第06話 守るべき者との契約
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コンラートSide ―――――
俺はイリヤの目が覚めるまで側に居る事をグウェンダルから許可されてずっと自室に居た。
まぁ、許可されなくてもそうするけどね(黒笑)
グウェンダルから聞かされたイリヤの出生についてや精霊使いとしての宿命はとても計り知れないものだった。愛しい婚約者の寝顔を見つめながら自分の中に湧き上がる愛しさにコンラートはイリヤの手をきつく握ると、自分の手を小さな力で握り返されハッとした。
コンラートはその力の主を見るとずっと閉じられていた瞼が薄く開いた。
コ「イリヤ」
李「……ん…コンラート…?」
コ「はい。どこか痛いところはありませんか?」
李「大…丈夫…だよ…?」
その言葉に安堵し、コンラートは肩をなで下ろすと美しい大きな瞳が自分を映した。
李「……此処は?」
コ「俺の部屋です」
李「コンラートの…?」
コ「はい」
李「そうか…俺、あのまま倒れちゃったのか…だせーな…」
ばつが悪いといった感じにイリヤは苦笑いをした。
コ「そんな事はありませんよ」
李「心配掛けてすまない」
コ「いぇ」
李「ユーリ達にも心配掛けたな…」
コ「イリヤ、貴方って人は…今は御自分の身体の事を考えて下さい」
李「あぁ…今、何時だ?俺はどれくらい寝ていたんだ?」
コ「まだ半日と言ったところでしょうか…今は深夜です。皆も暫く此処に居たんですが貴方がゆっくりと休める様に部屋から出てもらいました」
李「そうか…悪かったな」
コ「いいんですよ、特にギュンター辺りは貴方の目が覚めるまで此処に居たら貴方が目を覚ました時には汁塗れになってしまう」
李「あぁ…それは嫌だな…υ」
コ「ユーリ達には明日会えばいい。今夜はこのままもう少しゆっくり眠って下さい」
李「うん…コンラートは?」
コ「俺は貴方の側に居ますよv」
李「そうじゃなくて…寝ないの?」
コ「え…?」
李「だって…此処、コンラートの部屋だろ?」
コ「えぇ…」
李「俺が居て狭いかもしれないけど…」
そう言うとイリヤは身体をずらした。
コ「イリヤ?」
李「寝ないの?」
コ「一緒に?」
李「だめ?」
駄目なはずがない!イリヤが自分をベッドへ誘ってる。
↑意味合いが違う。
今日はイリヤの体調の事もあるから残念ながら事には及べないが、こんなチャンスを逃してなるものか!
あぁ、自分の部屋に運んで良かったv
コ「いいんですか?」
李「うん。いいよ…早く、寒い…」
俺の入れるスペースを空け温度の無い場所へと移ったイリヤが色っぽく上掛けをめくった。
↑コンラート・ビジョン
コ「イリヤv」
コンラートは早々と着替えを済ませ、ベッドで待つ愛しい婚約者をギュッと抱き締めた。
自分の腕の中に居る愛しい婚約者は弱々しい力ながらも背に手を回して自分を抱き返した。
李「コンラート、ありがとう」
コ「え?」
李「ずっと、側に居てくれたんだろう?ありがとう」
コ「はいv」
イリヤはそのまま俺の腕の中で再び眠りについた。
コ「おやすみなさいイリヤ」
イリヤが目を覚ましたのは次の日の夕方だった。
約丸一日寝ていたイリヤは頗る元気だった。
イリヤの様子を見て皆も安心した。
何故か今日もがっちりとイリヤの腰を抱くコンラッドの顔艶がえらく良かったのが気になったけど…兎に角、イリヤが元気で良かった。
李「いや~丸一日、何も食わないと流石に腹が減るな」
有「たっぷり食べてよ!大袈裟には出来なかったけど、いつものメンバーで今夜はイリヤの歓迎会だからさ!」
李「ありがとう♪あ、そうだ!ユーリ」
有「ん?」
俺がイリヤの呼び掛けに振り向くとイリヤが俺に手を差し出していた。
李「ほら、昨日は握手出来なかったから…」
少し顔を赤らめながら照れ臭そうにイリヤが言った。
可愛いなぁ~…。
おっと、コンラッドが俺の表情を伺っている…危ない、危ない。
有「うん。宜しくな!」
李「宜しく」
俺達は昨日、果たせなかった握手を交わし魔族のささやかな歓迎会が始まった。
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