hpmi
午後のバイトを終えて途中のコンビニで弁当を買って帰宅は何時もの時間。ルーティンのような毎日を過ごして日々を淡々と生きているけど生きていければいいなんてこの先の未来に変化を欲しがらないちょっとつまらない奴だと実感はしている。でもこれでも満たされてはいて何故なら俺の周りには非日常な物語に出てきそうなカッコいい人達が俺なんかにも接してくれる。自分が彼等の物語に入る事は無くてもモブでもなんでも話せるだけで凄いと思いたかった。
家に帰れば脚はむくんでいて椅子に座り脚を伸ばして休んでいると甘い物が口にしたくなりお菓子は無いからココアでも飲もうと台所へと行く。その間に大切な事を思い出して俺は急いでラジオをつける。丁度MTCのラジオ番組が始まっていたのか司会の女性の声が響きMTCの三人と挨拶を交わしている。
ココアをテーブルの上に置いてラジオに耳を傾ける。始まってラップバトルについての情報や彼等のバトルに臨んだ感想やこれからの意気込み等を流れるように話したら今度は何時もの質問コーナー。今日はどんなファンからの質問が飛び出るのか音量を大きくしようとすると理鶯さん、銃兎さん、左馬刻さんの順で最後に左馬刻さんの番になる。質問者のレターを読み上げる司会者。
「私は左馬刻さんのバトルしてる姿と声が好きです。左馬刻さんの強さの秘訣はなんですか」
「秘訣っつーか目の前の奴に負けねぇっつぅ強い心とメンバーとの絆だ」
絆かぁ。負けない思いっていうのは絶対あるとは思ってたけどやっぱりどこのディビジョンもメンバーの事想い合ってて毎度良い事言うんだよなぁって思う。本当に絆の力は強くなる糧なんだろうな。
「さすがですね。次の質問いきますね。S県のA.Aさんからです。左馬刻さんはどのような女性が好みですか?」
よくある質問が来るとは思っていたのか聞いていた銃兎さんがマイク越しに微笑する。確かにこれは思わず笑ってしまう女性らしい質問だ。ストレート過ぎるというか。
「この手のは来ると思っていました」
「左馬刻に特にな」
「好み、あるっちゃあるが」
皆が質問を答える側の続く左馬刻さんの言葉を待っている。
「俺は本当に好きな奴は時間次第で自然にくっつくと思ってる。愛にこれっつぅ決まりはねぇしな」
作ったアイスココアを掻き混ぜながら彼の言葉を聞いて笑みが浮かぶ。時間とか自然体とか彼には少し意外なような返しだなと思ってしまう。どこか現実離れしたはっちゃけてる彼等から普通の恋愛話が出るとは思わなかったのもある。
ラジオが終わりレンジで温めていた弁当を取り出して食べ始める。改めて人気者って凄いなぁって思いながらも彼等がラジオで話してる
姿を想像してみる。何だろな想像したら会いたくなってきた。それでも俺は彼等の一個人のファンなんだよなって思い知らされる。
弁当を食べながらの静かな空間にスマホの着信が入る。出ると左馬刻さんからだった。
「左馬刻さん?」
「ベランダに来い」
言われるまま食べ残しのご飯を食べていた手を止めてベランダに行くと彼がアパートの電灯の下にいるのを見つける。スマホを耳に当てて「テレポート?」と驚いた声を出すと左馬刻さんはここからではよく表情が見えないが笑ってるようだった。
「すぐ近くにラジオ局があんだよ。どうせラジオ聞いてると思ってな」
「聞いてましたよ。恋愛質問の自然体の所良かったです」
「俺に恋愛語らせてそれが全てってわけじゃねぇよ」
二人で電話越しに笑い合う。ラジオ局で銃兎さんと理鶯さんと別れてここまで来たのかな。でも何で近くって言っても真っ先に俺の家に来てくれたんだろう。期待してしまうじゃないか。
「おら早く用意しろ。初なお前に教えてやっから」
「え、あ。今からですか!」
「期待してんじゃねぇよ。夜の散歩だ」
期待してたことを否定は出来ないけど左馬刻さんも左馬刻さんだ。それっぽい事言っちゃうのもちょっと意地悪というか。でもそんな所も纏めて好きなんだろうな。それでも好きだからといって夜の散歩の誘いにはモブなりに出しゃばらないようにと心がけて楽しもうと思っていた。
(25.07.12)
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