hpmi (Ⅱ)
ヨコハマの火貂組の仕事で青のコレクターと呼ばれてる女の元に行く事になり屋敷へと向かえば壁や屋根が青一色で統一されてる外観からもう既に青が好きなのがよく分かる建物や屋根が目に入る。中に誘われるまま入れば思っていた通りの青一色の部屋ばかりで家具も何処からこんなに集めてきたのかってくらい青色で埋め尽くされている。この女が俺を呼んだのはちょっとした興味からだ。俺の苗字に「碧」がついているから。MTCのイメージカラーが青というのも関係してるかもしれねぇけどそれくらいで俺様を屋敷に招待するのはまあ何というかどうでもいいの一言で終わるようなどうでもいいものでしかない。だが火貂組の仕事の調査もあるし何かこの先あるといけねぇから行ってみたものの当の女は俺が長居すると思い込んでいるのか呑気にカクテルなど作り始めている。青の透き通った酒を飲み「で?」と話題を早急に終わりへと近付けていく。
「俺に興味があるのは名前に碧がついてるからだろ」
「最初はそうだったのですが」
「…興味が失せたならわざわざ話す事もねぇだろ」
「寧ろ前より惹かれているんです」
女は椅子に座らずに自分用の俺と同じカクテルを手に棚の方へと行くと青の馬の小さな置物を青の尖ったネイルのある爪先でつつく。俺はそれだけ見て腰を上げる。飲み終わったカクテルのグラスをテーブルの上に置くと「邪魔した」と建物から出ようとすると女もカウンターテーブルにカクテルを置いて青一色の名刺入れを取り出し中身を出してそれを俺に手渡してくる。碧木という苗字の女の名に自然と眉間に皺が寄る。
「また何時でもどうぞ」
女の口角がつり上がる。何時でもどうぞと言われても俺はこれ以上この女と関わっていたくはなくて何も答えずに青の屋敷から出て遠ざかる。こんな派手な女がここにずっと居座るとしても俺は関わる事はないだろう。
吸いたくなった煙草を出してライターで火をつける。そもそもこういう女は趣味じゃなかった。
***
その後火貂組の本部へと戻ると俺の部屋にMTC三人と湊で集まると銃兎が何気なく青のコレクターの女から貰った名刺を見つけてしまいそれを見て女の苗字に反応し話す事になる。
「碧木?左馬刻の親戚か何かか」
「違ぇよ。唯の青好きな女だ」
「ああ、随分前から俺も気になってた。あの建物は何故あんなにも派手に着飾っているのかと」
「左馬刻さん…その人と何度か会っているんですか」
話を静かに聞いていた湊が俺のマイクを手入れして布で拭いていた手を止めて此方を見上げる。その何処か心配気な不安気な視線に俺はあまり此奴を状況悪化させてしまう方向に持っていきたくなくて「悪い奴ではねぇよ。考え過ぎだ」と伝えてやる。それに湊はまだ心にモヤがかかってるのか手入れをしていた俺のマイクを手に俯く。
「俺、あの人と一度すれ違ってるかもしれないんです。その時…」
「何ですか。何か問題が」
「いえ…そうじゃなくて。結構前から左馬刻さんのこと興味持ってるみたいで」
「……」
「碧が同じだから、左馬刻さんもあの人の事」
声のトーンがどんどん薄れていく湊に隣に腰掛けて拭き終わったマイクを受け取って耳にかかる短い髪を指で梳くと耳をつねる。予想通りの反応をする湊。
「考え過ぎもいいとこだ。大体、苗字が似てるだけで俺様の共通点になんならその程度じゃ無理な話だぜ」
抓ってた耳を撫でてやると湊はその一言でさっきよりも安心したような顔つきになる。すると話を横で聞いていた銃兎が「湊さんの苗字も青山で青がつきますね」と気付く。それに今度は俺がどんどん心内がざわつきだして湊の耳から手を離して真正面に睨み耳元で叫ぶ。
「まさかあの女とデキてねぇよなァ?!」
「違います!」
「手前なぁ…狙われてんなら俺様が」
「苗字の青の共通点くらいと言うが、左馬刻と湊の共通点も同じような青では無いのか」
理鶯が最もな良い所を発見して、と言うよりさっきから何でその事には触れないんだと言う様な目で言うと俺は湊の耳にもう一度髪をかけて笑む。
「湊の場合、俺と両想いって所も共通点に入れておけよ」
「………」
「ンだよ。そのシケた面はァ」
耳を弄っている俺の手を掬って湊は指を絡ませると俺に抱きつく。小さな声で「左馬刻さん好きです」と言う湊に銃兎も理鶯も笑って俺達の絆に亀裂が入る事は無さそうだった。
(25.07.16)
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