hpmi
何時も通りの午後。シブヤの街中を歩いているとドラマ撮影をしているのか大きなカメラや機材がセットされてて皆に注目の先にはテレビのCMとかでよく見る女優さんがいた。演技に集中して役に入り込んでいるのか丁度緊迫したシーンらしく共演している俳優と台詞を言い合っている。道行く人も足を止めてその演技に見入っててボクらも見ていると女優さんと男優さんの色々と恋愛の修羅場所のようで瞳に涙を溜めて声を張り上げていたり真剣そのもの。本場のドラマ撮影に居合わせて暫く俳優同士の二人だけの世界を一旦閉じるかのように「カット!」と監督の声が響く。
名演技だった女優さんはスタイリストさんやマネージャーさんと共に台本をもう一度見返しに来たのか椅子の上の鞄がある方へと移動する。その方向にボクらがいて帝統が意外にも前に出て話し掛けようとしている。女優さんは気付いて帝統の方に注目するとどうも二人のやり取りや雰囲気からして初めて会うようでも無さそうだった。
「どう元気してる?もう拾い食いはしてない?」
「してないです。何とか」
笑い合う二人にどういう関係なのか分からないけど帝統がここまで懐くのはきっと餌付けだなと察してその言い方もあまり失礼だから帝統を助けたくらいが無難だろうなと考えが纏まる。幻太郎も意外そうな顔をしていたが二人の会話が終わる頃には帝統の知り合いなんだと認識していてボクらは帝統の元に近付く。
「誰でも懐くってわけじゃ無さそうに見えたのに?」
「何だよ嫉妬か」
「違うよ。キレ―なオネーさん物にしてご機嫌そうに見えただけ」
「物?何の話してんだ。俺は感謝してただけだぜ?」
この様子じゃ帝統が感謝しなくてはいけない人は結構いそうだなと冗談っぽくない冗談が思い付くけどこういう意味合いの話題の締め括り方は好ましくないと思ったのでボクはこれ以上は話を変に広がらせないようにする。
撮影が再開するのかまた同じ位置につく俳優の二人。同じシーンを取り直しかな。大変だな、さっきのもう一回やるのか感情移入とかそんなに何度も同じやつ出来ないでしょ。でも女優さんは演技魂を見せているのかまた泣き出す。皆が見入っている。
「…勝ち目ないじゃん」
「は?」
「此方の話だよ」
少しでもあの女優さんと比べてしまってる自分に何でそんな事に至ったのか考えてみる。原因は帝統って事はちゃんと理解してるけどボクってばここまで帝統が異性と親密になってるの妬んだり女優さんに嫉妬したりとか何時もより感情的になり過ぎてるよね。
舐めてた飴がもう少しで小さくなりそうで何か小腹も空いたしここら辺で食事にするかと思いついて昼食にするよと告げる。帝統は指先を分かれ道の一つの方向へと向ける。
「何時ものファミレスはあっちだよな。今日は俺の意見でいくんだろ?」
「路線変更。うどんにする」
「麿は蕎麦が良いでおじゃ」
うどんと蕎麦は大体一つの店で食べられる所あるから二対一でボクの意見が通るなと思って油断してると帝統が「ファミレスでもうどん蕎麦食えんだろ」とか諦めが悪い。それに幻太郎が蕎麦だけのお店が良いんですよとか言ってきて一気に意見が三つに分かれてしまう。
「意見がバラバラだよ!一つにして!」
「じゃあサイコロに決めて貰おうぜ」
「ちょっと君達」
男優さんの方のマネージャーが近寄って来る。小声で言い合うボクらに指を口元に当てて静かにとジェスチャーしている。周りの見物者達も此方に注目してしまっていてこれはテイク3になってしまう予感がしてボクらは慌てて揃って謝る。それも意味が無く本当に撮り直しになってしまうとボクらはこの場から追い払われて溜息をついた。
(まさかシブヤ内で出禁場所が出来るなんて)
(またあの場所を通るのはちょっと難しいですねぇ)
(完全に終わるまで待つか)
(25.05.12)
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