いいたいことがあるの
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私は藤襲山での七日間を無事に生き抜いた。
あんなにいた大勢の人たちはいなくなってしまい、ここにいるのは私を含めて五人しかいない。
涼やかな表情で蝶と戯れている少女。
何やらぶつぶつと呟いている金髪の少年。
厳しい顔つきで白髪と黒髪の二人を見つめている少年。
あ、七日間前に私と目が合った少年もいる。
よかった。あの人も生き残れたんだ。
改めて四人を見てみる。
……なんだか、只者ではなさそうな人たちだなぁ。ここにいるということは私の同期となる人たち、仲良くなれるかな……
「で? 俺はこれからどうすりゃいい、刀は?」
「まずは隊服を支給させていただきます......」
話を聞くと隊服を支給するために体の寸法を測ること、階級が十段階あることがわかった。
私たちは一番下の癸だ。
最高階級である柱まで長い長い道のりだ。長い、長いその道のりを想像し、溜息を吐く。
父は私が柱になることを望んでいるのだ。
いくら、代々の苗字家の長が柱を務めているからといって、私が出来るはずがない。
目に見えない錘が私の上に重くのしかかっている。
「刀は?」
「本日中に玉鋼を選んでいただき刀が出来上がるまで十日から十五日となります」
「さらに今から鎹鴉をつけさせていただきます」
白髪の子が手を叩くと、バサバサと鎹鴉が舞い降りてきた。
他の子たちの鴉は大人しくしているというのに、私に当てられたであろう鴉は私の頭上をぐるぐると旋回している。
……なんで私には鴉が寄って来ないの?
思い返せば、私は動物と仲良くなったことがない。
犬には吠えられ、猫には引っかかれ、その他諸々、私が受けた動物の被害は数えきれない。
もしかして私って動物に物凄く嫌われているの……?
しばらくして、鴉は私に近づいてきた。
一般的には腕や手に止まってくる筈だが、鴉は私の頭上に止まった。かと思えばツンツン嘴で私の頭を突き始めた。痛い。
「あの? 突くのやめてくれない?」
鴉にお願いをしてみることにした。流石に言えば止めてくれるだろう。
私の言葉を聞き鴉は動きを止めた。かに見えた。
「カァ」
「いだっ」
鴉は一鳴きすると、また突き始めてしまった。先程よりも突きの勢いが早まっている。
……この鴉は何を言っても無駄だ。放っておくことにしよう。
「え? 鴉? これ雀じゃね」
隣を見てみると金髪の少年は鴉ではなく、雀が当てられている。
雀と会話をしていた金髪の少年が雀に摘まれてしまった。
貴方もそうか。
……なんだか、この人とは物凄く仲良くなれる気がする。
「どうでもいいんだよ鴉なんて」
厳しい顔つきで白髪と黒髪の二人を見ていた少年がいきなり、怒鳴り声を上げ、白髪の子に掴みかかる。
「刀だよ刀!! 今すぐ刀をよこせ!! 鬼殺隊の刀!! 色変わりの刀」
掴みかかれてもなお、白髪の子は気にも留めない様子で厳しい顔つきの少年を見つめている。
突然の出来事にひどく驚いた。どうすればいいのだろうか。
あの少年を止めないといけないことは頭では理解しているのだが、生憎それを止める術も勇気も持ち合わせていないのだ。
「この子から手を離せ!! 離さないなら折る!!」
「ああ? なんだテメェは やってみろよ!!」
耳飾りをつけた少年が止めに入り、彼の腕を掴んだ。
すごいなぁ、あの状況で動けるなんて勇敢で、正義感のある人だ。
ミシッと嫌な音が鳴った。
……本当に折るつもりなのか?あの少年は。
「ぐっ…」
厳しい顔つきの少年が白髪の子から離れた。耳飾りを付けた少年が白髪の子を守るように立ち塞がる。
「お話は済みましたか?」
「では、あちらから刀を造る鋼を選んでくださいませ」
「鬼を滅殺し己の身を守る鋼の刀は御自身で選ぶのです」
ずらりと玉鋼が並んでいる。一通り見ていると、とある玉鋼が目に入った。他の玉鋼よりほんの少しだけ暗い色をしている。私はその玉鋼を手に取った。
みんなそれぞれ玉鋼を選んだようで、次々と帰路に帰って行った。
私も帰らなくちゃ、あの家へ
あんなにいた大勢の人たちはいなくなってしまい、ここにいるのは私を含めて五人しかいない。
涼やかな表情で蝶と戯れている少女。
何やらぶつぶつと呟いている金髪の少年。
厳しい顔つきで白髪と黒髪の二人を見つめている少年。
あ、七日間前に私と目が合った少年もいる。
よかった。あの人も生き残れたんだ。
改めて四人を見てみる。
……なんだか、只者ではなさそうな人たちだなぁ。ここにいるということは私の同期となる人たち、仲良くなれるかな……
「で? 俺はこれからどうすりゃいい、刀は?」
「まずは隊服を支給させていただきます......」
話を聞くと隊服を支給するために体の寸法を測ること、階級が十段階あることがわかった。
私たちは一番下の癸だ。
最高階級である柱まで長い長い道のりだ。長い、長いその道のりを想像し、溜息を吐く。
父は私が柱になることを望んでいるのだ。
いくら、代々の苗字家の長が柱を務めているからといって、私が出来るはずがない。
目に見えない錘が私の上に重くのしかかっている。
「刀は?」
「本日中に玉鋼を選んでいただき刀が出来上がるまで十日から十五日となります」
「さらに今から鎹鴉をつけさせていただきます」
白髪の子が手を叩くと、バサバサと鎹鴉が舞い降りてきた。
他の子たちの鴉は大人しくしているというのに、私に当てられたであろう鴉は私の頭上をぐるぐると旋回している。
……なんで私には鴉が寄って来ないの?
思い返せば、私は動物と仲良くなったことがない。
犬には吠えられ、猫には引っかかれ、その他諸々、私が受けた動物の被害は数えきれない。
もしかして私って動物に物凄く嫌われているの……?
しばらくして、鴉は私に近づいてきた。
一般的には腕や手に止まってくる筈だが、鴉は私の頭上に止まった。かと思えばツンツン嘴で私の頭を突き始めた。痛い。
「あの? 突くのやめてくれない?」
鴉にお願いをしてみることにした。流石に言えば止めてくれるだろう。
私の言葉を聞き鴉は動きを止めた。かに見えた。
「カァ」
「いだっ」
鴉は一鳴きすると、また突き始めてしまった。先程よりも突きの勢いが早まっている。
……この鴉は何を言っても無駄だ。放っておくことにしよう。
「え? 鴉? これ雀じゃね」
隣を見てみると金髪の少年は鴉ではなく、雀が当てられている。
雀と会話をしていた金髪の少年が雀に摘まれてしまった。
貴方もそうか。
……なんだか、この人とは物凄く仲良くなれる気がする。
「どうでもいいんだよ鴉なんて」
厳しい顔つきで白髪と黒髪の二人を見ていた少年がいきなり、怒鳴り声を上げ、白髪の子に掴みかかる。
「刀だよ刀!! 今すぐ刀をよこせ!! 鬼殺隊の刀!! 色変わりの刀」
掴みかかれてもなお、白髪の子は気にも留めない様子で厳しい顔つきの少年を見つめている。
突然の出来事にひどく驚いた。どうすればいいのだろうか。
あの少年を止めないといけないことは頭では理解しているのだが、生憎それを止める術も勇気も持ち合わせていないのだ。
「この子から手を離せ!! 離さないなら折る!!」
「ああ? なんだテメェは やってみろよ!!」
耳飾りをつけた少年が止めに入り、彼の腕を掴んだ。
すごいなぁ、あの状況で動けるなんて勇敢で、正義感のある人だ。
ミシッと嫌な音が鳴った。
……本当に折るつもりなのか?あの少年は。
「ぐっ…」
厳しい顔つきの少年が白髪の子から離れた。耳飾りを付けた少年が白髪の子を守るように立ち塞がる。
「お話は済みましたか?」
「では、あちらから刀を造る鋼を選んでくださいませ」
「鬼を滅殺し己の身を守る鋼の刀は御自身で選ぶのです」
ずらりと玉鋼が並んでいる。一通り見ていると、とある玉鋼が目に入った。他の玉鋼よりほんの少しだけ暗い色をしている。私はその玉鋼を手に取った。
みんなそれぞれ玉鋼を選んだようで、次々と帰路に帰って行った。
私も帰らなくちゃ、あの家へ