第05話 ピエールと紐パンツ
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有利Side ―――――――
有「はぁ、はぁ…コン…ラッド…何で…はぁ…息切れない…わけ…?信じらんね~…」
コ「まぁ、俺は軍人ですし鍛えてありますから」
有「ちぇ~っ、この城3周もして息一つ切れないなんて…」
コ「でも大分、体力がついてきたんじゃないですか?初めの頃よりペースも早くなってますよ!」
有「そっか~まぁ、徐々に頑張るよ!よし、コンラッド後は柔軟付き合ってよ」
コ「はい」
ユーリが後ろに重心をかけ仰け反ると視界に白くヒラヒラと揺れる何かが入った。
有「あれ?」
コ「どうしたんです?」
有「なぁコンラッド、あれ何かな?ほら白くてヒラヒラと…」
コンラッドがユーリの指差す方を見るとテラスから何やら紐の様なものが4本ヒラヒラと風に揺れていた。
コ「あの部屋は…今、イリヤが使っている部屋です」
有「イリヤの?」
コ「何があるんでしょうね」
2人で見上げているとテラスに白銀とオレンジ色の髪の毛が見えた。
有「あれ?あの髪の色ってヨザック?」
コ「そのようですね…」
有「おーい。ヨザック!イリヤ!」
ユーリの呼び掛けにテラスから2つの顔が出てきた。
李「ユーリ!朝から随分と元気だな」
ヨ「おはようございます坊ちゃんに隊長」
有「おはよう」
李「おはようユーリ、おはようコンラート」
コ「おはようございますイリヤ vv ヨザックもおはよう」
有「なぁイリヤ、それ何?」
ユーリがソレと指した方をイリヤとヨザックが見ると、そこにはさっきイリヤが干した紐パンが揺らいでいた。
李「パンツだ」
「「え?」」
李「だから、紐パンだよ」
有「え゛ぇっっ!?」
コ「…イリヤ何故、貴方のパンツがそこに?(黒笑)」
李「何故って、洗って干したから?」
コ「イリヤ、今すぐそこに行きますから動かないで下さいね(黒笑)」
有「えっ!?ちょっ、コンラッド!?ちょっと、待てよ!イリヤ、俺も今そっちに行くから」
李「何だあいつら?」
コンラッドは俺との朝の日課であるトレーニングを済ませた後にもかかわらず、
1階の裏庭から3階のイリヤが居る部屋まで有り得ないスピードでダッシュした…。
ヨ「……イリヤちゃん、グリ江お願いがあるのv」
李「何だ?」
ヨ「アタシと一緒にお風呂に入った事、内緒にしない?」
李「何で?」
ヨ「何でって…υグリ江あのドス黒い閣下に殺されちゃう(泣)」
李「俺は別にいいけど…、でも下手に隠すより正直に話した方がいいんじゃないのか?」
ヨ「…………」
李「…………」
コ「隠すって何を?」(黒笑)
ヨ「ひぃぃぃぃぃ~~っっ、たたたた隊長、御早いお着きで」
李「うおっ!?お前すげぇな!」
あっという間に俺の視界から見えなくなったコンラッドを追いかけ、俺が力の限り全力でイリヤの部屋に辿り着くと、黒笑いを浮かべたコンラッドが2人と向き合っていた。なるべく巻き込まれない様に俺は壁際で事の成り行きを見守った。
コンラッドはテラスに干してあるイリヤの白い紐パンをチラリと横目で確認すると、イリヤの髪を掬い匂いを嗅いだ。
コ「お風呂に入られたんですか?」
李「うん。朝風呂は気持ち良いぞ♪」
ヨ「………υ」
コ「…………」
コンラッドはまるで現場検証するかの様に部屋の様子やらテラスやらを見ている。
ヒラヒラと舞う紐パンを見ていたコンラッドがふと、ヨザックを見た。
コ「まさか…ヨザックと一緒に?」
李「うん。一緒に入ったよ?」
コ「…………」
ヨ「い、いやぁんv 隊長ったら、グリ江怖ぁぁぁい」
コ「黙れ」
ヨ「ハイ…υ」
有「………υ」
コ「何故、ヨザックと?」
李「何故って…特に理由はないけど、しいて言うならたまたま?」
コ「たまたまって…イリヤ、貴方の婚約者は俺ですよ!」
李「知ってるよ?女と入ったなら兎も角、別に男同士なんだし問題ないだろ?」
コ「それでも俺以外の男と一緒に風呂に入るだなんてっ!!俺には耐えられません!」
李「んな、大袈裟な…お前だって男同士で風呂くらい入るだろ?なぁユーリ、お前だってコンラートと一緒に入った事あるだろ?」
有「え~と…確か俺の捻挫の治療でヒルドヤードに行った時に何度か…」
李「ほらみろ、お前だって入ってるじゃないか」
コ「く…っ、ですがそれは貴方と婚約するずっと前の話しです。今の状況とは訳が違います!」
李「じゃ何か?お前は男と一緒に風呂に入る時に、いちいち邪な気持ちで入っているのか?」
ヨ「イヤンv 隊長のむっつりス・ケ・ベv」
有「え゛ぇっ!?そうなのかコンラッド!?」
コ「誤解です陛下、俺はそんな………イリヤ…?何をしているんです…?」
コンラッドが俺に誤解を解こうとした時、イリヤがコンラッドのベルトをカチャカチャと外しチャックをジー…っと下ろした。
コ「イリヤ…積極的ですねv 俺としては大歓迎ですが、陛下の御前ですし…」
コンラッドの話しも聞かずにイリヤはコンラッドのズボンを膝まで下げた。
李「……何だ、普通のパンツかつまらん」
「「「え?」」」
李「いや、お前も紐パンを穿いているのかと…」
コ「…………」
そう言いながら、イリヤはユーリをチラッと見た。
有「わーっ、見るなっ、来るなっ、下ろすなっ!!」
李「お前のは下ろさなくても分かる。黒の紐パンだろ?」
自分のズボンを下ろされると思い慌てて股間を押さえたユーリにイリヤがそう言った。
有「え゛ぇっっ!?精霊使いってそんな事まで分かっちゃうのっ!?」
李「分かってたまるかッ!!ヨザックに聞いたんだ」
有「あぁ…なるほど!」
俺も以前、皆がどんなパンツを穿いているのか気になってヨザックに聞いた事があったっけ……
確かあの時は、ヨザックが自分の趣味でノーパンだという事を知らずに一般兵の皆さんは、いつ死と直面するか分からないから用も情事も直ぐに出来る様にわざとパンツを穿かないってからかわれたんだった…。
俺がそんなちょっぴり懐かしい想いに浸っていると今まで呆けていたコンラッドがハッとした様にイリヤに詰め寄った。
コ「イリヤ、話を逸らさないで下さい」
李「何だよ?」
コ「俺はまだ納得していません」
イリヤの行動によって消えかけたヨザックとの風呂の話題が戻って来た。
コンラッドは真剣な顔でイリヤに問いただしている。
…………とりあえずコンラッド、ズボン直せよ。
李「だから別に、男同士で一緒に風呂に入ったっていいだろ?」
コ「俺が嫌なんです」
李「あのなぁ…お前、俺に対してもヨザックに対しても失礼だぞ!もっと信用しろよ!それとも何か?お前は自分の婚約者も幼馴染も信用してないのか?」
コ「そういう訳では…」
いつの間にかイリヤのペースになっていて、婚約者に逆に叱られているコンラッドが少し可哀想に思えて来た…。
確かに自分の好きな人が他の奴と仲良く風呂に入っていたら良い気はしないよな。
…まぁ、男同士という所を除けばだけど…υ
俺的にはイリヤの考えが自分に近いし、理解も出来るけど…
魔族は恋愛感に男女の壁が無い分その辺は複雑だろう、恋人になった相手が同姓なら余計に親友と恋人の境界線が微妙になってくる。
正に『私と友達と、どっちが大事なのッ!?』とヒステリックに問いただす女の子の気持ちだ。
李「大体、俺とヨザックの体格差を考えてみろよ」
コ「え…?」
李「俺が誰かれ構わず男の“ピ―――”に“ピ―――”する訳ないだろ?」
「「「…………」」」
そう、美少女の様なイリヤの美しい容姿に失念していたがイリヤはそっちを希望する人だった……。
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