いいたいことがあるの
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背中に衝撃が走り、背中に焼き付く様な痛みが覆い、息が止まる。
「うがぁっ……」
「大丈夫ですか!?」
市松模様の羽織を着けた少年がこちらに駆け寄ってきた。
「私は……大、丈夫だから、この人を……」
「は、はい。分かりました。大丈夫ですか。しっかり……」
「出ら…せっ…かく…あ…あ…外に出ら…れた…のに……」
男性の悲痛な声が私の耳に入る。私がもっと早く、ここにくればこの人を助けられたのに。
「死…ぬ…のか…? 俺…助け…られた…のに」
市松模様を着けた少年が男性をぎゅっと抱きしめる。
グオオオオオオオオ。
ポン。
ポン。
ポン。
何かの鳴き声と共に鼓の音がする。市松模様の少年が諦めた様な表情をし、男性を別の場所へ移動させそっと横たわせる。
ああああぁぁぁぁ!!!!
悔しい。不甲斐ない。情けない。私がもっと強かったら、助けられたというのに。あの人が死ななくて済んだというのに。
「に、兄ちゃんじゃない……兄ちゃんは柿色の着物をきてる」
何処からか声がして、そちらを向いた。そこには二人の少年少女が体を震わせながら、しゃがみこんでいる。
兄ちゃん……? ということは他にも人がいるのか……?
こうしていられない。あの男性を助けられなかった分、他の人を助けないと。
私は痛みが支配する体に鞭を打ち立ち上がる。ふらりと体がよろけた。体勢を立て直せなければ、また、地面へ落ちてしまう。
でも痛みで体が……
黄色いものが視界に入った。顔を上げると憔悴しきった様子ながらも、心配そうにこちらを見ている金髪の少年が目に入った。
「あ、危なかった……君がまた地面に倒れちゃうところだったよ」
どうやら、この金髪の少年が倒れそうになった私を助けてくれた様だ。お礼を言わなくては。あれ? この金髪の少年、どこかで見たような……
「危ないところをありがとう、ございます」
「いいって、あれ。君たしか最終選別にいた」
「善逸!!」
善逸と呼ばれた金髪の少年が声のした方へ振り向く。私も釣られるようにそちらを向く。
先程、こちらに駆け寄ってくれた市松模様の羽織を着けた少年がこちらにやってきた。
「あっ、炭治郎……さっきの人は」
炭治郎と呼ばれた少年が首を振った。
あの人はもう……
市松模様の羽織を着けた少年がこちらを見る。
「体は大丈夫ですか」
「はい。なんとか……」
「良かった……」
少年は安心した表情をするとほっと息を吐いた。少年の耳飾りが目に入る。あれ? これってどこかで見たような。
あっ。
点と点がつながり、私の頭に電流が走る。この二人は最終選別にいた人たちだ。ようやく気づいた。
「ねぇ! 君ってあのときの最終選別にいた子だよね」
「はい、そうで」
「やっぱり! そうだー! 俺、あのときいた女の子の顔覚えているからさ、もしかしたらって思って!」
「やっぱり。そうか、君は覚えていないだろうと思うけど、選別が始まる前に君と目が合ったんだ。選別が終わった後、話しかけようと思っていたんだが、君はもう居なくなっていて」
「あのときの、ことは覚えています」
「本当か!?」
「なんだよ! 炭治郎の知り合いなのォ!?」
「いや、違う。彼女とは最終選別のときあったきりで、そういえば自己紹介がまだだったな」
「俺は竈門炭治郎、こっちは」
「はい! 俺は我妻善逸です! よろしくねぇ」
竈門炭治郎さんと我妻善逸さん。よし、顔と名前をしっかりと覚えた。何故か我妻さんが私の手をぎゅっと握ってきた。
「私は苗字名前といいます。よろしくお願いします」
「名前か。よろしくな」
「名前ちゃんね。可愛くて君にぴったりな名前だね!」
あまり人とは関わってこなかったけども、我妻さんとの距離が何故か近い気がする。
気のせいか……? きっと気のせいだよね。
「うがぁっ……」
「大丈夫ですか!?」
市松模様の羽織を着けた少年がこちらに駆け寄ってきた。
「私は……大、丈夫だから、この人を……」
「は、はい。分かりました。大丈夫ですか。しっかり……」
「出ら…せっ…かく…あ…あ…外に出ら…れた…のに……」
男性の悲痛な声が私の耳に入る。私がもっと早く、ここにくればこの人を助けられたのに。
「死…ぬ…のか…? 俺…助け…られた…のに」
市松模様を着けた少年が男性をぎゅっと抱きしめる。
グオオオオオオオオ。
ポン。
ポン。
ポン。
何かの鳴き声と共に鼓の音がする。市松模様の少年が諦めた様な表情をし、男性を別の場所へ移動させそっと横たわせる。
ああああぁぁぁぁ!!!!
悔しい。不甲斐ない。情けない。私がもっと強かったら、助けられたというのに。あの人が死ななくて済んだというのに。
「に、兄ちゃんじゃない……兄ちゃんは柿色の着物をきてる」
何処からか声がして、そちらを向いた。そこには二人の少年少女が体を震わせながら、しゃがみこんでいる。
兄ちゃん……? ということは他にも人がいるのか……?
こうしていられない。あの男性を助けられなかった分、他の人を助けないと。
私は痛みが支配する体に鞭を打ち立ち上がる。ふらりと体がよろけた。体勢を立て直せなければ、また、地面へ落ちてしまう。
でも痛みで体が……
黄色いものが視界に入った。顔を上げると憔悴しきった様子ながらも、心配そうにこちらを見ている金髪の少年が目に入った。
「あ、危なかった……君がまた地面に倒れちゃうところだったよ」
どうやら、この金髪の少年が倒れそうになった私を助けてくれた様だ。お礼を言わなくては。あれ? この金髪の少年、どこかで見たような……
「危ないところをありがとう、ございます」
「いいって、あれ。君たしか最終選別にいた」
「善逸!!」
善逸と呼ばれた金髪の少年が声のした方へ振り向く。私も釣られるようにそちらを向く。
先程、こちらに駆け寄ってくれた市松模様の羽織を着けた少年がこちらにやってきた。
「あっ、炭治郎……さっきの人は」
炭治郎と呼ばれた少年が首を振った。
あの人はもう……
市松模様の羽織を着けた少年がこちらを見る。
「体は大丈夫ですか」
「はい。なんとか……」
「良かった……」
少年は安心した表情をするとほっと息を吐いた。少年の耳飾りが目に入る。あれ? これってどこかで見たような。
あっ。
点と点がつながり、私の頭に電流が走る。この二人は最終選別にいた人たちだ。ようやく気づいた。
「ねぇ! 君ってあのときの最終選別にいた子だよね」
「はい、そうで」
「やっぱり! そうだー! 俺、あのときいた女の子の顔覚えているからさ、もしかしたらって思って!」
「やっぱり。そうか、君は覚えていないだろうと思うけど、選別が始まる前に君と目が合ったんだ。選別が終わった後、話しかけようと思っていたんだが、君はもう居なくなっていて」
「あのときの、ことは覚えています」
「本当か!?」
「なんだよ! 炭治郎の知り合いなのォ!?」
「いや、違う。彼女とは最終選別のときあったきりで、そういえば自己紹介がまだだったな」
「俺は竈門炭治郎、こっちは」
「はい! 俺は我妻善逸です! よろしくねぇ」
竈門炭治郎さんと我妻善逸さん。よし、顔と名前をしっかりと覚えた。何故か我妻さんが私の手をぎゅっと握ってきた。
「私は苗字名前といいます。よろしくお願いします」
「名前か。よろしくな」
「名前ちゃんね。可愛くて君にぴったりな名前だね!」
あまり人とは関わってこなかったけども、我妻さんとの距離が何故か近い気がする。
気のせいか……? きっと気のせいだよね。