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カラフルでデザイン様々な傘の通路を歩いて行く。天井や壁には個性的な傘がアーチのように飾られておりその中を今回のレイニーフェスタの企画者の泰雅と共に歩み自分のスマホで気に入った傘の所で泰雅と二人でツーショットを撮ったり自撮りしたりしながらフェスタ会場外だけでもうこの楽しみ様である。泰雅はそんなテンション高いボクを見てか「このデザイナー分かる?」とかデザイナーの言い当てっこの話題をふってこの場を更に楽しませようとしている。それに答えていれば直ぐに長かったアーチは途切れて会場内が見えてくる。まだ人が半分しか入ってない。これから始まるレイニーフェスタ。FPのフェスタだけど楽しみ過ぎて今からワクワクしちゃうな。


「凄かったね。よくあれだけのデザイナー集められたね」
「大変だったよ。あの数のデザイナーに協力してもらうの。でも企画が進められていくうちに俺自身も楽しくなってきてさ。最初はどうなるか分からない企画だったんだけど楽しめてるようで良かったよ」
「雨の時期にライブってのも良いもんだよね!今日は雨降ってないけど」
「はは…レイニーフェスタじゃなくサニーフェスタかな。これは」


雨の雫を掌を上にして受け皿にする泰雅に思わず笑って晴れてても雨でも楽しくなる企画をありがとうって泰雅にちゃんと伝える。泰雅はさっきからニコニコなボクを見て機嫌が良いのに気付いたのか「ライブ頑張れよ」と頭を撫でてくれる。今日の集客数はこの前より多くなるみたいだから。頭を撫でていた手が離れて泰雅は腕時計に目を落とす。その仕草にライブ準備の時間を気にしてくれているようだった。


「あともう少しだけど…」
「はあ?まだのんびり話してんのかよ」


横から声がして二人その方を向く。帝統がいて黄色の傘のデザインされたFPロゴのフェスシャツを着ていて何時もより涼し気だった。ボクはどこか帝統が苛々しているのを何となく理解する。


「もう帝統、そんな怖い顔しないでよ」
「してねぇって。企画者だか知らねぇが此方はライブ前なんだ。あまり振り回すなよ」
「振り回してないって。帝統怒っちゃメッ!」


やっぱりちょっと怒ってる帝統の前に指先を向けて何時もの調子で宥めると帝統は髪を掻き上げて小さく唸り出し泰雅に背をわざとらしく向ける。やっぱり帝統ってばちょっとオコだよ。


「分かったからライブの打ち合わせするぞ。幻太郎が呼んでる」
「うん」
「あと、そこの企画した奴」
「何?」


背を向けてても結局は泰雅の方へと身体を戻す帝統。何か言いたい事があるのか泰雅を見据える。


「六月だから白の衣装にしたのか」


帝統と目を合わせたままで泰雅はクスリと微笑してみせる。そして「そうだよ」と答える。それに帝統も納得したのかボクの傍に近寄って手を引いてくる。


「…まあいい。じゃあ乱数は連れてくぜ」
「行ってらっしゃい。頑張って」


笑顔で手を振っている泰雅から帝統は彼を横に見てボクの手を引いて歩き出す。泰雅が見えなくなると帝統は立ち止まってボクの手を離す。少し早歩きで歩いて蒸し暑いのか着ているシャツの襟首を扇いで誤魔化すような動作をしている。ボクはカラリと晴れ過ぎてる空に笑みを向ける。


「そっかぁ。白の衣装かぁ」
「…あのやろ、計りやがってよ」
「いーじゃん。たまにはフリングポッセもウェディングポッセになったって」


面白ければいいでしょと言うボクに帝統はボクの方を見て何か言いた気な目をしている。


「三人揃って白なんてカッコいいじゃん」
「…そうだな」


その反応だけで帝統の言いたい事が何となく分かった。泰雅の企画、ボクらの為を思ってなのもあると思うけど帝統としてはきっともっと違う形で見たかったものがあったと思う。でもこの企画は沢山の人がいっぱい頑張ってきた努力の結晶だからそれを帝統もきっと分かってる筈だ。会場に来てくれた人達と企画者の皆やステージに立たせてもらうボクらの為にも良い一日にしたかった。



(25.07.15)



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