hpmi
ここ暫くシブヤで会ってなかった乱数が元気してるか連絡してみたら今はアキハバラでプチ体験してるよと予測もしなかった返事が返ってきて戸惑う。アキハバラといったらアニメやヲタクの聖地だけれどそれ関係ですかと更に聞いてみれば肯定の言葉。アニヲタとアキハバラといったらあれしか無いだろうと直ぐにそこから理解に結びついて答え合わせをして納得する。
「まさかなー。乱数がメイド喫茶にいるとはな」
帝統にも乱数から入手した喫茶店の情報を教えそれを頼りにそのメイド喫茶を調べて二人で向かってる途中帝統は通りを歩き抜けながら呟く。帝統も帝統でギャンブルをやり込んでた筈なのに乱数と会ってない期間がそれなりに長かったからか心配そうにあっちから聞いてきたのだ。それをきっかけに私が電話をしたのだがまさか、そのまさかである。普段は服を作り込む乱数が逆に着る側になるのは乱数を近くで見てきた我々とて思いもよらずといった所だ。乱数と会ってない期間中にメイド喫茶を彼が体験した事が分かった時の帝統の表情といったらどこか浮かなさそうなものだった。きっと接客業を乱数がしている事が気に食わないのだろう。
例のメイド喫茶に着くと入店した途端に「お帰りなさいませ御主人様」とフリルのついた可愛らしいメイド服が似合う女の子が次々に声を掛けてくる。席に案内されて座りメニューを受け取った瞬間に乱数の声が横から掛かる。その方へ向くと期待を裏切らないような乱数の姿。目をパチクリさせてて驚いてるようだったけど私の隣にいる帝統を見て何となく彼の今の感情を察したのか気まずそうな表情を乱数も浮かべる。聞けば風邪を引いた知人のオネーさんの手伝いとの事。
「でもね。最初は面白そうだなって思ってたけどこうして人前に出るとね」
「似合っておりますよ」
「あはは…。あ、幻太郎は何の用で来たの?」
「笑かしに来ました」
「酷!」
「というのは冗談で。乱数の様子見と帝統くんが寂しがっていたので」
「ばっ、何言ってんだ!」
他所を向いていた帝統が此方に視線を戻す。それに私は笑って乱数はキョトンとした顔をしてそしてはにかんで笑む。
「帝統、寂しかったんだねー。よしよし、帝統好きー」
「あとですね。帝統くんが腹を空かせていたので」「なんだよー。ご飯目当てかぁ」
「ちげぇって」
帝統と乱数が目を合わせる。直ぐに恥ずかしそうに帝統の方から視線を俯かせるが小さく「会いたかった」と言う。それに乱数も笑みながら「ボクも」と答える。そんな初々しい二人を横に乱数の前のここの席を担当する筈だったメイドが置いたメニューを開きながらメイド喫茶と言えばオムライスだろなと声にすると乱数はセットで飲み物にハートストローが付くよと言ってくる。ハートストローとは何ぞや。少しだけ考えてみてハートの形をした一つのストローを左右側から飲むやつだと理解して帝統もそれが分かったようで誰がやるんだ等と三人で顔を見合うが私は首を横に振る。
「乱数と帝統でやるんですよ。私の方を見て言わないで下さいね」
「そんな事言わないで幻太郎もやろーよ」
乱数と帝統がまた目を見合わせる。さっきと同じく不機嫌そうな帝統の表情に乱数は間を置いて訂正してメニューを回収して立ち上がり料理を取りに行った。少しして料理を持って戻って来た乱数がオムライスと鮮やかなドリンクをテーブル上に置く。帝統は「マジでハートストローかぁ」とか今になって文句を言っていて私は携帯を取り出す。
「えー。撮るの?やっぱりー?」
「嫌ならやめますよ」
「分かったよ…ほら、帝統。やるよ」
すんなり意を決した乱数に帝統も乱数の相手は他の人にはやらせるわけにはいかないと思ってるのか仕方なさ気に付き合ってストローを二人くわえるがカメラを構えた瞬間に素早く二人ストローから口を離す。ブレブレ写真になったと伝えると帝統が頭を掻いて唸り出す。
「ハズいに決まってんだろ!」
「ボクとだから?」
「そうじゃねぇけど!ストローでやる方が何倍もハズいの増すんだって!」
「じゃあ直でいきますか?」
「ここで今は出来るわけねーだろが!」
帝統が忙しく表情を変えながら声を張り上げる。それに乱数もうんうんと同意の声で頷いている。耳まで赤く取り乱している帝統がまた罰ゲームとかとは別の恥ずかしがり様を見せる姿が二人の恋愛の初々しさを表していてハートストローまではまだ早いのかもなんて思ったりしてしまうのだった。その前にここで堂々とイチャつけたらある意味勇者なのだけど。
(25.01.29)
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