hpmi
*エセ関西弁
今日は何の仕事も入っとらんかったからゆっくり出来る。せやから俺のマイハニーの美海ちゃんとベッドの中で引っ付いてこれでもかってくらいイチャつこうと思ってたんやけど。
「?」
いざ好きな女性を目の前にしてしかも薄着というおいしいシチュエーション付きという最高のチャンスに男というのは…俺というやつは中々手が出せへんもんで。
俺の腕の中ですやすやとまだ眠っているハニーを起こしてこのまま抱き潰したろう思てたりもするんやけどこれが上手くいかん。悶々と彼女の開けた胸元見つめていたらパチと目を開けて起きるマイハニーこと眠り姫。まだ眠そうな瞳で俺を見上げると起きて早々視界に俺が入った事が素直に嬉しいのか笑顔を向けてくる。そんで俺の首元に顔を擦り寄せてくる。
***
「で?そんで?」
「そんで…俺は自分がピーな事になってんのに気付いて美海を…」
「うん?」
「抱かずにトイレに行ったんや」
俺の話を横で頬杖ついて聞いていた盧笙がガクンとついていた手を崩すと、酒を一口飲んで「そないな事かと思たわ」とグサリと痛烈な一言。
話は変わってここはよく盧笙と来ている居酒屋。ここで俺の仕事のネタ見てくれたり愚痴聞いてくれたりして貰ってる。盧笙とはホンマにこの手の話題は喋りやすい。昔からの馴染みってのもあるがやっぱり波長が合っとるんや。一緒にまたコントしたいけどなぁ。
出来立ての焼き鳥串を店員のいるカウンターから近くのテーブル席の女子グループへ手渡ししてやると盧笙は「で?」とハニーとの不発話を蒸し返してくる。
「お前…そのままでええんか」
「よくない」
「じゃあ踏み出さな。いつまでも中途半端ってやつやで」
「簡単に出来たら苦労しとらんやん」
ガシガシと頭を掻き回す。盧笙の手の中の酒グラスの中身が揺れて飲み干す。ちょっとほろ酔いって感じやな。
「せやけど盧笙。あんなに俺と美海たんのお付き合い反対してたやん」
「んー?それは美海の年齢の事で反対してたんや。お前と歳の差やろ?だから美海がそれなりに大人の女になったら解禁ってやつと同じや」
「あーそういう事やったんか!」
「…せやのにお前らときたら。はあ、どんだけウブな恋愛しとんねん」
でかい溜息をつく盧笙。残りのつくね串に噛み付くと同居してるマイハニーの温もりと時折見せる肌の質感を思い出す。グッと拳を作ってもどかしさと悔しさを露わにすると盧笙は俺のグラスに酒をついでくれる。
「ゆっくりでええんやないか?お前と美海のペースでええんよ」
「盧笙」
「…ん?何や」
「いつもおおきにな。相談乗ってくれて」
笑顔を向ける。盧笙はそれにちょっと気恥ずかしそうに俺の顔の前で手をクロスさせて何かのポーズをとる。顔もほんのり赤いし。
「そのハンドサインええな。俺もやってええか?」
ニヤニヤと笑っていると、軽く頭の後ろを叩かれる。照れ隠しってやつか。
ちょっと面白くなって真似して手をクロスさせたら祭りとかでやる何とか音頭みたいな手になってしまって、盧笙はそれにツボに入ったのか笑いを堪えていた。
(24.07.04)
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