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医療品兼、食料品等も売っている近年便利になったチェーン店のドラッグストアに寄って行こうと車を走らせ男一人で店内に入る。中は冷房が効いていて涼むにはもってこいだった。早速安くなってる物は何があるか棚を見て周っていると視界に入ってきた存在に目を見張った。だってそこにはあの有名なシンジュクディビジョンの神宮寺寂雷先生とシブヤディビジョンの飴村乱数がいたからだ。二人はカートを押しながら、というより飴村が寄りかかりながら押している。シャンプーやリンス髪染めの前で一つ箱を手に取って直ぐに戻す。それに寂雷先生は「たまには黒く染めたらどうですか」と言っている。それに飴村は「冗談でしょ」とか笑っている…って俺二人の会話盗み聞きする気満々じゃないかよ。
飴村の興味が後ろの棚のボディソープに向けられる。色々なボトルを手に取って見たりしていて二つボトルを左右に持つとどっちにするかを迷っているのか、んーとか唸っている。


「ラベンダーの香りとバニラの香り。どっちがいーかなぁ」
「此方はどうですか」
「シャボン石鹸の香り…って。ダメダメそれは却下」
「好きに選べと言ったのは君でしょう」
「だからってこれはダメだって」


寂雷先生の手にあるのはよくCMで親子が使ってるシーンが流れる有名な赤ちゃんでも使える肌に優しいというボディソープで、それを見て飴村は頭をしきりに振ってもう二つくらい価格上のソープボトルを手に取る。


「せめてこっちにしてよ」
「石鹸が一番清潔感を出す香りなんですよ」
「でもさぁ…それはなぁ」
「こっちの方が10%増量で今だけ価格オフなんです」
「寂雷でも価格とか気にするんだ。…てか香り関係無いじゃん」


先生の手にある子供っぽいキャラクターの描かれているボトルを見て飴村は自分の選んだ香りが良くつきそうな商品ボトルを見下ろす。確かに男としてはシンプルな香りの方が合いそうだけど。飴村は特殊ギャルだからな。難しい二手分かれるチョイスだ。それに飴村も各々趣向が違って難しいと思ったのか更に唸る。


「もうやっぱり別々にしよ」
「それは許可出来ませんね」
「何で」


言いづらそうにしている寂雷先生。俺は何となくこの二人がそういう関係なら先生が何を考えてるのか分かる。でも飴村は分かってんのか知らないが種類数多くある棚をぐるりと見渡してそして寂雷先生に戻ってくると自分の持ってるボトルを棚に全部戻した。


「分かったよ、石鹸にする」
「無理に合わせなくていい」
「いいよ。同じじゃないと…同じでいたいし」


あ。何だ分かってんじゃん。先生の意図や想いに気付いたのかはたまたずっと前から気付いていたのかは謎だが飴村は頬を染めてカートをまた動かし出す。すると二人の世界を完全にタダ見していた俺は寂雷先生とバッチリ正面から目が合う。それだけで胸が高鳴ってしまう。男なのに!
近くのセール品の洗剤を肘でぶつけてしまい床に落として慌ててそれを拾って取り乱しながらも二人の前から素早く退散した。


視界の先にいた見知らぬ青年が何故か慌てていなくなり彼が倒した商品棚をきちんと直してあげていると飴村くんが笑う。


「どうしました?」
「別に。男でもボク以外に寂雷見て盛る奴結構いるんだなぁ〜って」
「…君だけですよ」
「じゃないと許さないもんねー」


飴村くんはカートに凭れ掛かりながら押して大してさっきの子を酷くライバル視する事もせずに次の買い物リストの商品らに興味を示していた。



(24.08.13)


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