hpmi
もうすぐクラスメイトの如月が出るスケボー大会が近いと聞いて放課後HR後に鞄の中に学習道具を詰め込んでいる如月に話し掛ける。スケボー大会が近いだろと言えば俺が来たらこう話し掛けられると構えていたように如月は俺の言葉に軽く言葉を返す。何だかどこか浮かないような表情をしていて「コンテスト観に行く」と続けて話すと一式を詰め終えた如月は鞄を持ち上げる。
「その気持ちだけで十分」
「何で?あ、もしかして…あまり自信無いとか」
背負おうとしていた鞄を置いて溜息をつく如月は俺を横に見てそういうのを本番前の選手に言うもんじゃないと言ってくる。俺はそれにごめんと今は謝る事しか出来なかった。思ってたより大会前で緊張していたのかもしれないし俺のせいで気分が害されたのかも。教室から素っ気なく出て行く如月の背を見送って俺も自分の鞄を肩にかけた。
***
如月には来るなとやんわりと言われていたけどどうしても行きたい感情の方が勝ってスケボー大会が行われる会場へと向かった。そこではスケボーを巧みに自分の一部のように扱う選手達の姿。でも緊迫としたピリピリした空気とかでは無い。どうやらもう既に大会の順位発表が終了しているようで貼り出されている発表結果を見ると一位の名前の所に如月の名前があった。それを見た途端に俺の中で如月がいかにスケボーの扱いが上手く上級者なのかが認識出来て唯開いた口が塞がらないでいたらスケボーを手に側まで歩んでくる人物に気付いて振り返る。如月で俺と目を合わせるなり「来たのか」と呟く。それでも結果を見た興奮は抑えきれなかった。
「凄ぇじゃん!一位だぞ!こんなに参加者いたのにその中でさ…」
「あーもう、デカい声であんま言うなよ」
「なんか奢るよ。優勝祝い」
奢ると自分から珍しい言葉が出たがそれに驚いているのは俺自身だけじゃなく如月もだった。如月は立て掛けてあるスケボーに手を乗せて身体をリラックスした状態でニヤリと笑んでくる。
「じゃあ俺と寝るか?」
「え。寝るって…眠いのか?」
最初何を言ってるのか少し分からなくて聞き返すと如月はスケボーに手をかけたまま俺から視線を逸らして笑いを堪えている。ボケるつもりとかは無かったのに自然とそんな空気になってしまっていよいよ意味が分からなくなってくる。
「ここまで鈍いと逆におとしたくなるな」
「え?」
「コーラ買ってやるから、二郎も何か飲み物買えよ」
スケボーを片手で持ち直し、如月は自販機立ち並ぶ広場へと行く。真顔から笑ってくれたのは嬉しかったけど何だこの自分だけ理解出来ずに取り残された感は。少し考えて言葉の意味を考えてみる。そこまで深く考え込まなくていいのか?…違うかな。もしかしてそっち方面とかかもしれないし。
前を向いてた如月が戻ってきておでこにデコピンしてくる。
「やっぱ鈍い」
俺のおでこを弾いて通り掛かった話し掛けてきたスケボー知り合いの友人か誰かにそれに挨拶をし返す如月。
スケボーの事とか如月の事まで全然分かったつもりの段階だけどでもここに来て良かったと思ってる。如月がスケボーして大会出てる所は見れなくても結果的に此方まで嬉しくなれたから。
(25.02.01)
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