第05話 ピエールと紐パンツ
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ヴォルフラムはその光景に暫く理解出来ずに固まっていた。
一体、何が起きているんだ…?
部屋にイリヤを招き入れ、2人で楽しく話をしていたはずなのに今、自分はベッドに仰向けに寝ていて自分の上にはさっきまで一緒にお茶を飲んで話していたイリヤが乗っている……。
李「ヴォルフ…」
自分の名前を呼ばれヴォルフラムはハッと我に返って自分が今、イリヤに組敷かれている事に気付いた。イリヤは、まるで揺らいでいた自分の心を見透している様に、じっと見つめてくる。
ヴ「イリヤ、イリヤ…ぼぼぼ、僕には、ユーリという婚約者が…」
李「知っている…」
ヴ「な、ならば…なぜこんな…」
李「ヴォルフ…」
ヴォルフラムの唇をイリヤの細く美しい指先が塞いだ。
う、動けない…イリヤの自分に向けてくる視線の総てが熱くて、軽い電流が流れている様で身動きが取れない。
あぁ…このまま流れに身を任せてもいいかもしれない。
きっとイリヤも自分と同じ様に、自分の中に芽生えた感情を抑えられなくなったのかもしれない。
僕達は互いに婚約者を持つ身でありながら、その気持ちに抗う事が出来ないんだ……。
イリヤ…ならば僕は、お前のその気持ちを受け入れよう、たとえ一時でもお互いの心を満たせるのならば………ってそうじゃない!!
僕は…僕は、自分を組敷く麗しいイリヤを組敷きたいんだッ!!
コレでは自分が思い描いていた状況と意味合いが違ってくる!!
そうこう思っているうちにイリヤはヴォルフラムのベルトをカチャカチャと外し始めている。
ヴ「ちょっ、ちょっと待てイリヤ!これじゃ逆だ…」
李「大人しくしていろ、直ぐに済む」
ヴ「直ぐに済むって…わっ!?チャックを下ろすな!」
ヴォルフラムが暴れるのも虚しくベルトとファスナーを外されたズボンは、いとも簡単に下ろされた。
と、同時にヴォルフラムの部屋の扉がノックも無しに乱暴に開けられた。
バンッ!!
コ「イリヤ !!」
ヴ「Σコンラート!?」
李「あ、コンラート」
互いの思いを確認する前にイリヤの婚約者であり、自分の兄であるコンラートが部屋に入って来た。
今の状況はというと…
僕はイリヤによってベッドに組敷かれ、更にズボンを下ろされているという状況で、更に言うならその光景を見たコンラートの形相が見る見ると恐ろしい顔に変化しているという状況だ。
ヴ「ごごごごご、誤解だッ!僕は別に如何わしい事なんて…っ」
カツカツカツ…
ベリッと音がする様にコンラートは僕とイリヤを引離した。
イリヤはそのままコンラートに抱きかかえられている。
コ「イリヤ…、まさかとは思いましたが…」
李「見ろよコンラート、ヴォルフは青い紐パンだ!」
ヴ「は…?紐パン…?」
……どういう事だ?
ヴ「…………」
訳が分からずイリヤの顔を見ると満足そうにコンラートに微笑んでいる。
コ「ヴォルフラム、兎に角ズボンを直せ」
ヴ「Σはっ!!」
僕がズボンを直していると今度は部屋にユーリが入って来た。
有「コンラッド、イリヤ居た~?」
コ「はい。ユーリの言っていた事態に間に合いませんでしたが…」
有「あちゃ~やっぱりヴォルフ、ズボン下ろされたのか」
ヴ「ユーリ…何故その事を…?Σぼ、僕は浮気心なんてッυ」
有「あ~分かってる、分かってる」
ヴ「…………」
李「ユーリ!ヴォルフは青の紐パンだったぞ!」
有「へぇ~青か…てか、イリヤ、男のパンツ見て何が楽しいんだよ!」
李「だって男が紐パンなんて珍しいじゃないか、ん?そういえばお前、勉強は終わったのか?」
有「あぁ、何かギュンターが新しいパンツがどうこう言ってどっか行っちゃってさぁ~」
李「ふぅん…じゃ、お前も一緒に行くか?」
有「行くって何処に?」
李「グウェンの部屋、さっき来いって言われた」
有「へぇ~次はグウェンダルの部屋かぁ、ギュンターもどっか行っちゃったし、いいかな?」
コ「大丈夫でしょう」
ヴ「ちょっ、ちょっと待て!何がどうゆう事か僕に解る様に説明しろッ!」
今朝の出来事をユーリから説明されたヴォルフラムは、今まで自分の中にあったイリヤへの淡い恋心が音を立てて崩れ落ちた。
少なからずイリヤに対して下心があった為、怒るに怒れなかった。
フォン・ビーレフェルト卿ヴォルフラム…彼もまた今夜、枕を濡らす一人に加わったのだ。
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