第02話 美少女or美少年
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イリヤSide―――――
カポ―――――――ン。。。
李「ふぅ―――っ」
冷えた身体を温めるため、湯船に肩まで浸かって、さっきまでの状況を振返る……
学園祭でゴスロリの服を着て指名客と『パスタまぜvまぜvタイムv』をしていると突然、クラスメイトの村田に呼ばれ、何かと近付くといきなり腕を捕まれてプールまで走った。
突然の事に訳が分からなくなり、手を引く村田に何事かと返事を聞くと言うより、問い掛けている間にプールに突き落された。
普段ならこの時期、水を抜いてあるはずのプールには時期に似合わない綺麗な水が入っていた……村田、お前が入れたのか?お前の仕業なのか?
この時期にプールに入るとは思わなかった……やっと身体が温まってきた。
それにしても、ずいぶんと懐かしい顔に会った。此処はアイツが住む世界なんだろう…他の奴等も似た様な服を着ていた。
………タオルを貸してくれた美形から鼻血が出ていたのは少し怖かった…あの美形が崩れるのは勿体ない気もするが、アレくらいの顔なら元が美形な分、学校にいる野郎どもよりは数百倍マシだ!
風呂から出ると広い脱衣場に何着か服が置かれている。
先程、メイドが『お好きな服をお選び下さい』と言っていたからどれを着てもいいんだろうが……それにしても、ざっと数えただけでも軽く20着位ある。
適当に手前にある服を手に取ったソレは何だかやけに布地が多い……
ぴらっ。
李「…………」
慌てて他の服も見てみるが豪華な素材に高価な装飾がある……それはいい。
問題なのは此処にある総ての服がスカートな事だ!
男女問わずスカートを穿いたりする文化国もあるが、さっき噴水の周りにいた奴等は軍服だったが全員ズボンだった。
……ということは、
誰かのを借りるというよりは、コレは俺のために用意された服ということになる……。
お湯の温度に解けてイイ感じだったイリヤの怒りが再び浮上した。
李「……っ、くっそー何で全部女モノなんだぁぁぁぁ~っっ!!」
叫び声は廊下で待っていたメイド達にも届いた。何事か?とメイド達が慌てて部屋に入ると…バスローブ姿の美少女がドレスがどうとか怒っている。
李「おいっ!あの爽やか茶髪男は何処だ!今すぐ此処に連れて来いっっ!!」
慌てふためくメイド達と尋常でないほど怒っているイリヤの騒ぎを聞き付けて別の部屋で待っていた魔族たちが駆付けた。
バタバタバタ……ガチャ。
コ「何事だ!?」
先頭を切って入ってきたコンラッドの顔にイリヤが手に持っていたドレスを思いっきり投げ付けた。
バサッッ。
コ「う゛っっ!?」
李「この服を選んだのはお前だろう!?」
有利たちが部屋に入ると怒りを露わにしながら肩で息をしている超美少女がコンラッドに向かって怒鳴っていた。
コ「よく分かりましたねv 貴女に似合いそうなドレスをいくつか用意したんですが、お気に召しません
でしたか?」
李「……似合いそう……だと?」
拳をギュッと握り締めぷるぷると震えて怒っている。
その姿も何とも愛らしい…。
コ「はい。貴女のその愛らしい顔にぴったりだ……」
パ―――――――ン!!
コンラッドがニコニコしながら美少女に言おうとした時、小気味良い音が部屋に響いた。
コ「あっ」
「「「「「あ゛っっ!!!!!」」」」」
「「「きゃーv」」」←メイド達
李「俺は、俺は男だぁぁぁぁぁ―――っっ!!」
有「え゛ぇ―――っっ!?」
村「あーぁ…」
「「「…………」」」
「「「きゃ――v」」」
「ぶぼっ」←?
美少女改め、美少年が怒鳴りながら着ていたバスローブの紐を解き昔の某エステCMの様にガバッと前を開いた。
「やっぱワイハよね~」と幻聴すら聞こえてきそうだ……。
顔だけでなく身体も透き通る様に白くすべすべな美肌は風呂上がりのせいか薄っすらピンクに色付いていて何とも色っぽい。
……ただ、その美しい身体にはある筈のモノがなくて無い筈のモノが…………ついている。
その光景を目の当たりにした魔王と魔族似てねぇ三兄弟はあまりの驚きに今、自分が見ているモノが信じられないと目の前にあるモノを凝視したまま固まって、ギュンターは噴水の様に身体中の汁を吹出しそのまま倒れてヒクヒクと痙攣してる…。
有「むむむむむ、村田!?う、うううう嘘だろ!?」
村「渋谷、落ち着いて!」
有「だだだだって、こ、こ、これが落ち着いていられる状況かよ!?」
村「あ~さっき皆で盛り上がってる時に、何度か言おうとしたんだけど……僕が通ってるの男子校なんだよね」
有「嘘だろーっ、聞いてないよぉぉーーっ!! Σはっ…ってか、き、君、早く取り消して!」
前を開けたまま、腕組して仁王立ちしている美少年が「取り消す?何を?」とか言っている間にコンラッドが美少年の頬を優しく“ぱちん”と叩いた。
「「「あ゛っっ」」」
李「……てめぇ」
コ「お怒りが治まらないのなら、今度はこちら側をどうぞ」
と、さっき叩かれたのとは逆の頬をコンラッドが差し出す。
李「……ほぅ、いい根性してるじゃねーか!?」
コ「はい。出来たら先程の平手打ちでお願いします」
有「わぁーっ、待った!待った!」
コ「ユーリ、少し黙っていて戴けますか」
有「う゛っっ」
コンラッドの背中にさっきまで無かった黒いオーラがビシバシ出てる…有利がコンラッドに威圧されて後ずさると、既に壁際に避難している魔族似てねぇ三兄弟の長男と三男が顔を青くさせていた。
俺、魔王なのに…あんたらの兄弟はいったい何者ですか?と聞きたくなったが答えてくれたら、それはそれで怖い気がする………とか考えている間に数分前、この部屋に入った時と同じ位の小気味良さで“パシッ”と音がした。
コンラッドはしてやったりといった感じで不適に笑っている。
村田は一部始終を一人だけ楽しそうに眺めていた。
コ「さて、前を開けたままでは本当に風邪を引いてしまいますよ」
と言って美少年のバスローブを元に戻している。
二発叩いたせいかスッキリしたらしく美少年はコンラッドがやらしい手付きでバスローブの紐を結んでいてもされるがままになっている……危険だ……バスローブの紐を結ぶだけなのに何で腰に手を回してるんだコンラッド!?
コ「さぁ身体が冷えないうちに、こちらの部屋へどうぞ部屋を暖めてありますから、ギュンターそんな所でいつまでも寝てないで至急、新しい服を用意しろ!」
コンラッドは美少年の腰を抱きながら隣りの部屋へ移動する時に、床で血まみれになって倒れているギュンターを蹴飛ばした。
新しく用意された服は美少年に良く似合う白い軍服だった。
嘘みたいに復活したギュンターが「聖下の白く透き通るお肌をより一層美しくさせる色」とか何とか言って白い軍服になった。
ギュンターの言う通り白い軍服が美少年を超美少年にした。
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