hpmi (Ⅱ)


アキバで有名の執事喫茶が結構繁盛しているようでシンジュクまで噂が流れていた。一二三くんがそこの店員の一人と知人だとも聞いていてあまりに忙しいから人手が必要だと言っているようでその事を独歩くんと病院まで顔を見せに来てくれた時に話してくれて今度手伝う約束をしているらしい。独歩くんは一二三くんの執事服姿はしっくりし過ぎて違和感が無いだろなと呟くと一二三くんは何かを思い付いたように私達の目の前でスマホを出して誰かにメール文を打って送る。不思議そうに独歩くんは誰に送ったのか聞く。


「今言った執事喫茶で働いてる友人にな、あと二人ヘルプ連れてっていいか?って」
「二人?誰と行くんだ?」
「先生と独歩」
「はあ?!俺が接客業なんて出来るわけないだろ。先生だって忙しいんだぞ」
「営業やってるくせにそんなハードな業務こなしてんなら全然いけんだろ」
「俺がお帰りなさいませ御主人様とか言えるわけないだろ」
「お嬢様なー」


言い間違えた独歩くんの顔が真っ赤になり隣で笑ってる一二三くんをポカポカと軽く叩く。私はカルテを整頓しながら「面白そうですね」と言うと一二三くんはだしょ?とメールの返信を見てヘルプの了承を貰った事を告げる。

流れで執事喫茶に行く事になり何とか時間を作って三人で約束していた喫茶店に行くと一二三くんが自分のSNSで宣伝していたからか麻天狼推しの女性達が店前で集まってくれていた。
それから順調に始まった一日執事喫茶の仕事をこなして一時間程過ぎた時、独歩くんの仕事先の知人が来店してきて独歩くんがその娘の担当になる。するとどうだろうか。さっきまでスムーズに接客していた一二三くんに変化があり仕事に手がつかないようで独歩くんと知人の客が気になってるようだった。コップを拭きながら隣で表情を曇らせている彼。一二三くんとしては珍しいのかもしれないと思いながらも見守っているとあっという間に時間は過ぎていき執事喫茶の仕事は終わり今は私の車に二人を乗せて帰路の夜の街を走らせている。


「一二三、今夜は何作るんだ?」
「ジェノベーゼ」
「いいな。楽しみ」
「パクチー入り」
「余計なんだよ!パクチーはいらねぇって。どうしたんだ急に」


赤信号になり二人の様子をバックミラーで確認して眺める。一二三くんは独歩くんとわざと顔を合わせてないのか合わせるのが難しいのか窓の方を見つめている。


「俺っちは独歩と違って嫉妬なんてしないからな」
「それはもうしてるのでは」
「パクチー」
「入れるなって!…そりゃあ反省してるけどさでも」


ひたすら窓の方を見つめていた一二三くんが口ごもってる独歩くんの方をぐるんと体勢を変えて向くと独歩くんはそれに驚いているようで一二三くんは独歩くんの次の言葉を探している。


「…好きだよ一二三」
「当然だっての。他人の所に行ったら俺が許さん」
「心配すんなって。俺なんか…」


自分を何時ものように卑下し出した独歩くんの言葉が言い終わる前に一二三くんは独歩くんの指先に指先を絡めると自身の方に少し引き寄せる。近くなる二人の距離。


「一二三だけだよ」
「その言い方はやだ。俺はオンリーワンかもしれないけどさ」
「じゃあ…何ならいいんだよ」


初心なやり取りに耐えきれず私は笑ってしまう。それにさすがに気付いた二人は「先生笑いのツボに入っちゃっただろ」と慌てたように一二三くんが言う。独歩くんは謝ってくるがそれすらも何だか可愛くて信号が変わった車を右折させながらミラーに映る二人を見る。


「一二三くんと独歩くんを見てると何だか和みますね」
「先生もイイ感じに癒し系ッスよね」


癒し系と言って一二三くんは今日着た執事服も凄い似合ってましたと褒めてくれる。スマホで後で麻天狼のアルバム作りましょととも提案してくれて嬉しくなってくる感情に口元を綻ばせれば今日一日、充実した日になった事と二人の意外な一面が見れて良かったとも思うのだった。



(25.09.12)



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