第05話 ピエールと紐パンツ
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ユーリSide ――――――
昼食を済ませ、午後の執務をしている頃、ふと執務室の窓から外を見ると丁度、裏庭にいるコンラッドとイリヤの姿が見えた。
手を繋ぎながら仲良く花を観賞している。コンラッドの表情もさっきまでとは違い、とても柔らかくなった笑みを浮かべていた。婚約者の力は偉大だ、一瞬で相手を幸へも不幸へも誘う。
ヴ「幸せそうだな…」
俺が幸せそうな恋人達を見ていると、ヴォルフラムも同じところを見ていたらしく俺に言葉を掛けたまま目線は窓の外に向いていた。
有「ホント、ラブラブだよな…でも、コンラッドのあんな幸せそうな顔見たの初めてかも」
ヴ「そうか?お前と一緒に居る時も似た様な顔してるぞ?」
有「えぇ~?違うって、確かに俺と一緒に居る時もあんな風に笑うけど、何て言うか…こう、鼻の下がデレデレする様な事はないし」
「「なるほど…」」
魔族似てねぇ三兄弟の長男と三男がハモった。
暫く3人で執務室からコンラッドと李を見ていたが、ふと俺の脳裏に一つの疑問が浮かんだ。
有「なぁ、グウェンダル」
グ「何だ?」
有「もしも…もしもだよ?イリヤが眞魔国と契約しなかったら、あの2人ってどうなっちゃうの!?」
グ「…………」
そう…イリヤの性質の所為か、どうも色々な事を失念してしまう。
これだけ打ち解けたが、もしイリヤが眞魔国との契約を結ばなければこの関係も明日で終りだ。イリヤはこの国どころか、この世界から居なくなるだろう……だとしたら、婚約者であるコンラッドはどうなるんだ?
異世界同士で遠距離恋愛とか……?
遠距離恋愛にもほどがある!赤道どころか、時空を超えるなんて前代未聞だ!!
有「いや…俺はイリヤにずっと此処にいて欲しいよ、精霊使いとしても仲間としてもさ!けど、それはまだ確定してなくて、此処からイリヤが居なくなっちゃう可能性だってゼロじゃない訳だろっ!?コンラッドが眞魔国以外で暮らす事だって考えられないし、だとしたら…あの2人は…」
俺はグウェンダルに向けていた視線を窓の外の恋人達に戻す。
あの2人は今、どんな気持ちで互いを見つめ微笑んでいるんだろう……。
有「俺、今度は…今度はコンラッドに幸せになって欲しいんだ、ジュリアさんの時の様にコンラッドから愛しい人を取り上げたくない…」
グ「…………」
ヴ「…確かにジュリアはコンラートにとって大切な存在だったが、恋人ではない。同志だ、それにジュリアにはアーダルベルトという婚約者が…」
有「だからさ、もしかしたら婚約者がいたから自分の気持ちを言えなかったって事もあるじゃん?コンラッドはウェラー卿の姓を継いだから貴族じゃなかったし」
ヴ「まぁ…確かに、いくら母上が魔王でもコンラートの身分は僕達と比べると…」
有「だけどさ、今回はコンラッドが自分の気持ちを正直に出してるじゃん!半ば強引とも言える婚約とか、必要以上にいやらしい手付きで触りまくってるとか、自分以外の男への嫉妬を丸出しにブラックモードに入ったりとか!」
「「………υ」」
有「あぁ、これじゃフォローにならない…υと、兎に角、イリヤは、あのコンラッドが私欲を出しても側に居たい相手なわけだっ!」
グ「まぁな…υ」
ヴ「コンラートのイリヤへの執着は凄まじいモノがあるぞ…υ」
ヴォルフは午前中の災難を思い出し身震いした。
有「俺、イリヤが真剣に3日間考えたいって言ってくれた時、嬉しかったんだ。ちゃんとこの国を知ってから契約するかどうか決めるって、その間に自分の事も知ってくれって…イリヤの考え方が凄く嬉しかった」
ヴ「ユーリ…」
有「本当は…この3日間の間に水が涸れた村や泉も見てもらいたかったし、綺麗な所とか眞魔国の良い所たくさん見せたかったんだ…けど、それって結局は押し付けになっちゃうし…契約するかハッキリ解らない状態で現場にイリヤを連れて行くのは、イリヤにも村の人達にも失礼だと思ったんだ…」
グ「…………」
有「なぁ、イリヤがこの国に求めるモノって何かな…?もしも、明後日の会合までにソレが見付からなくても一緒に改善する事は出来ないのかな?そしたら…そしたらずっとイリヤに居てもらえるのに…可能性がゼロじゃないなら何でも試したい。勿論、皆と一緒にって…へなちょこな俺が言っても説得力ないけど…」
グ「フッ…そうでもない」
有「グウェンダル…?」
グ「兎に角、お前は今日の執務を終わらせろ」
有「はい…υ」
そのまま俺達は席に戻り大量の紙のビルに挑んだ。
見兼ねたヴォルフラムが書類整理をしてくれたので殊の外早く俺は今日の分の執務を終わらせる事が出来た。
そうそう、途中まで忘れていたが何処へ行ったのか午後の授業も執務の時間になっても、ギュンターは戻って来なかった。新しいパンツを仕立てに行ってたりして…とか思ったが、まさかね。と思い直しギュンターの行方を深く考える事を俺は放棄した。
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