いいたいことがあるの
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「よし。善逸、名前。助けに行くぞ」
「はい、すぐにでも行きましょう」
私はその場から動こうとしたが動けない。理由はすぐに分かった。我妻さんが私の手を握ったまま動かないからだ。
「……。」
「我妻さん……?」
我妻さんに声をかけるが、彼は顔を真っ青にし、汗をだらだらと流し、まるで地蔵のように固まったまま動かない。
我妻さんは首を左右に振った。
これは、屋敷に行くことを拒否していることになるが……
炭治郎さんの顔を見ると、まるで般若のような顔をして我妻さんを見つめている。その顔がとても、怖い。
私は竈門さんの顔を見て悟った。この人は絶対に怒らせてはいけない人だと。
「そうか、わかった」
「ヒャーーーッ、何だよォーーー!! なんでそんな般若みたいな顔すんだよォーーーッ、行くよォーーーッ」
ようやく、私の手を離した我妻さんだが、今度は私の背後に移動した。
「無理強いするつもりはない」
「行くよォーーーッ」
どうやら、竈門さんの説得? によって我妻さんも屋敷に行くことになったようだ。
ふと、竈門さんの背負っている木箱が目に入った。
あ、あれ? 今気づいたのだが、その木箱から鬼の気配がする。
でも、鬼特有の嫌な気配しない。むしろ優しい気配が木箱から漂っている。なぜだ……?
竈門さんが少年少女の前に座り、背負っていた木箱を二人の前に置いた。
「もしもの時のためにこの箱を置いていく、何かあっても二人を守ってくれるから」
そう告げると竈門さんは屋敷の方へずんずんと足を進める。私と我妻さんも彼を追いかけるように後を追う。
「炭治郎、なぁ炭治郎。守ってくれるよな? 俺たちを守ってくれるよな? 名前ちゃんだって炭治郎に守ってもらいたいって思っているよね!?」
我妻さんが泣きベソをかきながら私に同意を求める。私はそんなことは思わない。
「……私は自分の身は自分で守りますので大丈夫です」
「名前ちゃん……」
我妻さんが何かを求めるような目つきで私を見つめるが、私は首を振った。
ごめんなさい。我妻さん。私は他人の命を守れるほど強くないのだ。
我妻さんは更に涙を流す量を増やしている。
「……善逸。ちょっと申し訳ないが、前の戦いで俺は肋と脚が折れている。まだ完治はしていない。だから」
竈門さんの発言で頭が真っ白になる。
えっ……? 骨折をしているというのに竈門さんはぴんぴんと動いている。しかもこれから鬼を狩るのだから怪我は免れない。
竈門さん。無茶をし過ぎてはないか? 下手したら死は免れないぞ。
我妻さんが何やら泣き叫んでいるが、彼の発言は私の耳を通り過ぎていく。
「駄目だ!!」
「ギャーーーーーーッ」
竈門さんが声を荒げた。
今度は一体何が……
竈門さんの見つめている方向へ振り向くと、そこには先程の少年少女がいた。
「お、お兄ちゃん。あの箱カリカリ音がして…」
「だっ…!! だからって置いてこられたら切ないぞ。あれは俺の命より大切なものが入っているのに…」
竈門さんの発言に疑問を覚える。あの箱はおそらく鬼が入っているであろう。
でもそれを竈門さんは命より大切なものだって……
ミシッ。
ギィィィィ。
ミシッ。
ミシッ。
異質な音が屋敷中に響き渡る。そして。
ポン。
まただ。また。あの鼓の音がして。
って……あれ?
共にいた竈門さんと少女が居なくなってしまった。
「死ぬ死ぬ死ぬ死んでしまうぞこれは死ぬ!! 炭治郎と離れちゃった。名前ちゃんどうしよう...」
確かに今の状態は危ない。何が起こるか分からないというのに別々に行動していると、どちらかが命の危機に晒されるかもしれない。
「てる子!! てる子!!」
「だめだめだめ大声を出したらだめ、ちょっと外に出よう」
共にいた少年が家族であろう少女に呼びかけ、探し出そうとする。それを我妻さんが止めに入った。
少年の声よりも我妻さんの注意する声の方が大きいけど黙っていよう。
「なんで外に? 自分だけ助かろうとしているんですか?死ぬとかそういうことずっと言っていて恥ずかしくないですか、あなたの腰の刀は一体なんのためにあるんですか?」
「ぐっは…グハァッ、すごい切れ味の言葉が…ぐはっ」
「あ、我妻さーーん!!」
す、すごい。圧巻の一言だ。
少年の非常に鋭利な言葉が我妻さんにグサグサと突き刺さり、ふらつき、私に倒れかかった。
こんな状況においても物怖じせずに、歳上であろう我妻さんに言えるとは。
きっとこの少年は大物になるに違いない。
「違うんだよ俺じゃ役に立たないから…」
我妻さんは少年を引きずりながら、外へ行こうとしているようだ。我妻さんが勢いよく戸を開いた。そこは本当ならば玄関であろう場所が別の場所に変わっていた。
「やっぱり、部屋が変わっている……」
「嘘だろ 嘘だろ 嘘だろ ここが玄関だったのに!! 外はどこに行ったの この戸が────…」
「こっちか!?」
我妻さんが別の戸を開いた。
そこには、見覚えのある猪の頭が。
「ふしゅううう」
「あーーー!!! あのときの猪頭人間だ!!!」
「化ケモノだァーーーーーーッ」
猪頭人間が突進する構えをする。私もその突進から避けるために構えをとる。
猪頭人間の頭が下がった。突進がくる。
「ギャアァァ」
「っ……あ、あれっ?」
猪頭人間は私たちがいる場所とは別の場所に突進し、何処かへ去ってしまった。
「よかった……」
我妻さんを見るとしゃがみこみ、ぶるぶると震えていた。
「我妻さん。大丈夫ですか?」
「名前ちゃーーーん!! 怖かったよォ...」
我妻さんがめそめそ泣きながら私に抱きついてきた。少年はとても冷たい目で我妻さんを見つめている。
「……」
「何だよォ その目なに!? やだそんな目」
「我妻さん、とりあえずここから移動しましょうか、竈門さん達と合流しましょう」
「うん…そうだねぇ…」
我妻さんは片方の手で私に抱きつき、もう片方の手を少年と手を繋いでいる。なんだかおかしな隊列だがこのまま移動することにしよう。
「はい、すぐにでも行きましょう」
私はその場から動こうとしたが動けない。理由はすぐに分かった。我妻さんが私の手を握ったまま動かないからだ。
「……。」
「我妻さん……?」
我妻さんに声をかけるが、彼は顔を真っ青にし、汗をだらだらと流し、まるで地蔵のように固まったまま動かない。
我妻さんは首を左右に振った。
これは、屋敷に行くことを拒否していることになるが……
炭治郎さんの顔を見ると、まるで般若のような顔をして我妻さんを見つめている。その顔がとても、怖い。
私は竈門さんの顔を見て悟った。この人は絶対に怒らせてはいけない人だと。
「そうか、わかった」
「ヒャーーーッ、何だよォーーー!! なんでそんな般若みたいな顔すんだよォーーーッ、行くよォーーーッ」
ようやく、私の手を離した我妻さんだが、今度は私の背後に移動した。
「無理強いするつもりはない」
「行くよォーーーッ」
どうやら、竈門さんの説得? によって我妻さんも屋敷に行くことになったようだ。
ふと、竈門さんの背負っている木箱が目に入った。
あ、あれ? 今気づいたのだが、その木箱から鬼の気配がする。
でも、鬼特有の嫌な気配しない。むしろ優しい気配が木箱から漂っている。なぜだ……?
竈門さんが少年少女の前に座り、背負っていた木箱を二人の前に置いた。
「もしもの時のためにこの箱を置いていく、何かあっても二人を守ってくれるから」
そう告げると竈門さんは屋敷の方へずんずんと足を進める。私と我妻さんも彼を追いかけるように後を追う。
「炭治郎、なぁ炭治郎。守ってくれるよな? 俺たちを守ってくれるよな? 名前ちゃんだって炭治郎に守ってもらいたいって思っているよね!?」
我妻さんが泣きベソをかきながら私に同意を求める。私はそんなことは思わない。
「……私は自分の身は自分で守りますので大丈夫です」
「名前ちゃん……」
我妻さんが何かを求めるような目つきで私を見つめるが、私は首を振った。
ごめんなさい。我妻さん。私は他人の命を守れるほど強くないのだ。
我妻さんは更に涙を流す量を増やしている。
「……善逸。ちょっと申し訳ないが、前の戦いで俺は肋と脚が折れている。まだ完治はしていない。だから」
竈門さんの発言で頭が真っ白になる。
えっ……? 骨折をしているというのに竈門さんはぴんぴんと動いている。しかもこれから鬼を狩るのだから怪我は免れない。
竈門さん。無茶をし過ぎてはないか? 下手したら死は免れないぞ。
我妻さんが何やら泣き叫んでいるが、彼の発言は私の耳を通り過ぎていく。
「駄目だ!!」
「ギャーーーーーーッ」
竈門さんが声を荒げた。
今度は一体何が……
竈門さんの見つめている方向へ振り向くと、そこには先程の少年少女がいた。
「お、お兄ちゃん。あの箱カリカリ音がして…」
「だっ…!! だからって置いてこられたら切ないぞ。あれは俺の命より大切なものが入っているのに…」
竈門さんの発言に疑問を覚える。あの箱はおそらく鬼が入っているであろう。
でもそれを竈門さんは命より大切なものだって……
ミシッ。
ギィィィィ。
ミシッ。
ミシッ。
異質な音が屋敷中に響き渡る。そして。
ポン。
まただ。また。あの鼓の音がして。
って……あれ?
共にいた竈門さんと少女が居なくなってしまった。
「死ぬ死ぬ死ぬ死んでしまうぞこれは死ぬ!! 炭治郎と離れちゃった。名前ちゃんどうしよう...」
確かに今の状態は危ない。何が起こるか分からないというのに別々に行動していると、どちらかが命の危機に晒されるかもしれない。
「てる子!! てる子!!」
「だめだめだめ大声を出したらだめ、ちょっと外に出よう」
共にいた少年が家族であろう少女に呼びかけ、探し出そうとする。それを我妻さんが止めに入った。
少年の声よりも我妻さんの注意する声の方が大きいけど黙っていよう。
「なんで外に? 自分だけ助かろうとしているんですか?死ぬとかそういうことずっと言っていて恥ずかしくないですか、あなたの腰の刀は一体なんのためにあるんですか?」
「ぐっは…グハァッ、すごい切れ味の言葉が…ぐはっ」
「あ、我妻さーーん!!」
す、すごい。圧巻の一言だ。
少年の非常に鋭利な言葉が我妻さんにグサグサと突き刺さり、ふらつき、私に倒れかかった。
こんな状況においても物怖じせずに、歳上であろう我妻さんに言えるとは。
きっとこの少年は大物になるに違いない。
「違うんだよ俺じゃ役に立たないから…」
我妻さんは少年を引きずりながら、外へ行こうとしているようだ。我妻さんが勢いよく戸を開いた。そこは本当ならば玄関であろう場所が別の場所に変わっていた。
「やっぱり、部屋が変わっている……」
「嘘だろ 嘘だろ 嘘だろ ここが玄関だったのに!! 外はどこに行ったの この戸が────…」
「こっちか!?」
我妻さんが別の戸を開いた。
そこには、見覚えのある猪の頭が。
「ふしゅううう」
「あーーー!!! あのときの猪頭人間だ!!!」
「化ケモノだァーーーーーーッ」
猪頭人間が突進する構えをする。私もその突進から避けるために構えをとる。
猪頭人間の頭が下がった。突進がくる。
「ギャアァァ」
「っ……あ、あれっ?」
猪頭人間は私たちがいる場所とは別の場所に突進し、何処かへ去ってしまった。
「よかった……」
我妻さんを見るとしゃがみこみ、ぶるぶると震えていた。
「我妻さん。大丈夫ですか?」
「名前ちゃーーーん!! 怖かったよォ...」
我妻さんがめそめそ泣きながら私に抱きついてきた。少年はとても冷たい目で我妻さんを見つめている。
「……」
「何だよォ その目なに!? やだそんな目」
「我妻さん、とりあえずここから移動しましょうか、竈門さん達と合流しましょう」
「うん…そうだねぇ…」
我妻さんは片方の手で私に抱きつき、もう片方の手を少年と手を繋いでいる。なんだかおかしな隊列だがこのまま移動することにしよう。