第03話 マのつく婚約者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
李「さてと、婚約の話はこれくらいにして…自己紹介の続きをしてくれ」
有「え?」
ヴ「何を言っている。此処にいる全員の紹介は終わっているぞ」
李「ん~…でもさ、気になるんだよねテラスの所に居る彼、せっかくだから紹介してよ。どうせソコで話し聞いてるなら一緒に話そうよ!」
「「「「!!!!」」」」
有「えっ?なに!?誰か居るの??」
村「さっすがイリヤ!いつから気付いて?」
李「なに言ってんだよ、俺と村田がこっちの世界、噴水に着いた時から居たじゃねーか、あん時は庭の木の上だったけど……」
ヴ「なっ!?」
グ「アイツの気配を感じるとは……」
ギ「流石は聖下!」
コ「流石は俺の婚約者v」
コンラッド………今、ソレは関係ないだろ……。
村「まぁ、イリヤは危険人物じゃないしね。せっかくだから出ておいでよ」
村田が声を掛けるとテラスに通じるガラスの扉が開いた。
有「ヨザック!?いつからそこに!?」
ヨ「どもーっ。お久しぶりです坊ちゃん」
有「ちょっ、もしかしてずっと監視してたのか!? イリヤに失礼だろ!こっちが無理矢理、連れて来たんだぞ!」
李「俺は別に構わない、それに王の身を守るのが此処に居るこいつらの仕事だろ」
ヨザックは俺に挨拶を終えるとイリヤを見つめて二カッと笑った。
ヨ「初めまして~グリエ・ヨザックでぇ~っすv 庇ってくれてあ・り・が・とv グリ江って呼んでねv」
クネクネっとしなを作って一見いつものカマ・バージョンのヨザックに見えるが、この表情には見覚えがある…まだ俺がこの世界にきて間もない頃、俺の事をヨザックが認める前のあの鋭い目だ。
顔は笑っているけど決して目は笑っていない。
李「俺は結城李璃弥だ、イリヤと呼んでくれ」
ヨ「それにしても~閣下たちが見惚れちゃうのも解るわぁ~近くで見ると本当に綺麗な顔立ちねぇンv」
ヨザックはまじまじとイリヤを観察している。
李「お前は変な顔だな」
ヨ「え?」
李「変な顔だと言ったんだ、気分が悪くなるから俺にそのツラ見せるな!」
ヨ「…………」
「「「「「「…………υ」」」」」」
イリヤの言葉によって部屋の空気が凍りついた。
有「あの……イリヤ…それはちょっと言い過ぎじゃ…」
村「渋谷」
ヨザックの目つきとふざけた様な態度に腹を立てたのは解るが、人の容姿にケチをつけるのは善くない。俺だったら、すっげー傷付く……俺が場の空気を和ませ様と間に入ろうとした時、何故か村田に止められた。
殴り合いになったらどうするつもりだ村田!?それこそ醜い顔になるんだぞ!!
……まぁ、ヨザックならイリヤとの体格差を見る限りボコボコにされる心配はないけど………。
……………ん?
でも待てよ、逆に万が一イリヤがヨザックにボコられた場合、婚約者のコンラッドがヨザックをボコる可能性が大いにあるぞ!一発でもあの綺麗な顔に傷でもつけ様ものならボコるどころか、コンラッドなら迷わず殺すかもしれない。
……となると、どちらにせよヨザックが無事で居ることはないんじゃ……って今はそんな事を考えている場合じゃない!!
村田から始まり、ギュン汁や数々の無礼やセクハラ…たった数時間の中、魔族に関わってから彼にとって良かった事が見付からない!!
…………気分を害されて帰ってしまったらどうしよう…。
俺が頭の中で色々と心配していると、黙っていたヨザックが口を開いた。
ヨ「……確かに貴方様のお顔に比べたら貧相な顔かもしれませんが、コレは生まれつきなので直しようが…それに、お言葉を返すようですが……そちらが俺に出て来いと…」
李「誰がお前の顔の作りの話しをした!」
ヨ「……えっ!?」
李「俺は、お前のその作り笑いが気持ち悪いって言ってんだ!可笑しくもないのに笑うな!似非笑いされるくらいならガンでも飛ばされた方がまだマシだ!」
ヨ「…………」
李「お前は此処にいる誰よりも一番慎重に行動しなきゃいけない立場にある。軽はずみに人と親しく接するとは此方も思ってない。長く培って来たお前の眼力と勘が、味方だと納得出来る理由を見付けるまで無理に俺に笑いかけるな!」
ヨ「……俺が納得出来るまで…ですか?」
李「あぁ、いつまでもお前が納得出来ないなら、それは俺の素行の問題だ!」
しぃ―――――――ん・・・
有「かっこイイ~v」
男前だ!
俺の浅はかさが恥ずかしくなってくる……。
こんなに見た目は美少女なのに心は俺よりもずっと男らしい!あまりの潔さにスタンド席で学園アイドルを見つめるギャル達の様な台詞を言ってしまった。
ヨ「ぷっ……」
李「?」
ヨ「ぷっ、はははははは~ひぃ~」
有「ヨ、ヨザック?どうした?大丈夫か!?」
ヨ「あ~はっ、はっ、はっ。いやぁ~参った、参った!ホント可愛い顔して男前!グリ江惚れちゃいそうv」
コ「ヨザ!」
ヨ「ハイ……スイマセン」
ヨザックが“惚れちゃいそうv”とか言ってイリヤに抱き付こうとしたらドス黒いオーラを背負ったコンラッドに阻止された。
ヨ「失礼しました。改めまして俺はお庭番をしているグリエ・ヨザックです」
李「改めまして、俺はイリヤだ。今の顔は嫌いじゃない」
ヨ「立場上、貴方の総てを信用した訳ではありませんが…個人的には貴方の性格は俺のタイプ…いぇ、好感がもてます」
途中、コンラッドがヨザックの言葉に反応して剣を突き付けていた。
男の嫉妬って怖い……。