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FPの三人が揃った時に夏バイト募集の冊子を見ていたら流れで夏になんかイベントみたいの欲しいよねって話になった。帝統が当てがあるって言い出して直ぐに幻太郎と声を揃えて却下した。だって帝統の選んでくるバイトって何時も闇バイトなんだもん。でも帝統は自信あり気に机の上に僕達が見ていた冊子の上に自分の持ってきていたチラシを乗せる。ちょっとクシャクシャになってたけど見てみると市民プールの大掃除のバイトだった。最初は目の前にいるギャンブラーが本物かどうか疑った。だって帝統から掃除って言葉が出ると思わなくて。幻太郎がチラシを見てまともな仕事か確認する。市民プール掃除とうたって実は偽物でしたとかないよねって。でも本物のバイトらしくて幻太郎はチラシからニコニコしてる帝統を見て帝統の頬を抓る。


「いででで!本物だって!」
「何も企んでませんね。…どうします?乱数やりますか?」
「んーやろっかな。プール綺麗になってもらいたいし」



話し合いの結果こうして我々の市民プール掃除は確定した。そして掃除の当日の今に至る。照り付ける太陽の下で汗だくになりながらシャツと短パンのラフな姿で日除け対策や水分補給をしっかりしながら指定された子供用プールの掃除をしている。大きさとしてはそこまで大変そうでもないと思ったのにいざプール内に入ってどれくらい汚れているか見ると中々に厄介な汚れの染みが点々とある。
黙々と手で壁を擦っている幻太郎と僕とは対に帝統は自分で見つけてきた仕事なのにこうなると思わなかったのか早くも根をあげていた。デッキブラシを手から落としカランと音が響く。


「やってらんねぇ!こんなの落ちる訳ねぇだろ!」
「確かに、これはしつこい汚れですね」
「じゃあそんな時はコレ!」


んん?と僕が来る前に編んであげた自身の髪を弄っていた帝統が此方を向く。僕はビニールバッグの中から持ってきた「例の物」を取り出すとそれを二人にお披露目する。


「ピカピカよくとれール!これで頑固な汚れともおさらばだー!」
「凄ぇえ!って、こういうのがあんなら初めから出せよ」


文句を言っている帝統の擦っていた床の染みによくとれールの泡洗剤をふきかけると帝統はブラシで上から少し擦る。徐々に汚れがおちてくる。まさにマジックの代物。


「おおお!すげーけど、こんな優れもんどこで手に入れたんだ?」
「一郎から。何時もお世話になってるんだってー」
「凄いぞピカピカ!お前はエライ!」


ピカピカよくとれールを持ってる僕ごと抱き寄せてくる帝統。お互い汗っぽいのを気にせず頬づりしたり押し倒されたりしてきゃっきゃと何時もの戯れを開始すれば幻太郎がホースを引っ張り出して伸ばし床に転がったホース口を思い切り踏んで帝統の顔面に水をかける。


「ぎにゃ!何すんだ!」
「麿を差し置いてイチャつくなど以ての外」
「幻太郎もシュッてしてごらん?」


幻太郎にピカピカよくとれールを渡す。幻太郎半ば疑いの目を向けながら自分の担当していた汚れ部分に吹きかける。帝統と同じ様にジワジワとおちてくる。さすがの幻太郎も口元を緩ませる。


「クセになりますね」
「でしょー?」
「とにかくこのピカピカをかけまくるぜ!覚悟しろしつこい汚れ!」
「そうだー!覚悟しろー!」


裏技物を天に掲げて汚れをおとす宣言をしてしまった三人を他のバイト清掃員達やプール関係者の人達は見守りつつ微笑ましそうな笑みをこぼしているのだった。




(24.08.08)



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