第06話 守るべき者との契約
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ヨザックSide ―――――
陛下達が2回目の会合に向けて打ち合わせをしている間、俺は彼に付き添って中庭に来ていた。
この3日間の中で彼が気に入った場所の一つがこの中庭で、此処で咲く花を愛でては優しく微笑みまるで歌う様に草木に話し掛けている。それに答える様に花や草木も色鮮やかに輝いた。
こんなに麗しい彼に毎日愛でられるなら花や草木に生まれるのも悪くないと俺は思う。
細く美しい指先で花を撫でる姿に見惚れていると、俺の視線に合わせ彼が口を開いた。
李「ヨザックは打ち合わせに行かなくていいのか?」
ヨ「俺はお庭番ですし…閣下達や、ましてや陛下や猊下と御意見を交わすなんてとんでもないですよ」
李「そうか?でもあいつ等ならお前の意見も聞くんじゃないか?」
ヨ「…………」
李「特にユーリはな!」
ヨ「くすっ。まぁ…そうですね」
李「なんか可笑しいか?」
ヨ「いぇ、ただすっかり皆さんの事を解ってらっしゃるなと思って」
李「そうか?」
ヨ「はい。でも大丈夫です、御心配には及びませんよ。俺の気持ちはもう閣下達に伝えてありますし、陛下や閣下達が出した結論に俺は反論も異論もありませんから」
李「ふぅん」
ヨ「そ・れ・にぃ~グリ江はイリヤちゃんと一緒に居たいしぃ~♪」
李「いきなりカマ口調かよ…υ」
ヨ「だってぇ~あれ以来(朝風呂)なかなかイリヤちゃんと話す機会も無かったしぃ~眉間に皺を寄せた上司様や腹黒閣下達とむっさい中に居るよりは、こうして麗しいイリヤちゃんの側にいる方がグリ江幸せよv」
李「そうか…良かったな?」
いきなりカマ口調で話し出した俺に彼はその美しい顔を少し歪めた。
俺だって出来る事なら素の状態で話したいが、素のままでは感情を抑えるのがいっぱいいっぱいだ。他の世界になんか行かせたくないこのまま此処に居て欲しい。
自分の中に芽生えたばかりの恋心は芽生えたと同時に叶わぬ思いとしてこの胸にある。
ならば、せめて存在だけでも側に感じていたい。どんな立場でもいい、彼の中に自分の存在が在って欲しい。
李「俺も嬉しいよ」
ヨ「え?」
李「お前とこうして話してるのはとても楽しい」
ヨ「そ……っ、、あらっ。イリヤちゃんったら嬉しい事言ってくれるじゃな~いv もぅ、ホント可愛いv」
李「ぐえっ、ヨザック…苦しい…ギブギフ…」
嬉しかった…
例えどんな感情でも自分と一緒に居る事が“楽しい”と言われた事が何よりも嬉しかった。男として抱き締める事は出来ないけど、グリ江ちゃんとして抱きつく位は許してもらえるだろうか?
自分の目の前で楽しそうにはしゃぐ笑みは嘘じゃありませんよね?
この後、数時間後にいきなりサヨサラなんて言いませんよね?
ヨ「イリヤちゃん可愛いから、今度グリ江がドレスアップしてあげちゃうわv」
李「グリ江ちゃんが?」
ヨ「そうよンvイリヤちゃんの美貌ならグリ江のメイクアップで、地球のリベートに負けないくらいの特典を閣下達から出させちゃうわよv」
李「お~v それは良いな!」
ヨ「でしょv」
明日以降の約束なんて、ずるい手を使う俺を貴方は何の疑いもせずに笑って頷いてくれる。
貴方が嘘を吐かない事、俺は知っているから…どんな些細な約束だって取り付けたくなる。
ねぇ イリヤ…約束、信じていいんですよね?
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