第03話 マのつく婚約者
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村「さて、全員の自己紹介が終わったところで本題に入りたいんだけど」
李「あぁ、どうしてお前が訳も言わずにいきなり俺をプールに突落したのかも聞きたいしな!」
「「「「「「…………υ」」」」」」
村「……え~と、先ずは最近の眞魔国についてなんだけど…」
流すのか!?流したのか村田!?
皆がハラハラしている中、村田は今、眞魔国で起きている深刻な問題について説明し始めた。
イリヤは特に口を挟むわけでもなく村田の話に真剣な顔で耳を傾けていた。
俺はその光景を不謹慎ながらも、違う事を考えて見ていた。
同じ学校で同じクラスだと村田は言っていた。
普段、クラスメイトと話すのにあんな風に真剣な顔をすることなんてそうない。村田もイリヤもさっきとは別人の様に真面目な顔をしている。
何で、2人ともあんなに冷静で居られるんだろう…脳味噌の出来が良いとこうも違うものなのだろうか…?
同じ歳なのに俺とは大違いだ。
俺が初めてこの世界に来た時はもっとパニックになっていた。突然わけの解らない世界に来て、魔族に囲まれて婚約者が出来て……然程の驚きも見せずに順応させたなんて、どんだけ神経図太いんだ!?
ふと目線をイリヤの隣りにいるコンラッドに向けると、コンラッドは婚約者の真面目な顔に惚れ惚れしながらガン見している。
コンラッド………お前も大概、不謹慎だぞ!
俺も人の事は言えないが眞魔国の未来が掛かっている大切な会合に、そのいやらしい目つきはヤバ過ぎる……。
俺は、違う意味でこの眞魔国が心配だよ。
俺が一人で違う思考になっていると、村田が一通りの説明を終えた。
村「…と言う訳なんだ、それで確認したいんだけど君は精霊使いなのかい?」
有「えっ!?ちょっ、ちょっと待った!村田、心当たりがあるって、本人に確認するの今なの?」
村「そうだよー。だって地球でそんな時間なかったし」
有「ありえね~」
「「「「「…………υ」」」」」
有「じゃ、じゃあ何、もしかしたら全然関係ない人を巻き込んで、婚約までさせちゃったかもしれないわけ?」
コ「ユーリ、イリヤが万が一、精霊使いでなくても俺とイリヤの愛は変わりませんよv」
李「お前、ホント俺が好きだよな…そんなに俺に入れて欲しいのか?」
コ「………俺は、入れるとか入れられるとか…貴方と一つになれるならどちらでも構いませんが…ただ…貴方が俺によって乱れる姿を早く見たいですねv」
(((((…構うんだな…。)))))
有「もぅ、お前等どっから突っ込んでいいか分かんねーよ!!」
村「あ~っ、もう渋谷、いちいち話しの腰を折らないでよ話が進まないじゃないか!」
有「…ゴメンナサイ」
村田に怒られた……魔王の威厳って……。
村「…それで、イリヤ、君は精霊使いなのかい?」
村田の質問に魔族全員が一斉にイリヤを見た。
さっきとは違う緊張が部屋全体の空気を止めた。
李「うん。精霊使いだよ」
ふぅ~っと安堵の溜息が漏れる。
李「よく俺が精霊使いだと気付いたな」
村「前にサッカー部が花壇の花を駄目にした時、君が花を再生させてるところを偶然見掛けてねv」
「へー進学校でも部活動はあるんだ~」とか言ったら村田に睨まれた……。
李「それにしてもお前、異世界へ行くのに何でわざわざ水の中なんだ?」
村「あ~それは、渋谷の魔術の都合って言うか…」
有「きっと、一番最初にこっちの世界に来た時に、公園のご婦人用トイレに流されたのが切っ掛けだな…あれ以来ずっと水関係でスタツアしてるし…」
李「トイレに!?お前、随分と変な趣味だな」
有「趣味じゃねぇよ!」
村「僕にはその力はないから眞魔国で僕たちを引っ張ってもらえる様、約束してたんだよ。学祭で委員会の仕事してたら説明の時間がなくなっちゃって、で、とりあえずこっちに着いてから説明しようかと…」
李「おおざっぱだな……ってゆーか、お前が何日か前から俺に説明していれば濡れずに来れたものを…」
村「え?」
李「だから、お前がキチンと話を通していたら、俺がお前を連れて、ここへ来たのに」
村「…………」
李「…………」
「「「「「「…………」」」」」」
村「……イリヤって、スタツア出来るの?」
李「出来るよ?」
有「えぇ――――っっ!? イリヤって何者!?」
李「だから精霊使いだって言っただろ、人の話しちゃんと聞いてろよボケ!」
村「さっきから話しの腰ばっかり折ってるからだよ渋谷!王様なんだからしっかりしろよ!」
有「…………」
地球に帰りたい……。
イリヤが精霊使いだと確信を得て、さっきまで自分を抑えていたギュンターがたまらず話しに加わった。
ギ「流石は聖下!!陛下や猊下に引けをとらない力と美貌、そして初めての地で直ぐさま順応される語学力!あぁこのギュンター双黒の方に囲まれて何たる幸せでしょう」
ギュンターがあらゆる箇所から汁を垂らして感動してる…確かに綺麗だし、男前だし、頭良いし……あれッ?
有「そういえば、イリヤどうしてこっちの言葉喋れんの!?」
李「そりゃ~俺に魔族の血が流れてるからだろ?」
「「「「「え゛ぇ~~っっ!?」」」」」
村「イリヤ、それは本当かい?」
李「そんな事、嘘ついてどーする。母親がこっちの世界の魔族と地球の魔族のハーフだ」
ギ「何と、こちらの世界の魔族ですか!?」
李「あぁ、確かにじぃさんが眞魔国出身だ」
コ「俺の他にも地球に行った者がいたなんて!!」
グ「……イリヤの年齢を考えると、眞魔国にまだ知人がいるかもしれないな……」
ヴ「名前は何て言うんだ?」
李「フォン・カーベルニコフ卿ルドルフ」
「「「「フォン・カーベルニコフ卿!?」」」」
李「あぁ、そうだ」
ギ「フォン・カーベルニコフ卿ルドルフ様と言えば、第23代魔王陛下フォン・カーベルニコフ卿ヤノット様の御子息君でごさいます!!」
有「じゃあ、イリヤは王家の血筋で、さらにアニシナさんの親戚なのっ!?」
李「アニシナって誰だ?母さんがよく言ってたけど、じぃーさんは実験が大好きである日、父親のヤノットの目を盗んで王にしか触れない眞王廟に繋がる穴の水を手に入れたらしい、ソレを使って異次元空間移動装置を造って地球に来たと聞いている」
実験が大好き………
………異次元空間移動装置?
間違いなくアニシナさんと同じ血筋だ………。