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左馬刻の行きたがってた古着屋さんに行ってその後近くのカフェで珈琲一杯とケーキでティータイムしまたヨコハマの街を散策する。隣で歩いてる彼は目立つからすれ違う女性が皆珍しそうに私達を見るけど私が不釣り合いなのはよく自分でも分かってる。


「ケーキ美味しかったね」
「俺には甘過ぎたけどな」
「えー丁度良いじゃん。左馬刻の頼んでたケーキ、あれ当店一押しって書いてあったよ」
「あ?よく見てんな。メニューの字小っさかったから気付かなかったわ」
「ちゃんと選んでた?私の食べた苺タルトの味覚えてる?」
「珈琲が美味かったのは覚えてんな」


とか言ってさちゃんと私と交換し合ってケーキ食べて付き合ってくれたの分かってんだから。とは言い切らずに女子のグループが通り過ぎ様に左馬刻くんヤバいカッコいいとか連呼しててちょっと気分が逸れちゃうけどでも二人でデート出来てるだけ此方は幸せだった。
交差点を渡りきって曲がった視界の先には私もたまに行ったりしてる雑貨屋がある。そこは女子好みする物がほぼ売られてて今物凄く入って見に行きたいけど今日は左馬刻も一緒だから我慢しなくちゃと思ってたら左馬刻はその店の前で立ち止まって「入るか」と言ってくる。


「え、いいの?」
「その後俺に付き合うんなら入っていいぜ」
「入るかって今そっちから言ったじゃん」
「おら。いいから入れ」


左馬刻は扉に手を置いて開けると私を先に通して自分も後から入って来る。中に入ると少し改装したのか前より棚が整ってて分かりやすくなってた。そしてもう一つ気付いた事がある。今日はセール日だった。入り口の側にある手作りのカメのぬいぐるみを一つ手に取ってこれもセール品かなと見ていると左馬刻はそれの隣にある一回り大きなセピア調のピンク色のクマの人形を掴んで持ち上げる。


「これはセール品じゃないよさすがに」
「分かってる。つかセールに拘んならアクセサリーにしとけ」
「え?何で」
「お前、俺様の女になるからには少しはそういうの気にしろ」


左馬刻は私の腕を掴んでカメのぬいぐるみを戻させると、アクセサリー売り場に行ってそこのピアスとイヤリングの並んでる棚の前で立ち止まる。此等もセール品なのか思ってたより沢山種類があってその中の桜のイヤリングを手に取る。


「これ可愛い!」
「…イヤリングか。何でそれにしようと思った」
「え?春だから、丁度良いかなって」


左馬刻は小さく舌打ちする。え、何。舌打ちしないでよ。良いじゃん可愛いんだからさと思ってたら私の手に持ってるのを取り上げて戻す。今度は赤の硝子石のついたピアスを手に取ると左馬刻はそれも私の選ぶ物一つ一つジッと観察してるのかさっきから視線が集中してる。


「ピアスなぁ。開けてもいいんだけど親がね」
「はあ?」
「…まあ説得すれば大丈夫だろうけど、左馬刻が開けてくれると嬉しいし、助かるなぁなんて」
「………」
「左馬刻はピアス買わないの?」
「俺様はもっと高ぇとこで値の張るヤツ買うんだよ」


さすがと言うと左馬刻は横に見て笑って「で。どれにすんだ」と選択を催促してくる。私はイヤリングでもピアスでも無くピアスと同じメーカーの赤硝子石のネックレスを手に取ってこれにするとレジに向かう。左馬刻はすかさず財布を出そうとしてくるけど止めさせた。

外に出るともう夕焼け空で一日のんびりとそれでいて自分なりに充実した日を過ごせたなと小さく伸びて一息つく。茜空を見上げてる左馬刻の方を向いて楽しかったよと告げる。


「あ?これからだろ」
「え」
「この店に入る前に言ったよな。入るんなら俺に付き合えって」
「え、それって大人な展開の方ですか」


左馬刻はポカンとしてる私の耳を摘んでくる。唸ると左馬刻は笑って「まだ早ぇわ」と言って手を離しもう一件古着屋付き合えと言ってくる。王様のお気に召すままなんて言葉の返しが頭に浮かんだけど考えてみれば今日一日の殆どは私に付き合ってくれたんだよなと思って優しい彼にまた一つ嬉しく思うのだった。



(25.05.02~05.04)



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