いいたいことがあるの
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「本当にありがとうございました。家までは自分たちで帰れます」
「お気をつけてくださいね」
私は三人兄弟に別れを告げた。竈門さんは手を振って見送り、嘴平さんは木に頭突きをし、我妻さんは私に抱きついている。
竈門さんの鎹鴉に案内され、私たちは歩いている。
「はぁ……ものすごく疲れちゃったよォ」
「お疲れ様です。我妻さん」
「ありがとう! 今の言葉で元気出た! はぁ……名前ちゃん。俺と結婚してくれない?」
何を言っているんだ我妻さんは。
「……ごめんなさい」
「なんでェーーーー!?」
「夫婦というものは深く愛して合った者たちがするものですよね、恋人ならまだしも会って間もない私たちが結婚するなんて」
「う……じゃあ恋人は?」
「恋人とは二人がお互いに恋愛感情を持った二人がなるものですよね、申し訳ありませんが、私は我妻さんにそういったものを持ち合わせていないので」
「グハァ…ッ」
あっ、しまった。言い過ぎた。
「す、すみません。傷つけてしまって」
「じゃあ友達からでもいい……?」
友達。ともだち。トモダチ。
今までの人生で縁がなかったもので、欲しくて、欲しくて、堪らなかったもの。
ごくりと唾を飲み込んだ。
「ほ、本当にいいんですか? 私と友達になってくれるんですか?」
「うん。名前ちゃんなら、大歓迎だよ!」
「やったー!!!」
嬉しい! とっても嬉しい!!
私と友達になってくれるなんて!!!
私についに! 友達が!!!
嬉しさのあまり我妻さんに抱きついてしまった。
「えぇ!? 名前ちゃん急にどうしたの!?」
「我妻さんと友達になれてすごく嬉しいんです!」
「そ、そうなんだ。俺も名前ちゃんが喜んでくれて凄く嬉しいよ!」
「私の初めての友達になってくれてありがとうございます!」
私たちは友達になった喜びを飛び跳ねて大いに分かち合う。
「そうだ。名前ちゃん」
「はい? なんですか?」
「名前ちゃんって俺に敬語で話してるでしょ? それ、今から禁止だよ! それと俺のことは我妻さんじゃなくて、善逸って呼んでね!」
「は……う、うん。分かったよ、善逸くん」
「名前。俺からもいいか?」
今まで私たちのことを静観していた竈門さんが会話に入り込んできた。
「はい。何でしょうか竈門さん」
「名前。俺とも友達になって欲しいんだが、いいか?」
「へぇっ!? も、も、もちろん大歓迎です!」
「そうか! ありがとう! 俺たちと話す時はそんなに畏まった話し方ではなく。もっと砕けた話し方をしてもいいんだぞ? それと、竈門さんではなく、炭治郎って呼んで欲しいんだ……いいか?」
「わかったよ、炭治郎くんの言う通りにするよ」
「フンッ」
突然目の前に嘴平さんが現れた。一体どうするつもりなのだろうか。
「お前を友達にしてやる! 俺様のことは伊之助って呼べ、いいな!」
「ははっ……ありがとう伊之助くん」
なんということだ。今まで友達ができたことがなかったのに友達ができた。それも三人もだ。
最近、嫌なことばっかりでうんざりしていたけど、人生万事塞翁が馬。
悪いこともあれば良いことにある。
父が生きていたら真っ先に伝えたかった。
父さん。私、初めて友達が出来たんだって。
でも、父はもういない。
父はもう死んでしまったが、私の心の中ではちゃんと生きている。
父さん! 私ね、友達が出来たんだ。
鬼がいつかいなくなるその日まで、友達と一緒に鬼狩りをがんばります!
頭をそっと撫でられた気がする。
周りを見ても、風が木々を揺らし、太陽が沈んでゆく景色しか見えなかった。
「お気をつけてくださいね」
私は三人兄弟に別れを告げた。竈門さんは手を振って見送り、嘴平さんは木に頭突きをし、我妻さんは私に抱きついている。
竈門さんの鎹鴉に案内され、私たちは歩いている。
「はぁ……ものすごく疲れちゃったよォ」
「お疲れ様です。我妻さん」
「ありがとう! 今の言葉で元気出た! はぁ……名前ちゃん。俺と結婚してくれない?」
何を言っているんだ我妻さんは。
「……ごめんなさい」
「なんでェーーーー!?」
「夫婦というものは深く愛して合った者たちがするものですよね、恋人ならまだしも会って間もない私たちが結婚するなんて」
「う……じゃあ恋人は?」
「恋人とは二人がお互いに恋愛感情を持った二人がなるものですよね、申し訳ありませんが、私は我妻さんにそういったものを持ち合わせていないので」
「グハァ…ッ」
あっ、しまった。言い過ぎた。
「す、すみません。傷つけてしまって」
「じゃあ友達からでもいい……?」
友達。ともだち。トモダチ。
今までの人生で縁がなかったもので、欲しくて、欲しくて、堪らなかったもの。
ごくりと唾を飲み込んだ。
「ほ、本当にいいんですか? 私と友達になってくれるんですか?」
「うん。名前ちゃんなら、大歓迎だよ!」
「やったー!!!」
嬉しい! とっても嬉しい!!
私と友達になってくれるなんて!!!
私についに! 友達が!!!
嬉しさのあまり我妻さんに抱きついてしまった。
「えぇ!? 名前ちゃん急にどうしたの!?」
「我妻さんと友達になれてすごく嬉しいんです!」
「そ、そうなんだ。俺も名前ちゃんが喜んでくれて凄く嬉しいよ!」
「私の初めての友達になってくれてありがとうございます!」
私たちは友達になった喜びを飛び跳ねて大いに分かち合う。
「そうだ。名前ちゃん」
「はい? なんですか?」
「名前ちゃんって俺に敬語で話してるでしょ? それ、今から禁止だよ! それと俺のことは我妻さんじゃなくて、善逸って呼んでね!」
「は……う、うん。分かったよ、善逸くん」
「名前。俺からもいいか?」
今まで私たちのことを静観していた竈門さんが会話に入り込んできた。
「はい。何でしょうか竈門さん」
「名前。俺とも友達になって欲しいんだが、いいか?」
「へぇっ!? も、も、もちろん大歓迎です!」
「そうか! ありがとう! 俺たちと話す時はそんなに畏まった話し方ではなく。もっと砕けた話し方をしてもいいんだぞ? それと、竈門さんではなく、炭治郎って呼んで欲しいんだ……いいか?」
「わかったよ、炭治郎くんの言う通りにするよ」
「フンッ」
突然目の前に嘴平さんが現れた。一体どうするつもりなのだろうか。
「お前を友達にしてやる! 俺様のことは伊之助って呼べ、いいな!」
「ははっ……ありがとう伊之助くん」
なんということだ。今まで友達ができたことがなかったのに友達ができた。それも三人もだ。
最近、嫌なことばっかりでうんざりしていたけど、人生万事塞翁が馬。
悪いこともあれば良いことにある。
父が生きていたら真っ先に伝えたかった。
父さん。私、初めて友達が出来たんだって。
でも、父はもういない。
父はもう死んでしまったが、私の心の中ではちゃんと生きている。
父さん! 私ね、友達が出来たんだ。
鬼がいつかいなくなるその日まで、友達と一緒に鬼狩りをがんばります!
頭をそっと撫でられた気がする。
周りを見ても、風が木々を揺らし、太陽が沈んでゆく景色しか見えなかった。
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