスースーとして落ち着かない。まさか男物を貸して欲しいとも言えず、レギンスを重ね穿くことで何とか自分を誤魔化した。しかし所作の面で不安が残り、蘭は昨日とは別の意味で緊張していた。
「つうわけで、部屋ん中でじっとしててもしゃあない。サクラちゃんの記憶の羽根を早よ探すためにも、この辺探索してみいや」
「はーい」
「はい」
ファイ、モコナ、小狼、蘭が返事をする隣で黒鋼は些か不服そうではあったが、同行はするようだ。
〝顔は隠さんのか〟
「うん。この服じゃ違和感あるだろうし。キャラ被るし」
〝?〟
蘭の言葉の意味が分からず首を傾げるタオ。蘭はそのうち分るよと笑っていた。
「まぁ隠していたいのが本音だけどね。すぐカオに出るから」
〝蘭……〟
「おっと! わいはそろそろ出かける時間や。先生が遅刻したらしゃれにならんでー」
歩いてみれば巧断のことも分かるはずだという空汰の言葉に小狼は頷く。そしてその視線は、サクラが寝ている部屋の窓へと向いた。
「サクラさんは、私が側にいますから」
「……はい」
一度も目を覚まさないサクラのことは心配だが、彼女のためにも、羽根を探さなければならない。
「その白いのも連れていくのかよ」
「白いのじゃない――モコナ―――!」
得体のしれないモコナの同行に思うところがあるらしい黒鋼に“白いの”呼ばわりされたモコナはそれが不満らしくファイの肩からばっと飛び掛かる。
「来んな!」
「モコナ、連れてかな羽根が近くにあっても分からんからな。大丈夫、だーれもモコナをとがめたりはせん。つうかこの世界ではありがちな光景やさかいな。たぶん、タオも喋って大丈夫やで」
〝それは有難いな〟
その後、空汰から昼食代の入った蛙の財布を小狼が受け取り(そのやり取りの際にひと悶着あり)、一行は町へとくり出した。
男性陣はパーカーやカットソーにパンツスタイル。蘭は嵐からワンピースを借りた。嵐ならばよく似合うだろう所謂大人っぽいシルエットに気後れした蘭だったが、こんな我儘は失礼極まりない、と覚悟を決めた。
蘭が元々着ていた服装であれば、そのままこの世界を歩いていたとしても違和感はないだろう。しかし今回は雨に濡れたこともあり洗濯へ回されてしまった。
今まで、制服以外のスカートを穿く機会の少なかった蘭にとっては、何とも言えない感覚だった。どうしても足元がスースーとして落ち着かない。まさか男物を貸して欲しいとも言えず、レギンスを重ね穿くことで何とか自分を誤魔化した。しかし所作の面で不安が残り、蘭は昨日とは別の意味で緊張していた。
「つうわけで、部屋ん中でじっとしててもしゃあない。サクラちゃんの記憶の羽根を早よ探すためにも、この辺探索してみいや」
「はーい」
「はい」
ファイ、モコナ、小狼、蘭が返事をする隣で黒鋼は些か不服そうではあったが、同行はするようだ。
〝顔は隠さんのか〟
「うん。この服じゃ違和感あるだろうし。キャラ被るし」
〝?〟
蘭の言葉の意味が分からず首を傾げるタオ。蘭はそのうち分るよと笑っていた。
「まぁ隠していたいのが本音だけどね。すぐカオに出るから」
〝蘭……〟
「おっと! わいはそろそろ出かける時間や。先生が遅刻したらしゃれにならんでー」
歩いてみれば巧断のことも分かるはずだという空汰の言葉に小狼は頷く。そしてその視線は、サクラが寝ている部屋の窓へと向いた。
「サクラさんは、私が側にいますから」
「……はい」
一度も目を覚まさないサクラのことは心配だが、彼女のためにも、羽根を探さなければならない。
「その白いのも連れていくのかよ」
「白いのじゃない――モコナ―――!」
得体のしれないモコナの同行に思うところがあるらしい黒鋼に“白いの”呼ばわりされたモコナはそれが不満らしくファイの肩からばっと飛び掛かる。
「来んな!」
「モコナ、連れてかな羽根が近くにあっても分からんからな。大丈夫、だーれもモコナをとがめたりはせん。つうかこの世界ではありがちな光景やさかいな。たぶん、タオも喋って大丈夫やで」
〝それは有難いな〟
その後、空汰から昼食代の入った蛙の財布を小狼が受け取り(そのやり取りの際にひと悶着あり)、一行は町へとくり出した。