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ストーリー•序章

この王国は、魔法と魔術によって栄えた。
元々魔物が多く、人がすむには難しい土地。
そこは、行くあての無い難民が流れ着く最後の場所。
そんな所へ、一人の魔法使いが現れた。
魔法使いは、印(しるし)をもって大魔法を使い魔物を退け人々に安寧の地を作った。
これが、この国の興りである。

爽やかな風が吹く城の庭でノルンは、長い銀髪を抑え歴史書から顔を上げる。
この国には、魔法使いが持っていたとされる印を持つ者が生まれる。その人が死ぬと、また印を持つものがこの国のどこかで生まれる。それは、国が興ってからずっと続いているらしい。

安寧をもたらした魔法使いを讃え、毎年祭りが行われている。その魔法使いの役割を印を持つものが行うのが伝統になっていた。

祭りにはもう一つの意味があり、大魔法を発動し続けるための魔力を、印を介して継続的に流せるようにする儀式でもあった。
もっとも、数十年前に大型結界術式が確立されたため印を必要としなくなり形だけになったが。

それでも、伝統を続けるのは祖先を守った魔法使いに敬意を込めてと言うことだろう。
その印は今ノルンが持ってる。そのせいで、小さい頃色々あったが今は落ち着いている。

ふと、ノルンが過去を振り返っていると軽い足取りが聞こえてくる。長い金髪をなびかせて走ってくる少女。
走ったせいで息を切らしている少女は噂話を持ちかける、その子はこの国の姫クラウディア。
噂の内容は、伝承の中にある浄化の花が実在すると言う話。
最初は興味がなかったノルンだったが、クラウディアが興奮して話す内容に魔術師達が関わっていることで興味を引かれた。

「おとぎ話に興味はない。が、面白そうだな」


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