第05話 ピエールと紐パンツ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
コンラートSide ――――
愛しい婚約者とやっと2人きりになれた事は嬉しいが、俺は正直怒っていた。
夕べ…朝方まで2人で過ごしたあの甘い時間の数時間後に俺以外の男、ヨザックと風呂に入り、悪びれもせず男同士だと開き直った後、パンツを確認する為に弟のヴォルフラムをベッドで組敷いてズボンを下ろした…。
ユーリやヴォルフラムは俺の機嫌の悪さに怯えていたが、肝心の本人が全く反省していないどころか悪い事をしたという自覚もない。それらの行いがどうとか言う前に、イリヤが一番自覚していないのは自分がどれ程の魅力があるかという事だ。
いくら男同士とは言え、これだけ麗しい彼に惹かれない者はいない。
彼自身にその自覚がないのが一番の問題だ!自分が襲わなければ襲われる心配が無いと思っている事も…。
どうやって、自覚させてくれよう…ここは、お仕置きと言っていっそ既成事実を作ってしまおうか…いや、だが嫌われて俺の元から去ってしまったら元も子もない…。
俺が色々と考え込んでいると腕の中にいるイリヤが声を掛けてきた。
李「コンラート」
コ「何です?」
李「何処に行くんだ?」
コ「そうですね……昼食の時間もありますし、庭園を案内するには時間が掛かるので、やはり予定通り、庭園の案内は午後からにして俺の部屋に行きますか?」
李「コンラートの部屋?」
コ「えぇ、嫌ですか?」
李「いいよ、俺もコンラートの部屋見てみたい」
コ「それは良かったv」
これだ!この無防備に微笑む姿が一番危ないんだ!
だが、何とも愛らしい…彼が俺に微笑む度に俺の怒りが解けていく…←ヘタレ。
自室に着くと俺はそっとイリヤをソファーに下ろした。
部屋の中を見渡した後、イリヤはスゥーっと空気を吸い込んだ。
李「この部屋はお前の香りでいっぱいだな、包まれているみたいで落ち着くな」
そう言うとイリヤは隣りに座る俺の膝に頭をあずけソファーに横になった。
李「お前と2人で過ごす、このゆったりとした時間が俺は好きだ」
コンラートは、心の中で嬉し泣きをしながらガッツポーズした。
先程の怒りなんて何処へやら、すっかりイリヤのペースに巻き込まれ今やデレッデレだ。
さっき、グウェンダルが撫でた所をまるでマーキングし直すようにコンラートがイリヤを優しく撫でると気持ち良さそうにイリヤは目を細めた。
自然と自分の顔も綻ぶのが解る。
イリヤを撫でていると、イリヤの瞳に自分の姿が映った。
今、イリヤの瞳に映っているのが自分だけで、それが何だか凄く嬉しくてコンラートはイリヤに微笑んだ。
李「やっと笑ったな」
コ「え?」
李「今日のお前は、ずっと怒っていたから」
コ「イリヤ…」
それは総て貴方の行いの所為ですよ。と言いたかったが此処はグッと堪えた。
今、愛しい婚約者の瞳には自分だけが映っていて、彼はその綺麗な瞳に俺を映したまま微笑んでいる。この幸せな時間を壊したくない。
李「なぁ、知ってるか?お前が笑うと、その琥珀色の瞳に銀の星が輝くんだ。俺は、お前の表情の中でこの顔が一番好きだ」
コ「琥珀に銀の星ですか?」
李「うん。お前の持つ琥珀色の中に、俺の持つ白銀が混ざり合ってる…とても綺麗だ」
コ「イリヤ…v」
イリヤは俺の頬に手を当て美しく微笑んだ。
天然たらしとユーリに異名を付けられている俺だが、その俺の心を掴んで離さない彼は、どんな殿方も虜にしてしまう自称“愛の狩人”の自分の母上を思い出させる。
本当ならばこのままこの部屋に閉込めて他の者の目につかない様に独り占めしてしまいたいが、そんな事も出来るはずもなく今は自分の腕の中に居る時だけが唯一、安心していられる時間だ。
李「お前が早く安心出来る様に、俺もユーリみたいに牛乳でも飲むか…」
コ「牛乳…?」
李「ユーリは毎日飲んでいるんだろ?村田が言ってたぞ?」
コ「はい。ユーリは確かに毎朝、牛乳を飲んでいますが…成長期だから背がもっと伸びる様にって…Σはっ!!」
李「俺の背が早く伸びて、深い関係になればお前の不安も少しは軽くなるだろ?」
そんな事されたら違う不安でいっぱいだ!!
コ「い、いや…υイリヤ、俺は今のままのイリヤで充分だよv」
李「ふぅん…そうか?」
あぁ…何故、解決の糸口がソコなんだろう……(泣)
根本的にソコから改善していかねば…それもなるべく早急に…でないと近い将来、自分のお尻が心配だ。 だが思えば何もかもがソコに繋がる、イリヤが自分を知ってくれたなら他の男と風呂に入る事も、他の男の部屋に気軽に入る事も、無防備になる事も…総ては解決するんだッ!!
ウェラー卿コンラートは自分の膝の上ではしゃぐ婚約者の頭を撫でながら、新しい決意を胸に明日への希望の光りを夢見た。
.