Chapter.0
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
花月を抜いた瞬間に『とうぜんだろう』という声が聞こえた後のことは、よく覚えていない。気が付くと、あいつらの身体が部屋中に転がっていて、その真ん中で花月を握ったまま立っていた。帰って来てすぐ、着替えておくべきだった。ブレザーとスカートに酷い染みが付いている。この様子ではブラウスもダメそうだ。
ああ、どうやって後始末しよう。全部勝手に消えてくれるのかな。跡形もなく、無かったことにならないかな……。
「……ハッ……ハッ……ハッ……ッッ」
とても立っていられなくて、おぼつかない足でどうにか壁際までたどり着き、肩をぶつけながらズルズルとその場に崩れ落ちた。心臓が痛い。肺が痛い。息をするのも辛いけど、身体に傷はないらしい。真剣なんて初めて抜いたはずなのに、ずいぶん派手な立ち回りをしたようだ。
「……なに、やってんのさ……」
微かに笑いが込み上げてくる。過度な疲労感と吐き気で頭が働かない。
チキ、と手中の花月の鍔が鳴る。握っている感覚はほとんど無く、持ち上げる力も残ってない。
今こうして生きてるってことは、認められたと捉えていいのだろうか。正直死にそうだけど、生きてるもんな。そういうことにしておこう。
今一度部屋の中へ視線を向けるが、焦点が合わなくなってきた。瞼を開けていられない。自分の荒い呼吸音が遠くなる。
――何でこんなことになったんだろう。何がどうしてこうなった。分からない。分からない。侑子さん、もしいらっしゃるのなら、この羽根だけでも、安全なところに……。
意識が闇に飲み込まれる。完全に手放す直前、タオがすり寄ってきてそれから、身体が穴に落ちるような感覚がした。
ああ、どうやって後始末しよう。全部勝手に消えてくれるのかな。跡形もなく、無かったことにならないかな……。
「……ハッ……ハッ……ハッ……ッッ」
とても立っていられなくて、おぼつかない足でどうにか壁際までたどり着き、肩をぶつけながらズルズルとその場に崩れ落ちた。心臓が痛い。肺が痛い。息をするのも辛いけど、身体に傷はないらしい。真剣なんて初めて抜いたはずなのに、ずいぶん派手な立ち回りをしたようだ。
「……なに、やってんのさ……」
微かに笑いが込み上げてくる。過度な疲労感と吐き気で頭が働かない。
チキ、と手中の花月の鍔が鳴る。握っている感覚はほとんど無く、持ち上げる力も残ってない。
今こうして生きてるってことは、認められたと捉えていいのだろうか。正直死にそうだけど、生きてるもんな。そういうことにしておこう。
今一度部屋の中へ視線を向けるが、焦点が合わなくなってきた。瞼を開けていられない。自分の荒い呼吸音が遠くなる。
――何でこんなことになったんだろう。何がどうしてこうなった。分からない。分からない。侑子さん、もしいらっしゃるのなら、この羽根だけでも、安全なところに……。
意識が闇に飲み込まれる。完全に手放す直前、タオがすり寄ってきてそれから、身体が穴に落ちるような感覚がした。