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陽も翳ってきていよいよ夜に突入しパーク内のイルミネーションが灯り始める。ナイトパレードの場所取りをしている私達山田ファミリーと波羅夷ファミリーは地面にこのイベントの為に持ってきていたシートを引いてワゴンで買ったパークフードを食べながらアナウンスを待つ。その間にさっき空却くんが宙とアトラクションに乗ってる時に買ったらしい光るおもちゃを一郎くんとその息子の一夏くんが電源をつけたりして確認している。パレードに使うのかそれを初めて見た空却くんは不思議そうにしている。そして直ぐに興味を持ったらしく自分も手にしたいようで「これイかすな」と楽しそうにしている二人に言葉挟んで割り込んでいる。どこで買った?とか色々聞き出すものだから私が止めに入ろうとすると空却くんはやっぱり手に入れたくなったのか急に立ち上がって宙を連れてお店に買いに行こうとする。
「今からぁ!?無理だって。始まっちゃうよパレード」
「んだよ、宙が欲しがってんだろが」
「欲しいのは空却くんでしょ?もー我儘言わない」
私の一声にテンションを下げてしまう空却くん。もうそういうのも可愛いんだけど買いに行ける状況じゃないから難しいの分かってねと説得しようとすると一郎くんが光るおもちゃを一夏くんから受け取って空却くんに差し出す。そして前半と後半で分けて使おうぜと提案していると空却くんは一郎くんからおもちゃを奪う。まるでどこかのアニメキャラかのようだ。最後まで返してくれそうにないかなと思ってしまう。それを一郎くんも何となく察したのか苦笑いする。まだ薄っすら視認出来る視界の中で鞄からさっきここに来る前に一郎くんと一夏くんが買ったメダルをメダルアルバムに入れ始める二人に「これは何?」と聞いてみる。パーク内でしか買えないコレクション系のメダルなんだよと教えてくれると空却くんがそれにも興味を示し出しちゃって私を横に退かして目を輝かせている。確かにこれは凄い。殆どアルバムのポケットがうまってる。
「すげぇな、これどこで売ってた」
「これは一夏と俺の努力の結晶だからな。やらねぇぞ」
「ちっ、ヲタク」
「ヲタク上等」
喧嘩になるかなと心配したのもいらなかったようで空却くんと仲良く笑い合ったりしている。まあ私達ファミリーは初のインパだし仕方ないよな。
ますます夜が濃くなってくるとメダルアルバムを閉じる。パレードがもうすぐ開始のアナウンスがかかる。そうしてまもなくパレードフロートが流れてくる。凄く綺麗だ。
「綺麗だね」
「うん。あのフロートいいなぁ凄く綺麗」
「私はあれだなぁ。どれも綺麗」
「未夏も綺麗だぜ」
私と会話していた未夏さんの肩を抱き寄せて囁く一郎くん。未夏さんはもぉと言って恥ずかしそうにしていて多分というか完全に二人で惚気ている。それを見ているとおもちゃを手に同じく見ていた空却くんがこっちを向いているのに気付く。
「空却くんは言ってくれないの?」
「…こういうのは言えってせがむもんじゃねぇんだよ」
そう優しげに言うと私のおでこに軽くデコピンしてくる。寄り添って暗いのをいいことにイチャつき出した二人に空却くんは「いつもああなのかよ」と一夏くんに聞く。それに一夏くんは笑顔で頷くのだった。
(24.08.24)
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