hpmi
俺の仕事の時間に合わせて待っててくれた十四と空却と実を連れてよく空却達が行くという行き付けのファミレスに入ると早速テーブル席で空却達はメニューを決め出す。一番手早く決めた空却が注文を纏めてすると俺はセルフの珈琲を取りに行こうとしてやめて水にして戻って来る。本当はいつもの喫茶店のオーナーが淹れてくれる珈琲が良かったんだが今日ばかりは時間と場所の都合でやむを得ない。暫くして配膳ロボが料理を持ってくるとそれをそれぞれの手元に配りロボは一旦離れる。
「で?どうするよ。実の学校での事件、俺が動いてもいいんだぜ」
「…その話ですが」
「相談やめる、なんて言わねぇよなぁ」
選んだ何時もの唐揚げ定食Aセットを食べながら空却は向かいの席の実に細目で視線を投げ掛ける。実は言い辛そうに「仕方ないじゃん」と言って空却から目を逸らす。
「大事になったら皆が損する」
「それは手前だけの判断であってクラスの奴らが全員その意見がどうかは別だろうが」
「そうかな…」
「でも、その考え分かるッスよ。俺も大事になっちゃうの怖いと思うし」
珍しくナポリタン単品では無くチーズハンバーグナポリタン入りにしている十四は実の意見を尊重するように気遣いの言葉を掛けている。空却はそれに納得がいかないのか十四のチーズハンバーグ片をフォークで刺して自分の口に持っていってしまう。
「てかよ、実。このままお前が何もしなかったら平行線になってお前の判断になるがそれで悔しくねぇのかよ」
「悔しいけど、それだけじゃ駄目だろ」
「それも分かります。って、ハンバーグ取り過ぎ!」
空却が実との会話に直直入ってくる十四にまたフォークで十四のチーズハンバーグを刺して空却は口の中に入れる。俺は水を飲みながら摘みセットのようなハムにサラダのレタスを包んで食べる。
実は集まってもらって相談にも乗ってもらって申し訳ないと思ってしまっているのかそれとも空却の意見に悩んでいるのか迷っているのか眉間に皺を寄せてさっきから自分の選んだものに手を付けてない。それに俺はここらで一言少しばかり言ってやるかと皿の端に箸を置いて実と目を合わせる。
「実が裁判を起こさねぇんだったら、俺もそれに従うぜ」
隣に座る実が俺を見てやはり未だに決心が揺らいでるような瞳を浮かべている。それ程学校で本当に上手くいってねぇんだなって分かる。学校が悪かったのか実が生徒と馴染めず上手くやっていけないのかもう少し様子見っていう判断もあるからそれでいくか俺自身も迷わされる。特にこういう優しい決断をする奴に限って後で損をする。どのパターンでもそうだった。
「俺、幸せ者だよ。だってこういう時に相談相手のいない人だっていると思うし…」
「………」
残り少ない料理を食べてた空却と十四が手を止めてしまう。実は慌ててそれを察したのかごめんなさいと謝る。空却は口の中に詰め込んでた唐揚げをよく噛んで飲み「気にすんなよ」と此奴にしては思いも寄らない意外な言葉が出てくる。
「テメェはテメェの人生なんだ。…皆が皆一緒なわけねぇだろ」
それでも十四は祖母の事を思い出したのか膝の上のアマンダをきゅと抱きしめて俯いたままでいる。実は空却に気遣ってもらったばかりでも十四に「十四くんごめんね」と言葉を掛けていて十四は切り替わるようにパッと笑顔に戻る。
「大丈夫ッスよ。あ、でも自分達、実さんに何かあったら何時でも相談乗るッスから。十四窓口何時でも開けてます」
「何だぁ?十四窓口?使えんのかそれ」
「使えます!あ、でも大した事は話せないかも」
「俺の方がずっと利用価値あんだろ」
十四と空却が何時もの調子に戻ってホッと安堵する。十四は前より虐めの出来事に引きづられないでいるようになったし、空却はそれよりも克服してる。此奴もヒプノシスマイクを扱えるようになってきてから強くなってきたなと思う。実はそんな二人を見習って自分も強くなろうとしているのかさっきよりも明るい表情に戻る。
「ありがとな皆。俺、頑張ってみるよ」
「ああ、無理すんなよ」
実の肩に手を乗せてポンポンと撫でると実は笑い掛けてやっと冷たくなってしまった料理を食べ始める。空却はデザートに手をつけ出していて抹茶餡蜜きな粉パフェなんて夜でしかもカロリーに響くもんオーダーし出して後で親父さんに叱られそうだなと思いつつもそこは気にしないようで今日も空却らしく我が道を進んでいた。
(25.06.29)
実際の公式様、原作者様、団体、会社、人物、事件、商物、場所、政治、組織等とは一切関係御座いません。政治組織の持ち出し、悪用、改変、閲覧はお止め下さい。
公式様や原作者様にご迷惑お掛けしていましたら申し訳ありません。