第03話 マのつく婚約者
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何とか全員落ち着きを取り戻し、俺達は会合の席に着いた。
コンラッドは超美少年の隣りに座り、笑顔で見つめてる……。
…やらしそう…じゃなかった、嬉しそうだなコンラッド……。
こっちにまでキラキラした星が飛んできてるぜ……。
俺がコンラッドに見入ってると村田が話し始めた。
村「じゃ、まずは皆で自己紹介タイムv」
有「合コンかよ!」
ヴ「ユーリ、ご…ぅ…こん…とは何だ?」
村「合コンって言うのはねぇ~ビーレフェルト卿、若い男じ……」
有「わーっ、わーっ。ヴォルフ、ヴォルフ、合コンとは初めて逢った時に皆で自己紹介する事だっ!!」
ヴ「……本当か?」
村「う~ん、間違ってはいない……か…なぁ…」
そんなやり取りを聞いていた超美少年が少しイラついた様に口をひらいた。
李「おい、お前ら、自己紹介するんだろ!?早くしろよ!ったく…俺から言うぞ、俺はイリヤだ。イリヤと呼んでくれ。それとタオル、風呂、服と色々貸してくれて感謝する」
有「そんなこと、こっちが君を勝手に呼んだんだから気にしないでよ!…えーと…ごほん。眞魔国で第27代魔王やってます渋谷有利です。宜しく、ユーリって呼んでくれ!」
李「あぁ!お前が原宿不利か、村田からよく話を聞くぞ」
有「なっ!?村田、何を話してんだよ!」
村「まぁまぁ、僕は有る事と、有る事と、有る事しか話してないよ~」
李「そうだぞ、ゆーちゃん。男なら細かい事気にするな!」
有「ゆーちゃん言うなー!!」
村「はいはい渋谷、後がつかえるから~次は僕の番だね♪知っての通り、村田健でぇ~すv こっちで大賢者やってまぁ~すv」
李「……なんか語尾がムカツクな」
ギ「私は陛下の教育係りをしております王佐のフォン・クライスト卿ギュンターと申します。どうぞギュンターとお呼び下さい。先程は無様な所を御見せしてしまい大変、失礼致しました」
李「あぁ……あれな…」
グ「…私はフォン・ヴォルテール卿グウェンダルだ、グウェンと呼んでいい」
ヴ「僕はユーリの婚約者でフォン・ビーレフェルト卿ヴォルフラムだ。お前は僕の兄上になるのだからヴ
ォルフと呼んでいいぞ」
李「何の話しだ?」
ヴォルフラムの言葉にイリヤが疑問符を浮かべていると、するっと長い指先がイリヤの顎を捉えクイッと引き寄せた。
コ「そして俺が、イリヤの婚約者ウェラー卿コンラートだよv 先程は熱烈な求婚を有り難うv 俺の事はコンラート、もしくはコンラッドと呼んでくれv」
李「…は?こんにゃく?…球根?」
コ「球根じゃなくて求婚“Propose”俺は君の婚約者だよv」
李「…………おい…村田、どういう事だ?」
村「あ~……、、、はいフォン・クライスト卿!」
イリヤに聞かれて村田は説明を放棄し、ギュンターに押し付けた……。
ギ「古式ゆかしく伝統にのっとった方法でイリヤ様はコンラートに求婚されました。相手の左頬を叩くのは求婚の行為、また打たれた者が右頬も差し出せば願いを受け入れたという……さらに、今回コンラートはイリヤ様に求婚返しもしていますので、イリヤ様とコンラートの婚約は成立しております。」
李「……だって、こいつ男だろ?」
ギ「この世界では珍しいことではございません」
イリヤはまるで助けを求める様に、縋る目で村田を見たが「もう取り消しが出来ない」といったように村田が首を振ると今度は俺に助けを求めて来た。
李「ユーリお前はこの国の王だよな!?お前ならなんとか…」
有「俺もこれに近い状況でヴォルフと婚約したんだ……」
ヴ「あぁそうだ!ユーリは僕への愛を抑え切れなくて逢ったその日に求婚をしてきた」
有「…………」
李「…………」
イリヤは嘘だろ!?という目でユーリを見ると同情と共感の目でイリヤを見つめていた。
その顔には薄っすらと婚約者からの呪縛が見え隠れする……。
わか~る・わかるよ・君の気持ちぃ~♪
ギター片手に歌い出したい気分だ。
李「ちょっと待て!確かに近頃、地球ではBLが流行っているが、俺はノーマルだ!!それに村田!お前なら俺がどんなに苦労してるか分かるよな!?おい、お前、そこにいるお前も!好きな女に告って『自分より可愛い人はイヤ』とか言われたり、友達だと思っていた奴にいきなり押し倒されて、はぁはぁ言われる俺の気持ちが分かるか―――っっ!?」
「「「「「…………υ」」」」」
コ「大丈夫ですよ」
李「何がだっっ!?」
コ「俺とイリヤは友達ではなく婚約者ですし、それに……今度からイリヤにそうゆう下心を持って近付いた輩は俺が叩き潰しますからv」
李「…………」
「「「「「…………υ」」」」」
解決になっていない…。
李「俺はそうゆう事を言ってるんじゃない!だいたい、顔は良いとしてもだ!お前には俺の好みと決定的に違う所が1つある!」
コ「好み…ですか……?」
有「イリヤの好みって?ってか、顔はタイプなのかよ!」
よくぞ聞いてくれたと言う様に、イリヤは椅子から立上がりあろう事か理想の……を語り始めた。
李「いいかお前等よ~く聞け!俺は巨乳好きだ!」
………………はい?
李「巨乳と言ってもただデカイだけじゃ駄目だ!小さすぎず、大きすぎないおわん形が理想だ。片手で握って少し余るくらいの大きさだぞ、大きさだけじゃない形はツンと上向きがいい!乳首もピンクで胸の膨らみに対して少し小さめで、乳り……」
有「わぁーっっ。ストーップ、ストーップ!!」
李「何だ、ゆーちゃん此処からがイイとこなのに…」
イリヤの話を聞いて村田だけがニヤニヤと聞いている。
ヴォルフもグウェンも顔を赤くしている……きっと下ネタは苦手なのかもしれない…。
ギュンターはまた鼻血が出てるし…。
話を止められて少しだけムッとしていたイリヤが黙って聞いていたコンラッドに言った。
李「コンラート、お前だって男だ!乳がある女の方がいいだろう!?」
コ「………それは、嫌いではありませんが……」
そうだろ、そうだろうと頷き上手く誤魔化せる気がしてきたイリヤにコンラッドが…
コ「…ですが、俺の婚約者はイリヤ、貴方です。それに俺は男とか女とか、そんな料簡の狭い男ではありません」
ぴくっ
コンラッドの“料簡の狭い男”という台詞にイリヤが反応した。
李「………いいだろう」
「「「「「えっ!?」」」」」
李「そこまで言うなら認めてやる。お前は俺の婚約者だ!」
コ「いいんですね?」
李「男に二言はないっ!」
本日2度目のしてやったりの顔でニヤけたコンラッドに誰もが恐怖を感じた。
流石はコンラッド。出会って数時間の関係で婚約者の性格を見抜きやがった!
全員がコンラッドの勝利を思った時、イリヤが思いもしない言葉を吐いた。
李「ただし!」
コ「えっ?」
「「「「「?????」」」」」
李「俺は今、成長期だ!」
コ「…はぁ」
李「婚約者だとは認めるが!俺がコンラートの背を追い越すまで情事はなしだ!」
………………え?
コ「あの……イリヤ……まさか………υ」
……何だろう?コンラッドが焦ってる…。
皆は再び2人を見守った。
李「安心しろ、俺がお前の背丈を抜くのにそう何年も掛からない。お前がそんなにも望むなら俺も全力でお前の“ピ―――”に俺の“ピ―――”をぶち込んでやるからな!!」
「「「「「「…………」」」」」」
………それはどうだろう?
誰もがコンラッドが受ける想像をして違和感を感じた。
自分を知らないって恐ろしい…予想外の婚約者の発言にさっきまで余裕だったコンラッドも変な汗をかいている。
彼等が契りを交わす時……それはきっとイリヤの思いは叶わないだろう……。
そう遠くない2人の未来。
可哀想だけど絵的にイリヤの成長が止まってくれる事を魔族は強く願った。
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